Adbea1c7 22fa 4308 8a92 fbe6a62aec40連載・コラム
2016年01月18日

連載:富坂美織の「知ること、診ること、学ぶこと」
第3回 住んでみてわかった、NYの不動産事情。

昨年、新生活を始めた際、ハードルとなったのが住まい探し。マンハッタンならではの見つけ方のコツがあるようです。年明けから気温が零下となりぐっと冷え込んだニューヨークから、熱くお届けします!

第3回 住んでみてわかった、NYの不動産事情。

遅ればせながら、新年明けましておめでとうございます。

2016年、申年の私は年女、本厄の年を迎えました。昨年は、ニューヨークと行き来する中で、時差ボケが長引いたり、風邪をひきやすかったりなど、体力の衰えを感じるようになり、新年から健康に気を使わなければと思っております。

さて、昨年末は史上最高気温をマークしたニューヨークも、年明けからは例年の零下気温となり、ハドソン川からの北風でより寒さを感じる毎日となっています。

 新年の第1回目は、ニューヨーク・マンハッタンの不動産事情についてお伝えしたいと思います。皆さまの中には、ご留学やご研究で今後、マンハッタンに住居を借りられる方もいらっしゃると思いますので、実際に不動産探しを体験しての感想と反省をシェアします。

最近のマンハッタンの賃貸物件は空室率が低く、需要が逼迫していると耳にすることが多く、慌てて決めてしまいがちですが、条件の良い物件は必ずあるので、納得のいくものをじっくり探すことが大切です。そこで、物件の探し方、選び方などの流れやポイントを、私の実体験からご紹介します。

STEP1:まずは賃貸物件の特徴を知り情報収集

一般に日本では借り手が強いですが、アメリカの場合貸し手が強いという特徴があります。まず、私が不動産情報をリサーチしている際にわからなかったのがコンドミニアムとレンタルアパートの違いです。

 コンドミニアム:分譲マンションを個々の所有者が賃貸に出している物件。
 レンタルアパート賃貸用のマンション。貸主は大手不動産ディベロッパーのことが多い。

 初心者の方の場合、レンタルアパートのほうが安心かなと、個人的には思っています。というのもコンドミニアムは世界各国の多様な民族が所有者となりうるため、持ち主の裁量にゆだねられてしまいます。私も「早く物件を決めないと」と焦っていたので、その弱みにつけ込まれ、家賃現金一括半年分前払いなど、無理な条件を提示されました。交渉に苦労し時間を要したので結局断念しました。また、聞いた話では、引き払う際に、家具を破損したなどと主張され、デポジットが返ってこないこともあるそうです。ですので、所有者による当たり外れがあることを知っておく必要があります。ホームページには、素敵な家具が備え付けられていたりと魅力的に映るので、思わず心引かれてしまうんですけどね。

 一方で、レンタルアパートのサイトは、何も置いていないガランとした空室の写真だったり、備え付け家具がイマイチだったりと地味ですが、過度なアピールがないぶん信用できる気がします。賃貸会社とのやりとりになるので、契約のスピードが速く、安心感はあります。また、プールやジム、ミーティング・パーティルームなど、共用スペースが充実している比較的新しい物件を多く取り扱っている印象です。

 STEP2:賃貸契約を結ぶ会社の選び方

ネットで情報を集め、賃貸料金、住みたいエリアや広さなどの目安が決まったら、レンタル物件を扱うオフィスにアプローチをしていきます。大きくわけて、不動産会社を通さず管理会社に直接に行く方法と日系の不動産会社に連絡する方法の2パターンがあるのかなと思っています。

①管理会社のオフィスへ直接出向く
正直なところ、ある程度、英語ができるのであれば、レンタルアパートの管理会社を直接訪問するのがベストです。今は高層マンションの建設ラッシュ。マンハッタンを歩いていると、比較的新しいマンションの壁には垂れ幕がかかっており、「この物件の賃貸に興味がある方はここへお電話下さい」と表示があるので、気になる物件でしたら連絡してみましょう。また、2000年以降に建設された大型高層マンションには、多くの場合建物内に管理会社が入っています。家賃の2か月分以上かかってしまうことの多い仲介手数料を、不動産会社を通さず直接契約をすると、省くことができます。不動産会社に交渉力があることは少ないので、自分で交渉しても、不利になることはあまりないと思います。

  • ②日系の不動産会社を利用する
    日本から不動産を探す場合や、あらかじめ候補を絞っておきたい場合には、日系の不動産屋さんに問い合わせるのが便利です。日本人の駐在員がよく使うのは、大手と個人会社を含めた以下の3つ。
  • <大手不動産会社>
  • リダックニューヨーク本社 
  • 賃貸物件への引っ越しが完了するまでの短期アパートの紹介も行っており、企業の駐在員などファミリー向け、中~高価格帯物件を多く扱っている印象です。

<個人の不動産会社>
日本人スタッフが紹介を請け負っている個人の会社が、いくつかあるようです。
SNS Realty  

STEP3:設備のチェック、家具選びは賢く

それからもう一つ。ニューヨークの物件を探す際に目を向けるべきなのが「室内に洗濯乾燥機がついているか」という点。一般に、アメリカの物件では、冷蔵庫、電子レンジ、洗濯乾燥機は備え付けです。洗濯乾燥機に関しては、室内に設置していないマンションも多く、その場合はマンション内のランドリールームにあるコインランドリーを使わなくてはいけません。一般に日本人の場合ですと、室内の洗濯乾燥機を希望する人が多いと思うので、これはまず最初に確認すべきポイントです。

 また、レンタル家具は、ダイニングテーブル、ソファー、ベッド、ランプなどをセットで、月300~500ドルくらいで貸し出してくれる会社が多くあります。個人的におすすめなのは、コーシンレンタルという日本人スタッフがいるレンタル家具屋さんです。月100ドルでワンベッドルーム部屋に必要な家具一式をレンタルしてくれるという破格の家具屋さんで、実際にマンハッタン郊外のForest Hillsの倉庫まで出向くと、とてもおしゃれな家具をコーディネートすることができます。

 長くなりましたが、これからニューヨークで留学、研究等される予定の先生方、ぜひ参考にしてみてください。

今年1年が皆さまにとって、素晴らしいものとなりますように! 

                   富坂美織(とみさか みおり)先生

1980年、東京都生まれ。産婦人科医。順天堂大学医学部卒業後、東京大学医学部附属病院で研修を行い、愛育病院産婦人科などに勤務。2009年にハーバード大学公衆衛生大学院に留学し、ハーバード修士号を取得する。その後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに勤務し、コンサルタントとして製薬業界のM&A、予防接種事業に従事。現在はニューヨークを拠点に、生殖医療、不妊治療の分野に重点をおき活動をしている。著書に『「2人」で知っておきたい妊娠・出産・不妊のリアル』(ダイヤモンド社)『ハーバード、マッキンゼーで知った一流にみせる仕事術』(大和書房)などがある。 

 

 

富坂美織先生の著書

ハーバード、マッキンゼーで知った
一流にみせる仕事術(大和書房)

ハーバード、マッキンゼーで
世界のトップクラスと
言われる人々と出会い、
見えてきた一流の仕事術。
潜在的な可能性の見つけ方や
時間活用術など
壁にぶつかった時にこそ
力をくれるヒントが満載です。

 


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