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2015年07月01日

「仕事が増える」と嫌な顔をされた!?
女性医師が妊娠したら・・・

一人前の医師になるために、時間もお金も費やしてきた。プライベートの充実も二の次、たくさん勉強して、経験して、階段を一段一段着実にのぼってきた。そんな女性医師にとって、どうしてもキャリアを中断しなければいけないビッグイベント、それが、妊娠と出産。同期の男性医師としのぎを削ってきたとしても、妊娠による体調の変化、体型の変化には太刀打ちできない。

上司に妊娠を報告したら、仕事が増える!と嫌な顔をされた。(呼吸器内科、北海道)」

 

「切迫早産で外来が受けられない状況に、露骨に嫌味を言われた。(一般内科、福岡県)」

弱い人を守るのがすべての医師の仕事かと思っていたから驚き!女性医師は妊娠しても、つわりがひどくても、守られる立場にはならないことがあるのか…!『joy.net』が実施したアンケートで明らかになった、女性医師の妊娠・出産事情とは。

やっぱり大変!医療現場の妊婦医師

アンケートによると、学生期間中に妊娠したと回答した女性医師以外、ほとんどが、妊娠中に苦労したことがあると答えた。目立つのが、「当直やオンコール対応が体力的に厳しかった」上司や同僚から嫌味を言われた、嫌な顔をされた」「つわりやお腹の張り、不正出血など体調が悪化した」など。関わる人間が多く、さらに立ち仕事も多い医療現場ならではの現実。

「9ヶ月に入っても勤務していたので、緊急時の蘇生など体力的にもきつかった。(内科、東京都)」

 

悪阻(つわり)も不眠も酷かったが、当直をやめられなかった。切迫早産になり診断書を出してやっとやめられた。(匿名希望)」

 

「比較的体調は安定していたが、手術中にたちくらみが起こり、2回ほど手をおろさざるを得なかった。(形成外科、神奈川県)」

 

「お腹が大きくなってくると、体調が良くてもまわりから心配されてしまって…。やりたい仕事を外されることもあった。(外科、東京都)」

 

お腹がすくと気持ち悪くなったが、定時にご飯が食べられず辛かった。(眼科、愛知県)」


専門性が高い仕事、かつ慢性的な医師不足から、妊娠が分かっても、すぐに働き方が変えられないことはよくあることのようだ。現に、医師の求職支援サービス『Dr.転職なび』『Dr.アルなび』では、妊娠・出産後の復職希望者、またはそれを機に働き方を変えたいと希望する女性医師からの登録が多い。

わたしはこれで乗り切った!女性医師、悪阻あるある!

妊娠中大変だったことの代表が悪阻。職場の理解があれば、出勤時間をずらしたり、当直室で休んだりということも。特に初めての妊娠、悪阻の場合、想定外の体調絶不調!今まで体調管理には自信がある女性医師であっても、こればっかりはどうにもならない。期間限定のハードルだと思って耐えるより他にない。そこで、これを乗り切るために工夫したことを聞いてみた。

「食べづわりでおなかがすくと嘔気が強くなるので、小さめのおにぎりを常に準備しておいた。(一般内科、福岡県)」

 

「イチゴと梅粥しか食べられなくて、3食それだけ食べていた。(眼科、大阪府)」(食べられるものを食べられるときに食べる、という意見多数)

 

「身体を冷やさないように、職場や車に乗っているときにひざかけをした。(呼吸器内科、北海道)」

 

「強い眠気には、寝る場所にこだわらず空き時間にソファで10分でも寝てやりくりした。(外科、東京都)」

他にも、とにかく気合だ!という男前なコメントも。また、悪阻がひどく勤務状況に支障が出そうな場合、上司や職場への報告も早めがよさそう。今回アンケートに協力してくれた女性医師のほとんどが、妊娠がわかってすぐに報告している。

X線検査時の胎児被ばくがあるので、早めに報告して担当から外してもらった。(匿名希望)」

 

「悪阻がひどく安定期まで待てなかったが、上司に祝福され、仕事内容も配慮してもらえた。(内分泌科、群馬県)」

 

「1人目は早めに、3人目になると人事状況など、頃合いを見て報告した。(外科、東京都)」

職場の理解を得るために大切なこと

職場の理解がなく、理不尽な思いや、キツい待遇に耐えてきたという女性医師たち。こんな制度があって助かった、こんな環境で働きやすかった、と実感したことを聞いてみた。

「1人だけの主治医制ではなく、2人〜3人のチーム制で一人の患者さんを担当するように変わってから、女性医師だけでなく男性医師でも気軽に学会や有休を使えるようになり、働きやすくなった。(一般内科、福岡県)」

 

「当直の免除や、外勤先を近距離に変更してもらったりなどの配慮がありがたかった。(耳鼻咽喉科、都道府県非開示)」

 

「上司(男性)におめでとうと言ってもらえたこと。悪阻があったので当直室を使えるようにしてくれた。(内分泌科、群馬県)」

また、今回アンケートで改めて分かったこと、それは、日頃からのコミュニケーションがとても大切だということ。辛い時に自分の仕事をカバーしてもらえるような関係性を普段から築いておくことが何より重要。たとえば、こんなふうにコツを語ってくれた女性医師もいる。

「できる範囲のことは自らやろうという姿勢を示すことで周りの協力は得やすくなります。当直はできないけど、週末の日直ならやりますよとか、学会案内発送のような雑用をすすんでやるといったことの積み重ねがいざという時に助けてもらいやすい環境に繋がります。(小児科、神奈川県)」

体調がいいときには積極的に仕事を引き受けたり、そうでない場合は素直にSOSを出す。お腹の張りやむくみなど、本人でないと分からないこともあるから、今の身体の状況を周りにそれとなく伝えてみるのも手。

そして、どうしてもキャリアを中断せざるを得なかったとしても、今自分にとって一番大切なものは何か、その答えをちゃんと持っていること。多様化するキャリアに将来性を見出しておくことも大切だろう。

「キャリアの話が先行してしまいますが、どのようなタイミングで授かってもなんとかしていくことは可能です。リカバリーもきくことが多いです。子供との時間、子供を育てる時間、それによって自分を育てる時間はそのときしかありません。キャリアアップについては、常にさまざまな可能性を頭におきながら、選択肢をよりたくさん考えていくとよいと思います。ときに妥協も必要ですが、周りとの調和を考えながら進むと必ず道は開けます。(泌尿器科、佐賀県)」

 

「体力的にも精神的にも辛い時期だが、まずは自分の心の安定がなければ乗り越えられない。パートナーや同僚の協力を得られるよう、日頃からのコミュニケーションを取るよう頑張って。(内科、東京都)」

 

「妊娠・出産に関わる保険や制度などしっかり調べておくべき。しらないと損をすることもある。(科目非開示、福岡県)」

 

「職場は何とかなるもの。理解してくれる人もそうでない人もいる。どっしり構えて、自分の気持ちに正直に。(放射線科、東京都)」

そうやってなんとか妊娠期を乗り越えてきたママ医師たち。次回は、そんな女性医師の産休・育休事情を取り上げる。ある調査によると、出産した女性医師の38.8%が、産後休暇のみ取得し、育児休暇は取得していないそうだ(「辞めない女医のつくり方」:日経メディカル 2015.1)。今回のアンケート回答者も同じ状況だった。

出産すぐの復帰、授乳はどうしたのか、保育園は…?その実態に迫る。

 

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■ 文 ふるたゆうこ

『Joy.net』女性医師の妊娠・出産に関するアンケート 概要
・調査方法:インターネット調査
・調査期間:2015年6月26日~6月30日
・対象:Joy.netパートナー登録女性医師
・回答率:66.7%


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