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2016年03月24日

連載:富坂美織の「知ること、診ること、学ぶこと」
第5回 人体博物館、豪快なラム肉……。
女医目線で選んだNYアドレス。

 2015年秋よりNYを拠点に活動していた富坂美織先生ですが、研究の都合でこの春から急きょ帰国されることになりました。NYライフで得たもの、刺激を受けたものを女医的観点からセレクト。

第5回 人体博物館、豪快なラム肉……。
女医目線で選んだNYアドレス。

新年度を迎えるにあたって、新たなスタートを切る方も多いのではないでしょうか。

じつは、私も4月より拠点を日本に戻すことになりました。帰国の一番の理由は、これから始まる産婦人科領域の薬の日本での治験にメディカルエキスパートとして関わることになったためです。さらには、日本テレビ系列の情報番組『スッキリ!!』でコメンテーターをさせていただくことにもなり、さまざまなニュースを自分なりの視点でお伝えしていきたいと思っております。

 振り返ってみるとニューヨークでの半年間はよく食べ、よく歩き、新しい発見が多い日々でした。いつの間にか、大皿の食事に慣れて、最初は2回に分けて食べていた私のランチの定番『Sunac Natural Market』のパニーニを1回でたいらげるようになり、大皿のチャーハンやパスタもDoggy Bagで持ち帰ることなく、その場で食べきるようになり、ドリンクの大きなサイズにも慣れて、いつの間にか体重も5㎏ほど増量しました。ハーバードパブリックヘルスで学んだ「人間の体型や生活習慣病は自分の周囲にいる人の体型や食習慣に大きく影響を受ける」というのはこういうことだったのかと自分自身の体で実感しています。

その一方で、マンハッタンは縦の移動は地下鉄があっても、横の移動は地下鉄がなく交通の便が悪いのが難点です。タクシーで移動するにしても一方通行だらけで、渋滞も激しいため、ニューヨーク大学病院へはマンハッタンの最西端から最東端まで、テクテク40分ほどかけて歩いて通っていました。東京にいるときよりはよっぽど歩いているな~。

発見といえば、やっぱり医療現場でのコミュニケーション。ボストンではあまり感じなかったのですが、ニューヨークはとにかくECFMG取得の外国医学部出身で臨床をしている医者が多く、その英語といったら、かなり訛りが強かったり、表現がネイティブからは程遠かったりするのですが、それでも堂々とムンテラをやっていて、それを受ける患者さん側も別に抵抗はないようです。日本だったらそうはいかないだろうなと思うと、アメリカの多様性を受け入れる能力には脱帽してしまいます。

From ニューヨークの最終回である今回は、私のおすすめマンハッタンスポットを紹介したいと思います。まずは、「食」から。マンハッタンのブランチには、日本にも進出した『Sarabeth’s』のなかでもグリニッジビレッジにある店がおすすめです。歌手のテイラー・スウィフトに遭遇できる(!?)スポットとして地元では人気の店舗です。

それから、比較的手ごろにイタリアンをたっぷり食べようと思ったら『il violino』へ。イタリア人経営の陽気なお店で地元の人に人気です。4時間オーブンでじっくり仕上げたラムは最高です。

その他、マンハッタンでは日本で見つからないようなアフリカ系エスニックのお店がたくさんあるのが特徴で、今回私は生まれて初めて本格エチオピア料理を食べました。ちなみにそのお店は『Queen of Sheba』。珍しい味わいなので、一度食べてみる価値ありです。

私はミュージカルファンでもあり、数々の作品のなかでとくに好きなのが『The Book of Mormon 』です。Aladdinなどディズニー系のミュージカルでは子供の観客が多いのに対し、このミュージカルは劇場に入ると大人のしかも全米各地から来たと思われる白人ばかり。男性が多いのも特徴です。なんともブラックジョークが飛び交うショーですが、歌あり、踊りあり、典型的なミュージカルの要素をすべて網羅していて、かつモルモン教という日本でも認知度は高いもののそのベールに包まれた実態が見えてきて、笑いが止まらない2時間でした。

お散歩コースとして、おすすめなのは、ハイラインとブルックリンブリッジです。お天気のいい日に歩くと、空がきれいで、開放感いっぱいの運動コースです。

 そして最後にぜひ、医療従事者に行っていただきたいのが人体博物館『BODY WORLDS』。産婦人科医としては、7週~32週までの胎児を週ごとに見れたり、躍動的な体勢に、筋肉や血管、臓器の役割を改めて、感じることができ、とても新鮮な気持ちで見ることができます。

一度は訪れてほしいのが『The Intrepid Sea,Air & Space Museum』。マンハッタン西端のハドソン川に浮かぶ戦艦内の博物館です。第2次世界大戦中に日本の零戦の攻撃を受け、戦艦大和に壊滅的打撃を与えた戦艦として、退役軍人が多く訪れる場所で、元敵国の日本人として訪れると感慨深いものがあります。

学会や研究留学等で、ニューヨークを訪れる先生方も多いと思いますが、多様な文化が小さな島に集約しているのがマンハッタン。ぜひ、いろいろな場所を訪れてみてください。では4月より、いっそうパワーアップした『知ること、診ること、学ぶこと』をお届けします!

                   富坂美織(とみさか みおり)先生

1980年東京都生まれ。産婦人科医・医学博士。順天堂大学医学部産婦人科教室非常勤講師。 順天堂大学卒業後、東大病院、愛育病院での研修を経て、ハーバード大学大学院にて修士号(MPH)を取得。マッキンゼーにてコンサルタント業務に従事した後、山王病院を経て、生殖医療・不妊治療を専門としている。
著書に『「2人」で知っておきたい妊娠・出産・不妊のリアル』(ダイヤモンド社)『ハーバード、マッキンゼーで知った一流にみせる仕事術』(大和書房)などがある。 

 

 

富坂美織先生の著書

ハーバード、マッキンゼーで知った
一流にみせる仕事術(大和書房)

ハーバード、マッキンゼーで
世界のトップクラスと
言われる人々と出会い、
見えてきた一流の仕事術。
潜在的な可能性の見つけ方や
時間活用術など
壁にぶつかった時にこそ
力をくれるヒントが満載です。

 


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