46812dca 3ba6 42d6 bfc7 0eb26995e79b連載・コラム
2016年05月06日

院長ママのパラレルな日々
第4回 女医の結婚事情 ~私の場合~

東京の整形外科医院で院長を務める井上留美子先生。院長として、整形外科医として、2人の男の子の母として、ヨガインストラクターの指導者として・・・いくつもの顔を自在に使い分ける”パラレルな日々”はまさにジェットコースター。刺激的でスリリングな日常を痛快なタッチでお届けします。

第4回 女医の結婚事情 ~私の場合~

TBSで放映中のドラマ「私結婚できないんじゃなくて、しないんです」「恋愛弱者」として描かれてしまう女性医師前回は、女医の生涯未婚率データも引用しながら井上先生の思う”女医の結婚事情”について語っていただきました。今回は、井上先生ご自身の”波乱万丈”な結婚事情を大公開(!?)。激務真っ只中の結婚適齢期に彼氏と別れてしまいどん底沈んでいた井上先生に訪れたエキサイティングな変化とは・・・・・・

私は外科医系の家族の娘として生まれ、小学生のころから、将来は医師になることを期待されていることを感じ、反発しながらも、両親の期待に応えるべく、勉強に関しては頑張っていました。青春時代にお付き合いをしていた彼は、当時、相当カッコいいといわれていたそうですが(?)、ガリ勉でいけてない私を彼女に持つ彼は『ブス専』と言われていたそうです(汗)。そんな経験からか、自分の見た目に自信が持てず、今までの人生の半分を、男なんかに負けてたまるかっ!と気張って生きてきたような気がします。今思うとくだらないですね…(汗)。若かった!

私は、医学部の5年生くらいからお付き合いを始めた方(医学部の同級生)と結婚したのですが、結婚する前の半年くらいは離れていた時期がありました。今振り返ると、この半年間が、それまで自分に自信がなく生きてきた私にとって新鮮な経験ができた時期でした。

医師になって数年経験した当時の彼は、仕事が楽しくて乗っていただろうし、きっと周りからもそれなりにちやほやされていたのでしょう。
『結婚なんて今は考えられない、俺にはさみしいという感覚がない!』と言われたのです!その時の私の御年、20代後半…。がーん!ですよ~。

この時は28~29歳のころで、私もちょいちょいオペを任されたりして重い責任を感じながら、それでも整形外科医としてはまだまだ発展途上の時期でした。上当直をこなせるようになり、ネーベンにも指導しなくてはならず、何人も引き連れて院内を走り回るわけですが、指導中のおバカなネーベンに、『先生、そんな言い方したら可愛くないですよ』と言われた時には、ほとほと疲れを感じた事を覚えています。日々こんな状況で、弱音のはき方さえわからず、毎日アドレナリンが噴出状態・・・。

この生活、この年齢で彼氏と別れちゃって、私ってば、卵子は凍結すべきなのか?なんて考えたりして。

いろいろ考えているうちに、落ち込むのをやめて、あいつ(ら)を見返してやる!っという気持ちになり、病院の外の世界に目を向け始めてみたのです。『仕事は病院関係です』的なことを言い、様々な分野の人と出会い、話していると、どうも女医ということや私が頑張って仕事ばっかりしてきた事が案外とマイナスポイントではなく、すごい!かっこいい!と言ってくれる人が沢山いたのです。男性医師は『どうしてこいつが?』と思うようなブサイクな奴まで、綺麗な彼女をつれて、モテていたりするけど、joyは医者というだけで、むしろモテない要素になっていると思っていたわけ。

でも、この時期の私は女医っていうことでちやほやされたのですよ。まだ、女性の医師が世間一般に珍しかったからかもしれないし、なぜなのかはわからないけど、とにかく皆に褒めてもらえた!本当に、院内での扱いとは全く違って楽しかったわけ。

その時くらいからでしょうか…。女医って案外楽しいかも…と思い始めたのは。ブスとレッテルを貼られ、joyであることのマイナス面ばかりが気になって生きてきたけど、もしかしてそのかわいくない自分は私自身が作り出していたのかもしれない…。男勝りのカッコよいjoyも良いけど、joyは女性らしく、かわいくたって良い!白衣だってこだわって素敵なものを着よう!ピンクのスクラブだって着ちゃう!とある意味開き直ったのです(それまで白衣の下には白か黒しか着なかった私…)

結婚した後も、私は働き方を大きく変えることはありませんでしたが、転換期はやはり、妊娠、出産でした。女性にはどうしても、生殖年齢がありますから、妊娠、出産の時期には女性は男性と同じような勤務体制での仕事をこなすのは困難になります。結婚15年を迎え、医師20年の節目で私が今思うのは、結婚や出産に関わらず、初めから女医は男性医師と同じように仕事をするのは無理!という事。(生理がある時点で同じようには働けない!)

私は、joyは女性らしく、joyとしての働き方をすればよいと思っています。女性の権利ばかりを主張して、一医師としての義務を果たさないのはダメ!きちんと責任をもって仕事を全うし、そして同時に女性としてかわいらしく、綺麗でいる努力を惜むべきではありません!いい仕事をしながら、同時に女性であることを最大限に楽しむべきです。

40代半ばになってしまい、肌の張りもイマイチ、日々身体の衰えも感じ、MRさんは年下ばかりで、いつもどこかが痛いけど、今が一番楽しい!軽くオヤジ化も進んでいる気もしなくもないけど、女医頑張ってきてよかったな~

井上留美子 (いのうえるみこ)

1971年東京生まれ、東京育ち。聖マリアンナ医科大学卒業・研修。整形外科学教室入局。長男出産をきっかけに父のクリニックの院長となる。日本整形外科学会整形外科認定医、リハビリ認定医、リウマチ認定医、スポーツ認定医。自分の健康法である笑うことをモットーに予防医学としてのヨガに着目し、ヨガインストラクターに整形外科理論などを教えている。シニアヨガプログラムも作成し、自身のクリニックと都内整形外科クリニックでヨガ教室を行っている。現在は二人の子育てをしながら自身のクリニックにて業務を行っている。


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