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2016年01月27日

暗い? 変わり者? アカデミック?
ドラマ『フラジャイル』で話題“病理医”への女医たちのイメージ

1月スタートの医療エンターテイメント『フラジャイル』(フジテレビ・毎週水曜22時)で注目を集める病理医という仕事。患者さんには馴染みのない存在ですが、臨床医にとっては治療の方針を決めるキーパーソン、治療方針などを決定する重要な役割を担っています。そこで今回は、臨床医からみる病理医を徹底解剖していきます。

臨床医から見ると、やっぱり取っつきにくい!?

『フラジャイル』では臨床医と“ばちばち”の白衣を着ない病理医・岸先生。他科のカンファレンスで「お前が医者でいる限り、オレの言葉は絶対だ。」とか「ウチは10割出しますよ。」などとディスり、ただならぬ威圧感ですが、実際の病理医の印象はどうでしょうか。

「病理医の先生は1日中顕微鏡にむかっており、まじめ、クールな先生が多い印象です。わりとしっかりと自己主張をされる方が多いです。(皮膚科)」

 

「人付き合いが苦手な変わり者の先生が多いので、こちらから突進して逃げられないように恐る恐る近づいています。(外科)」

 

「言葉少ない、暗いというイメージ。(産婦人科)」

 

「真面目で根暗。病院の中でもちょっと離れた部屋に籠っているイメージ。(小児科)」

 

「術中病理迅速診断をお願いするためにあの暗い部屋に入るのが正直怖かった。(産婦人科)」

多かったのが「真面目」「暗い」「顕微鏡」というイメージ。少し離れた暗い部屋で、無言で顕微鏡を覗いている声をかけづらい人たち、それが病理医。患者さんやその家族と対面するのではなく、正確な診断が求められる病理医に必要なのは、人当たりのよさやみんなから慕われる明朗さではないということを、病理医自身も認識しているのかもしれません。

放射線科医は親近感!?

概して人当りがいいとは言えなさそうな病理医ですが、放射線科医からは親近感を持たれているコメントも。

「私たち放射線科と似ているイメージ。人に振り回されるのが嫌いで、淡々と仕事をこなすのが向いている。合同でカンファもやっているが、この画像でこの病理!みたいなびっくり症例があったりすると、ちょっと興奮してしまいます。(放射線科)」

 

「ちょっと偏屈。放射線科も似たようなもんだけど更に取っつきにくい感じがする。(放射線科)」

ドクターズドクターへの尊敬、畏怖も!

そんな取っ付きにくい病理医でも、臨床医からは一目置かれていることもわかります。

「病理結果で手術方針が変わることも。重大な責任や時間的なプレッシャーの中、冷静に診断できる病理医の先生には頭が下がる思いです。(麻酔科)」

 

「判別困難な組織や画像の時に、放射線科医と病理医がお互いの知識と経験をフルに活かして診断についてディスカッションしている様子は圧巻でした。(緩和ケア)」

 

「まさにドクターズドクター。治療に直結する大切な科目だと思います。(放射線科)」

 

「病理の先生は理論的で、物知り博士のイメージがあります。なくてはならない存在だと思います。(小児科)」

 

「知的で学問に忠実、アカデミックなイメージ。見えないものは存在しないという徹底した姿勢を尊敬します。(精神科)」


病理医への相談やディスカッションにモチベーションを見出す先生もいらっしゃるようです。

「臨床から転向した先生は、臨床のこともよくわかっておられて、質問に行くといろいろディスカッションできて楽しい時間が過ごせます。勉強になります。(消化器外科)」

 

「病理医とお話をすることが大切。公私にわたって相談できるDoctors for Doctorsと出会えたことが本当にうれしい。(内科)」


番外編としては「病理解剖でいつも少年の目のように輝いて剖出されている。(総合内科)」とちょっとキュンキュンするシーンのご指摘もありました。

『フラジャイル』の中でも、とにかく顕微鏡をのぞき続けている病理医。馴染みがない存在だけに、その仕事内容は興味深いものがあります。ちなみに、番組のホームページには、画像付きでかなり詳しく解説があります。病理医がこんなに注目されるのもなかなかありませんでしたね。

一方で、ネット上では医療関係者と思われる人たちから、「病理医が臨床医をディスりすぎ」「他科と対立し敵に回すストーリー展開はやめてほしい」などの意見が上がってきています。

深刻な病理医不足も

病理もまた医師不足。医師全体の0.6%という全体数もさることながら、人口比に換算した場合もアメリカの1/5程度しかいないと言われています。加えて、がん診療拠点病院に13%に常勤病理医がいないという深刻な状態(*1)。この医療エンターテインメントを機に病理医について知り、興味を持ってもらえたり課題喚起につながると万々歳ですが、反面、院内での立場や地味な仕事ぶりの描写が反対の結果を生む可能性も!? 今後もこの破天荒な病理医から目が離せません。

 

病理の現場を描いた原作コミックも必読!
フラジャイル 病理医岸京一郎の所見(1) (アフタヌーンコミックス)

偏屈だが天才。医療の正義のためには周囲の軋轢はものともしない。白衣は着ない。臨床医をして「ヤツは強烈な変人だが、極めて優秀だ」と言わしめる病理医・岸京一郎の活躍を描いた作品。『アフタヌーン』(講談社)連載中。

 

 

 

*1 忘れられた医師不足~病理医不足 2015/8/12 榎木英介

■文 ふるたゆうこ


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