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2015年07月03日

女性医師にとって働きやすい職場を考える①
【実録】女医たちが今、苦労していること。

輝け、活躍せよ、指導的立場に立てとハッパをかけられる女性たち。それは、女性医師も同様だ。しかも、女性医師の増加と働き方の偏りが医師不足の一因だと非難めいた指摘までされる始末。賢く、責任感も人一番強い女性医師。働き方に偏りが生じているとすれば、働く環境に要因があることは想像に難くない。ならば、女医にとって働きやすい職場環境とはいったいどのようなものか。それを知る手始めとして、女性医師たちが現在どんな苦労を抱えているのかアンケート調査を実施した。

残業、呼び出し、連続勤務
過酷な医療現場の「働き方」

「6週間1日も休みがなかった。父親が入院した際も、病状説明を聞きに行く時間もなかった(呼吸器内科、北海道)」

 

「徹夜で麻酔をかけた場合、自分が患者さんならそのような疲弊した医師に麻酔をかけられたくないと思いました。(匿名希望)」

 

「当直明けにも通常業務があるのがきつい。(一般内科、山口県)」

 

「夜間でも自宅に電話がかかってくる。主人までも起こしてしまう。(緩和ケア、大阪府)」

常識の範囲を超えた連続勤務にオンコール。それに備えて休まらない心と体。命を守る医師が、自らの命を削っているような現状が見えてきた。

不規則な勤務形態と子育てとの両立は至難の業!

過酷な勤務環境に子育てがプラスされたら・・・。命を預かる医師の仕事。その責任の重さからどうしても仕事を優先せざるを得ないことが多いのも事実。何とか両立しようと必死にもがく女性医師の姿が見えてきた。

「完全主治医制だったので、当直医がいても呼び出されていた。夜間は、急に子供を預けるところもなく困った。(一般内科、神奈川県)」

「子供が病気の際が1番大変でした。病児保育は定員4人でなかなか入れませんでした。当時は実家も遠かったので助けてもらえず、人員に余裕がないので、外来診療も変わってもらえず、子供を抱っこしたまま診察したり、手術も執刀しないといけないので、手術室で幼い子供を待たせて手術したりした時が、一番きつかったです。(眼科、大阪府)」

「早朝出勤の際には、まず子連れで出勤せざるを得なかった。(外科、東京都)」

理解してくれる人もしれくれない人も。
女性医師を取り巻く意識の差

一人二役も三役もこなす女性医師は大変だ。しかし、医療現場も大変だ。女性医師の負担を理解する。理解するけど配慮しきれない。そもそも理解も及ばない・・・関わる人々の意識にも大きな差があるようだ。

「出産後2ヶ月ほどで職場に戻り、当初当直免除をされていたが、同僚や上司からずるいと苦情が出て数ヶ月で当直に入らされた。(内科、東京都)」

「子供のお迎え時間に急患があり、とても自分だけ帰るとはいえない雰囲気になることがある。そういうときに親のサポートはないのかと言われる。皆が皆、親に頼れるわけではない。(放射線科)」

意識の差は、同じ境遇にある女性医師同士にも発生する。

「女性医師の中にも、男性と同等に動いてこそ素晴らしいという風潮があるので難しいです。(老年内科、東京都)」

また、マミートラックとまではいかないが女性医師の意図に反した過剰な配慮がなされることもあるようだ。

「妊娠中、出勤していても上司の意向で手術に入らせてもらえない期間があった。(外科、東京都)」

両立の難しさに現場を離れる女性医師も

職場の理解があってもなくても、女性医師が働き続けることに困難はつきもの。時にあまりの過酷な状況に臨床から離れる女性医師もいる。事実、女性医師の就業率は医師免許取得後35歳まで下がり続ける。35歳で就業しているのは76.0%だという(*)。

「子どもがうまれてから、しばらく医師のお仕事から離れていました。復帰の際の臨床のカンがなかなか戻らなくて困りました。(内科、高知県)」

「子供がいるとなかなか常勤としての復帰は難しい。結果10年近く臨床の第一線から離れることとなった。(内科、京都府)」


昔に比べて制度が整ってきたとはいえ、まだまだ「働きやすい」とは言えない医療現場。アンケートから見えてきたのは、そんな中でも悪戦苦闘し、もがきながら必死に働く女性医師の姿だった。しかし、もうこれ以上、女性医師個人の努力だけに過剰に依存することは限界なのではないだろうか。こんな状況で「輝け、活躍しろ、指導的立場に立て」とだけ言い続けることはできない。少しでも状況を改善するために必要なことは何か。次回も引き続き、女性医師アンケートから解き明かしていく。

* 厚生労働省医政局2010「医師を取り巻く現状等について」第1回今後の医学部入学定員の在り方に関する検討会

『Joy.net』女性医師にとって働きやすい環境を考えるアンケート 概要
・調査方法:インターネット調査
・調査期間:2015年6月12日~6月30日
・対象:Joy.netパートナー登録女性医師
・回答率:73.5%


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