46812dca 3ba6 42d6 bfc7 0eb26995e79b連載・コラム
2017年02月27日

院長ママのパラレルな日々
第11回 仕事と育児~ベビーシッターさんの存在~

 保育園の入園可否の発表でママたちが一喜一憂するこの季節。預け入れ先が見つからず途方に暮れている方もいらっしゃるかもしれません。

2人の育児をしてきたママドクター・井上留美子先生が「ひとりで育児を抱え込まないコツ」をアドバイスします。

第11回 仕事と育児~ベビーシッターさんの存在~

joynetには育児と仕事の両立に関する悩みが多く寄せられるそうです。先日「先生のご経験はどうでしたか~?」なんて質問をされました。

 子育てには小1の壁、小6の壁、2人目の壁など様々な壁があるようで……。女医に限らず働く女性にとって、初めての子育てと仕事の両立は本当に大変です。

私の場合、1人目の子育ての際は産婦人科を学んだのにも関わらず「妊娠中のママのための本」みたいなものも読んだりして。“医者なら何でも知っている”と思われそうですが、医者でも母親業は初心者。いわゆる一般的な「子育て本」をよく読みました。

しかし、その努力もむなしく実際に育児をしてみると、思い通りにはいかない……。そのことに焦ったのです。

育児本にはこーすべき、あーすべきと理想的な子育て方法がいろいろと指南してありましたが、実践しようとしてもまったく無理なわけです。

わが子に最良のことをしてあげたい気持ちと、睡眠不足、仕事、授乳、専門医試験などすべてが私を追い詰めていたような気がします。

初めはただただ日々を駆け抜けていましたが、産後3ケ月目くらいから少し余裕が出てきて、生活のプライオリティーを決めていこうと考え始めました。ただし、すべてをひとりで網羅するのは無理なこと。そこで、子供の世話を手伝ってくれる人を探すことにしたのです。

仕事と育児をどう両立していくか、に関しては「保育園に預ける……」という方法を調べるのがなぜかとても面倒だったために、ベビーシッターサービスをかなり利用しました。

「良さそうと思う会社」を片っ端から試し、週数日は病院と自宅の中間にある民間の一時保育、それ以外はシッターというダブル使いで仕事継続をしていました。

私の考えた「良さそうと思うシッター会社」とは、簡単に言うと、信頼面を第一に考えると料金が安すぎない、資格を持ったシッターさんを派遣しているなどが選ぶポイントでした。実際に自分のお給料は全てそちらに費やしたといっても過言ではありません。

初めから子供が初対面のシッターさんと2人きりにするのは気が引けたため、まずは在宅中に来てもらい一緒に過ごしたり、仕事の間に抜き打ちで見に行かれる場所で、子供の面倒を見てもらったりしました。

素敵なシッターさんがいたらその方をスカウトして専属で来ていただいたりして。私がお世話になったシッターさんは、子育てがひと段落した世代の方が多かったからか、育児のアドバイスをいろいろとしてもらっていました。

小学校受験のノウハウや、子育て便利グッズ、離乳食調理法なども教えていただいたこともあります。わざわざ便利グッズを買ってきてくださった方もいたりして、本当に助けられました。(もちろん、二度と来ないでほしいと思ったシッターさんもいました)

主人はかなり子育てに関わってくれた方だとは思いますが、やはり大学勤務で忙しく、当直や海外出張も多かったので、あてにはできない……。

だから、他人に頼ることは嫌だなんて考える暇もなかった。時にクリニックの看護師さんに頼んだり、自宅の近所の幼馴染の友人の母に頼んだこともあり。私は他人に我が子を見てもらうのは、客観的意見を聞けて良いこともあると感じていました。

それでも時に、あまりにもバタバタしていたし、子育てを孤独と感じて不安に押しつぶされそうになりハイパーベンチ気味になってしまった事もありました(笑)。

とにかくキャリア継続のためにお金を使った感じですが……。大学での無給の外来と手術補助、研究継続と実家の外来。よく頑張った、私。

そして2人目が生まれたことで、変化が訪れました。

息子たちと私の間に小さい社会が生まれ、母親に100%頼ることが少なくなり、子育てが精神的に楽になりました。肉体的には骨折したり足がしびれたり腰痛があったりとボロボロでしたが(笑)。

2人目ともなると、ママ友たちと協力しあって、幼稚園の帰りに遊びに連れて行ってもらったり、逆に預かったり、お稽古の送迎などを交代でしていました。

時に、子供の面倒を見てくれているママ友の医療相談を受けたり、子供のちょっとした怪我は私が見てあげたりしていました。win-winの関係とでもいうのでしょうか。その頃には、1500円/時で子供の面倒と同時に家事を担ってくれる素敵なシッターさんに出会っており、次男が小学校に上がるまでの長いお付き合いになりました。

でも、そんな子育てで,唯一(?)こだわったのは「食事」と「日々の愛情表現」です。あるシッターさんに「どんなに子供に愛情を注いでも言葉に出してあげないと伝わらずに、子供は不安になってしまうのよ

と言われたことがありました。それ以来、毎日のように言葉に出して愛情を伝えるようにしています。

「ママが頑張っている背中を子供たちはきちんと見ているから大丈夫」

心が折れそうな私に、そんな風に言ってくれたシッターさんもいました。こうやって、ずっと周りの沢山の人たちに支えられて子育てと仕事を両立してこられたのだと思います。あとはひたすら子供たちと共に、母親業を学んできただけのような気がします。

子育ては常に壁だらけ、失敗だらけ。私には小1・小6の壁や2人目の壁はちょっとわかりませんでした。そして日々の子育てと同時に忍耐を学び、気が付いたら今になっていました。

今、一つだけ後悔していることは、産んだ瞬間から学資保険をかけるべきだったこと!!

井上留美子 (いのうえるみこ)

1971年東京生まれ、東京育ち。聖マリアンナ医科大学卒業・研修。整形外科学教室入局。長男出産をきっかけに父のクリニックの院長となる。日本整形外科学会整形外科認定医、リハビリ認定医、リウマチ認定医、スポーツ認定医。

 

自分の健康法である笑うことをモットーに予防医学としてのヨガに着目し、ヨガインストラクターに整形外科理論などを教えている。シニアヨガプログラムも作成し、自身のクリニックと都内整形外科クリニックでヨガ教室を行う。現在は二人の子育てをしながら自身のクリニックにて院長業務を行っている。

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