
女医の口グセから、つい観察しちゃうアレまで
女性医師たちの“職業病”事情
女性医師たちの“職業病”事情
仕事のクセが、ついつい日常生活にも出てしまう“職業病”。職業病を見れば、その職業が、そしてその人自身の仕事への向き合い方が見えてくる!? そこで、今回はjoy.netパートナーの女性医師の先生方に職業病アンケートを実施。マニアックだったり、風変わりだったり、飽くなきプロ魂を感じさせるものだったり……「やっぱり、女医さんって面白い!」と思わず膝を打つ回答を一挙公開です!
一番多いのは、別れ際のあの言葉!
仕事でよく口にする言葉は、やっぱり普段も口をついて出ちゃう! ということで、最も多くの回答があったのは、この2つ。
「どんな時でも、別れ際に“お大事に”と口にしてしまう。(眼科)」
「友達を先生と呼んでしまう。(一般内科)」
編集部も取材させていただいた先生から「お大事に!」をいただいたこと、あります。「お大事に」はサラリーマンでいう「おつかれさまです」くらい頻発ワードなんでしょうね。
街中でも、ついつい医師モード発動!
仕事を離れても、ついつい人の体を観察してしまう女性医師たちのなんと多いことか! 街中でも景色を楽しむのでなく、ショッピングに夢中になるのでもなく、はたまたイケメンを目で追うのでもなく……思わず医師モードに切り替わってしまう様子は、まさにプロフェッショナル!?
「麻酔科勤務時代には“あー、この顎の人挿管しづらそう”とついつい顎で人を判断してしまいました。20年近くたった今も残っています。(老年内科)」
「人の顔をみた時に“顎小さいから挿管しにくそう”とか挿管できるかどうか考えてしまう。(麻酔科)」
「人の腕の血管を見て、『ルートとりやすそう』、あごの小さい人を見て挿管しにくそうとか思う。(麻酔科)」
「街中で明らかに甲状腺腫大と眼球突出がある人に、体重減少の有無や発汗亢進などを確認したくなる。(一般内科)」
「街を歩いている人で外見的に症状が出てる人を見ると、思わず観察して自分の頭の中で診断の見立てをしてしまうことがあります。(一般内科)」
「相手の体型や顔色で、『冠危険因子多いな』とか、『腎臓悪そう』とか、直感的に思ってしまう。(循環器内科)」
症状が気になる人を見つけたとはいえ、急に「体調大丈夫ですか?」「病院で検査受けてください」と声をかけることのできないもどかしさを訴える声も寄せられました。もし、街中で視線を感じたら、それは医師に診断の見立てをされているサインかも!?
外見だけでなく、人々の会話にも思わず反応してしまうようで……
「電車の中などでの他人の健康問題に関する会話に対し、『それは○○○ですよ』などと答えたくなる。(一般内科)」
もう職業病というより、使命感! 敬服です。
科目ならではのマニアックな職業病も!
「友人の赤ちゃんの頭をなでるときに無意識に大泉門を確認してしまう。発達具合と体格から、こどもの年齢を推測してしまう。(小児科)」
「子どもの手を握ったときに、つい血管の具合をさわって点滴留置ができやすそうか探ってしまう。近所の子どもを見るとつい発達相当の成長をとげているかチェックする。(小児科)」
恐るべき小児科魂! 生真面目な姿勢に、底知れない畏怖の念さえも抱いてしまいます。
他人の観察だけでなく、自分への観察だって抜かりがないようで……
「尿の色を確認するくせ(泌尿器科)」
『情熱大陸』なら「泌尿器科医としての1日は、自身の尿の色を確認することから始まる。」とかオープニンングのナレーションで使われそうな。
一方、過酷な医療現場での経験が、日常生活に不安の影を落とすことも多いようです。
「形成外科として、動物咬傷の無残さを痛感しているため、絶対にペットは飼いたくない。炊飯器の湯気を見ると、熱傷瘢痕を負った子供たちの指がフラッシュバックする。(形成外科)」
「救急外来で子どもの死をたくさん見てきたので、子どもの怪我の出血や病気の時、ぐったりしているのをみると、死亡した救急外来の子どもたちと自分の子どもが重なって不安が頂点に達する。(一般内科)」
医療知識があるから安心…というのでなく、怖さを実感しているからこそ不安が大きくなる。それも医師ならではの職業病なのかもしれません。
まだまだある! どこか悲哀に満ちた職業病たち
「ゴミ出しの場合の結び方は手術の際の糸結びと同じ。(産婦人科)」
絶対にほどけない高度な結び方。きっとゴミ収集所でもそのスキルの高さは光っているに違いありません!
「ご飯を食べるのが速い。いつも食べられるときにパパッと食べないと、食べそびれてしまうため癖がついてしまった。(眼科)」
ドクターの寂しいご飯事情は「1日1食!?ドクターのごはん事情――女性医師アンケートで発覚したちょっと切ない食生活」でもご紹介した通り。やはり時間が取れない分、早食いになってしまうんですね…
「普通の人が聞いたら下ネタっぽい事を平気で話してしまう。食事中でも手術の話を平気でする。(産婦人科)」
食事をしながら手術の話をしても食欲が失われないことに驚き! 聞けば、手術のあともモリモリ焼肉食べながら「この臓器は~」とか話すこともあるとかないとか…。
職業病を見ると、その職業が見えてくる。女性医師たちの回答から見えてきたのは、やっぱり真摯に医療に取り組むプロフェッショナルな姿勢。こんなとこまで…と思わせる生真面目さが、どこか可笑しさにも繋がって。なんだか女医さんへの親しみまで感じてくるようでした。
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文/岡部聡子