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2016年05月16日

女医の中でもマイノリティ!?  外科系女医たちのリアルな声を聞いてみた
苦労していること&工夫編

ただでさえ数の少ない女医の中でもマイノリティなのが“外科系女性医師”。華奢な体で男社会に果敢に飛び込む姿は、同じ女医から見てもカッコイイですよね。事実、女医たちに聞く科目イメージ記事でも「(外科系の女性医師は)サバサバした女性が多く、頼りがいがあるイメージ」との評。とはいえ、THE男社会で戦う外科系女医ならでは・・・の苦労も悩みもあるはず。ということで、少数派だからこそ吐露しづらければ共感も得にくい(かもしれない)思いを、外科系joy.netパートナーの先生方に吐き出していただきました!

苦労そのものよりも、共感し合える仲間が少ないのが辛い!?

「外科系女性医師ならではの悩み・困っていることなど教えてください」との質問に一番多く寄せられたのは、妊娠・出産・育児と勤務との両立でした。一見、科目問わない悩みのようではあるものの、女医の数が少ない外科系だからこその閉塞感もあるようで・・・

妊娠中の勤務のしんどさ、育児との両立のハードさはどの科でも同じだと思うけど、女性が極端に少ないため「そうそう、そうだよね」と言い合える人が少なくモヤモヤする。(呼吸器外科)

 

育児に配慮はされるが共感は得られず、孤独感が強い。(肝胆膵外科)

 

育休から復帰する女医がほとんどいないので、働くと「子どもの面倒もみないのか」と言われる。でも働いてない女医は「医者になったのに働かないとは」と言われる。生理は事前に調節しています。(産婦人科)

 配慮はされても共感はしてもらえない。働いても働かなくても批判される。そんなときでも同じ境遇で励まし合える存在がいれば、随分救われるもの。でも、医局内の女性医師の絶対数が少なければ、それもなかなか望めない・・・・・・想像するだけでも、八方塞がりな気持ちになってしまいます。

育児中は夜間の呼び出しや緊急対応に限界があり、周囲へ負担がかかってしまうところに申し訳なさが残る。(消化器外科)

 気まずさ、後ろめたさも、同じ立場や同様の立場だった先輩女医が少なければ少ないほど、大きくなってしまいそうです。

まだまだ各種制度も整っていなかったほんの数年前には、こんな理不尽もあったとか。

大学医局時代は男女差別は当たり前、派遣先は男性医師希望優先のため残りもの。それでも外科の医局よりマシであった。医局として産休を認めてなかったので基本的に医局をやめるか産後すぐ復帰するかどちらか。育休などとれるわけない。毎年会議のたびに産休を認めるか議題になっていた。(整形外科)

「毎年会議のたびに産休を認めるか議題になっていた」とは驚き! 労働基準法でも産前休暇は請求があったら拒めない、産後8週間は就業させてはならないとの規定が定められているのに・・・(涙)。

オペにまつわる悩みも多種多様
育休中は家でひたすら糸結び!?

 外科系といえばオペ! 「オペは好きですね。そのために外科系に入局したので(産婦人科)」との声もあるほど、オペは外科系を外科系たらしめるものですよね。とはいえ、ライフイベントの多い女性ならではの障壁も多いようで・・・・・・

妊娠中の手術執刀では長引かせてしまった時にお腹が張る。産前産後と集中力がおち、怖いことがある。(産婦人科)

コラム「院長ママのパラレルな日々」でおなじみの整形外科医・井上先生も「(妊娠中も術中イメージを行うため)鉛のプロテクターをダブル使いで放射線を使用していました」とおっしゃられていました。妊娠しているのに放射線使用って・・・(涙)。

妊娠中とはいえ、オペに支障をきたしてはならない。そんな責任感から、こんなふうにリスクヘッジを万全にされている先生も。

妊娠中にも手術は主治医として執刀していました。しかし、足は浮腫む、お腹は張る、胎動が激しい、空腹になるのがはやい。手術に入る時には、後輩の先生にもしもの場合に備えて連絡とれるようにしてました。実際、気分悪くなり術野から離れる状況になって代わりの先生に。。。それでも主治医として手術記録を書く必要あるため、短時間の休憩で手術室に入り、患者さん退室に付き添い、手術後説明はいたしました。(産婦人科)

 妊娠中のオペのハードさもさることながら、どうしてもオペを離れる期間も出てしまう出産後も悩みは深刻。ブランクで勘が鈍ることへの悩みは本当に多数の先生から寄せられました。

3年目、5年目に出産を経験しました。それぞれ半年ほどの育児休暇を取りましたが、やはりその期間に手術の感覚が鈍ってしまうことが悩みです。妊娠7ヶ月頃までは手術に入りますが、それ以降はお腹の成長に伴って長時間の手術に入れなくなります。その期間から考えると、約1年弱のブランクがあきます。もちろんお腹の赤ちゃんが1番なので、身体的には無理できません。出産後にできるだけ早く復帰し、出産、育児が落ち着いてからさらなるスキルアップをしていこうと思っています。(呼吸器外科)

 

オペの感覚も数か月のブランクなら取り戻せるものの、半年を超えると難しいと考え、4か月で復帰しました。(整形外科)

 

感覚を鈍らせないために育休中も家で糸結びをしていました。(消化器外科)

 産まれて間もない我が子と一緒にいたい気持ちと、オペの感覚を鈍らせたくない気持ち。相反する思いに葛藤しながらも、今できることに真摯に取り組む。そんな姿に頭が下がります。

男性医師に比べて劣る体力、小柄な体――
弱みを強みに変える外科系女医の強さ

身体的に男性医師に劣ってしまうことも多い外科系女医たち。でも、だからこそ歯を食いしばるハングリーさも発揮されるようです。

産婦人科は外科系のなかでも比較的女医が増えてきている科ですが…。私は特に手が小さいので(手袋5.5です)、手術器具やラパロのパワーソースの器具が手の大きさに合ってなかったりします。背が低いので(152cm)、足台にのっても死角が広い。妊婦の時カイザーしたら、意外と赤ちゃんを引っ張り出すのが力仕事で、途中からできなくなったということもあり。

 

↓ 逆転の発想で手の小ささを強みにチェンジ! ↓

 

手が小さい方が、カイザーの時赤ちゃんの頭を誘導するのに向いてます。他の先生が手が入らないとモゴモゴしてるときでもスッと手を入れて赤ちゃんを出せます!カイザーは相当な数やったので、どんな赤ちゃんでも出せる自信あり!(産婦人科)

 ハングリーさはもちろん、意気揚々とした明るいコメントに外科系女性医師だからこそのサッパリとした強さを感じます。

こちらの先生だけでなく、ハードな中でも歯を食いしばる前向きな強さ、多忙を言い訳にせずスキルアップへの飽くなき意欲を感じさせる“外科系女医”たちのコメントは多数!

子供を保育園と小学校の集団登校まで送り、朝のカンファレンスまでの間、毎朝ラパロの朝練。このときくらいしか時間が取れない。(産婦人科)

 

予定手術が控えてる時は家で、(子どもを)遊ばせながら次の手術のビデオをみたり、夜の夫婦の時間に糸結び対決しています。(肝胆膵外科)

 

徹夜で子供の食事を作ってでも、なるだけ講習会にいっています(産婦人科)

 

帝王切開は緊急を想定して、予定手術であっても何分でやれるか時計をみます。特に児娩出までの時間を皮膚切開から3分以内を目指してます。(産婦人科)

 

指導医の先生の手技を一つひとつできるだけ一度で覚えるよう、意識しています。(呼吸器外科)

 

臨床と並行して研究も行っている。積極的に学会活動や、他施設の先生方との交流を持ち、常にUPDATEできるよう意識する。自分でモチベーションを維持するのには限界があることを認識し、広い人間関係から得られるものにアンテナを張る。(消化器外科)

転んでもただでは起きないタフさを感じさせるコメントはどれも潔い! ハードな環境を嘆くだけでなく、今できる一歩を踏み出しスキルアップに繋げていく。外科系女医たちの声からは、そんな肝の据わった姿が見えてきました。

次回は、外科系女医ならではの処世術、キャリアアップに必要だと考えることについての声をご紹介します!

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