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2015年07月09日

医師が働きやすい病院とは? 
女医アンケートに寄せられた制度・環境から考える

「女性医師にとって働きやすい職場を考える」シリーズ。前回は、女医たちが勤務に当たってどのような苦労を抱えているかをご紹介した。そこで見えてきたのは、決して「働きやすい」とは言えないなかでも悪戦苦闘し、もがきながら必死に働く女性医師の姿。では、この状況を打破するには何が必要なのか。そのヒントを探るべく、女性医師たちが助けられた職場の制度・環境についてアンケート調査を実施。当事者の“生声”による具体例から「働きやすい職場」作りの示唆を得ていく。

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チーム主治医に複数主治医
働きやすさを推し進めるのはチーム体制構築にアリ!?

「1人だけの主治医制ではなく、チーム(2~3人)制で1人の患者さんを担当するように変わってから、女性医師だけでなく男性医師でも気軽に学会や有休を使えるようになった。患者:医師=1:1ではなく患者:医師=1:2~3で対応するという発想がもっといろいろな病院に広がるといいなと感じた。(一般内科)」

 

「研修医の時に垣間見た、女性医師が多いある大学の皮膚科では、子育て中のチームと、仕事中心のチーム編成をし、不平等感が生まれないような工夫をしながらサポート体制が組まれていました。マネージメントをしていた医局長も子育て経験のある女性医師。今から思うと、女性が家庭を持ちながらも仕事を継続できる仕組みができていたと思います。(形成外科)」

チーム主治医制は、時短勤務といった制約を乗り越えて働けるというメリットだけではないという。職場の医師同士のコミュニケーションを活性化させ、患者さんの症状について多面的な捉え方ができるようになるといった効果もあるらしい。一定の医師数が確保された規模の病院でないと実現しづらい面もあるが、有効な制度であるようだ。

院内保育、病児対応+α
育児支援で安心感は飛躍的に高まる

「3歳まで預けることができる保育園が院内にあり、母乳をあげるために保育園をのぞいたりできて助かった。(小児科)」

 

「当直中、24時間保育がある職場があった。(産婦人科)」

病院によっては、看護師優先というケースも少なくない院内保育。利用経験のある女性医師からの評価は高いようだ。

一方、ワーキングマザーあるあるの筆頭「お迎え時間だけど帰れない」問題には、こんな支援も。

「子育て中、患者さんの状態が悪く、帰れない時に、病院の託児所の保育士さんが、子どもの通っている保育園に迎えに行ってくれてそのまま託児所で預かってくれた。(一般内科)」

さらには、育児支援だけでなく生活支援までもフォローという医療機関も。

「知り合いの子育て中の女医は、病院がお手伝いさんを紹介してくれていた。そのお手伝いさんが勤務中の子供の世話(食事・入浴)はもちろん、家事もやってくれていた。その女医が勤務から帰宅したらご飯ができているという状態であった。保育園よりもお手伝いさんの方が家事もやってもらえるので、医師勤務をするにはよい環境であったと思う。逆に言えばお手伝いさんでもいないと、共働きで医師として普通に働くのは無理だと思う。(一般内科)」

時短勤務、当直免除
期間限定の業務負荷軽減はやっぱり助かる

「子どもが6歳になるまでは、短時間常勤という制度がありました。1週間で20時間以上働けば、常勤扱いになる制度です。(耳鼻咽喉科)」

 

「勤務開始時間を幼稚園の預かり開始時間に合わせて遅くして下さり助かりました。(消化器内科)」

 

「妊娠したらすぐに当直免除は理解のある職場だと思った。(血液内科)」


当直免除や時短勤務への評価は高い一方、「周囲に不公平感を生むこともある。待遇面の配慮は欠かせないし、感謝をきちんと伝えることも大切(一般内科)」との指摘もあった。

また、勤務時間・内容の軽減だけでなく、スキルアップ機会を逃さない配慮がなされた医療機関も。

「夜間勉強会に遠隔テレビ参加させてもらえた。(甲状腺内科)」

勉強会や研修はどうしても勤務後となるケースが多い。向上心の高い女性医師がもどかしい思いをしないですむ。それも勤務負荷軽減同様、もしかしたらそれ以上にありがたいものであるようだ。

制度より大切なもの
意識の差異を最小限に

様々な制度について声が寄せられたものの、多くの女性医師が指摘するのは「結局は職場全体の意識」ということ。制度が形骸化しないために意識改革は欠かせないようだ。

「出産経験者(医師にかかわらず)の多い職場は働きやすかったです。(消化器外科)」

 

「結局のところ似たような状況の先輩がいるか、前例があるかが働きやすさに影響を与えると思う。確立した優遇制度はない。(放射線科)」

女性医師の割合は20%。しかし、管理職に占める女性医師の割合は10.3%だという(*)。マイノリティの立場での改革はハードルが高いもの。働きやすい環境へ改善していくためにも指導的立場の女性医師が増えることが望まれる。

一方で、全ての女性医師一人ひとりができる取り組みとして次のような指摘もあった。

「子育てをサポートする制度をとりやすくする意識改革は本人、周囲ともに本当に必要だと思います。前例がないと、なかなか取りにくいものですが、先駆者がいれば後に続きやすい。一方で、制度を利用しない前例ができてしまうと、負のサイクルにはいる(あの先輩も産休明けすぐに復帰したのだから、早期復帰を余儀なくされる、など)こともありうるので、前例があってもなくても勇気をもって制度を申請する自らの勇気も必要。(形成外科)」

次回は、もう一歩踏み込んで「女性医師が考える働きやすい医療現場への提案」をご紹介していく。

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* 2014/7/26 男女共同参画フォーラム発表資料「10年で医療界の男女共同参画は進んだのか ~病院管理部門における女性医師数の変遷からみえるもの~」

『Joy.net』女性医師にとって働きやすい環境を考えるアンケート 概要
・調査方法:インターネット調査
・調査期間:2015年6月12日~6月30日
・対象:Joy.netパートナー登録女性医師
・回答率:73.5%


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