483342f0 895e 4798 b7ba 10db22b8fd0b子ども・暮らし
2015年07月14日

スマートデバイスによる教育を新しい「定番」として根付かせたい。(株)スマートエデュケーション 代表取締役・池谷大吾さんインタビューvol.2

知育アプリの開発・販売で実績のあるスマートエデュケーションの代表取締役・池谷大吾さんに、乳幼児の教育とタブレットやスマホといったICTの活用についてお話を伺うインタビューの第2回。今回は、保護者が持つ不安から、適切な利用についての考え方についてお話ししていただきました。

不安の根底は親が経験していないから。
かつては絵本だって批判の対象だった

 私たちはアプリの開発・販売を行っていますが、だからこそ「タブレットやスマホを使って、心身の発達に悪影響があるのではないか」「小さな子どもにゲームをやらせていいのか」という不安を持たれる親御さんが少なくないことも感じています。ただ、前回お話したようにスマホやタブレットならではの特性を生かした新しい価値は、確実にあります。だからこれを「スマホやタブレットの利用は、いいのか悪いのか」「使ってもいいのか、一切使ってはいけないのか」という、白か黒かの議論にしてしまうのは適切ではないと考えています。


 現状、スマホやタブレットは、新たに登場してきたメディアとして社会に普及していく過渡期にあります。新しいメディアは、過去を遡ると、テレビやゲームなど、必ず悪影響が懸念され、批判されるものです。今では信じられないかもしれませんが、絵本だって、世に出た最初のころには批判されていたそうですよ。「育児をものに頼るとは何事か」と。


とはいえ、新しいメディアへの抵抗感や不安感が生まれること自体は、ごく自然なものだと思います。なぜなら、これまでなじみがないため、いくらその有効性を説かれても「共感」ができませんから。スマホやタブレットを使った教育は、親世代が経験していない。だから、子どもにやらせていいのか確証が持てないわけです。「よく分からないもの」に対して、とりあえず懸念が先立ってしまう。実は、それが不安感の根っこだったりするのではないでしょうか。そこで私たちは、親子で楽しめるようなアプリを開発したわけです。パパ・ママがその良さを知って一緒に楽しめれば、子どもにやらせたいって思うはずですから。


 少なくとも、これからはスマホやタブレットが存在して当たり前で、積極的に活用されていくであろう社会に生きていく以上、その存在や利用を否定するのは非常に難しいはず。なにより、これらが実際に便利なツールであることは間違いないわけです。であれば、「どのように活用していくのが、育児や教育にとってよいのか」を考えていくべきではないかと思います。

専門家と協働し、タブレットやスマホの適切な
利用についての提言も

 私たちは、乳幼児向けのアプリ開発を行っている事業者の責任として、ICT教育や乳幼児の教育の専門家の方たちと協働し、「乳幼児の適切なスマートデバイス利用に関する『5つのポイント』」を策定しました。それは、以下の5つです。

1. 親子で会話をしながら一緒に利用しましょう
2. 創造的な活動になるよう工夫しましょう
3. 多様な体験ができる機会を作りましょう
4. 生活サイクルを守りながら使用しましょう
5. 親子でコミュニケーションを取りながら
   アプリを選びましょう

 突き詰めると、これらは、育児をする上でどのような活動をするにあたっても重要なことだと思います。例えば、絵本であっても、絵本をただ与えさえすればよいと考える親御さんはそう多くないはずです。読み聞かせをしてあげたり、「すごいね、びっくりしたね」とお子さまと共感をしたり、「このあとはどうなるかな?」と投げかけをしたりしますよね。また、延々と絵本を読ませ続けるようなこともさせないはずです。外遊びだってさせますよね。スマホやタブレットの利用も、こうしたことと全く同じなのです。

 ただ、スマホやタブレットの利用で、もっとも問題になるのは、やはり、与えっぱなしで「子守り」をさせてしまうこと。ですから、基本的には、親子で一緒に使うこと、そして関心を持って子どもに接することを前提としてほしいですね。だからこそ、私たちのアプリは、親子のコミュニケーションをコンセプトにしているのです。



   アプリ「リズムえほんDX」では、親子のコミュニケーションが促されるように設計されている。

スマートデバイスによる教育を
新しい「定番」に位置付けたい

 私自身よく言うのが「ICTは21世紀のハサミ」だということ。ハサミは使い方によっては、人を傷つけることもあるけど、創造性を飛躍的に向上させる道具でもありますよね。それを肝に銘じて親御さんにもスマートデバイスとお子さんとの関わりを前向きに捉えていっていただきたいと思っています。そして、我々はその価値をさらに高めるアプリで教育のイノベーションを提供していきたいと考えています。


 事実、我々が現在開発しているのは親子のコミュニケーションをさらに活発化させるアプリ。具体的なことはまだ言えませんが、物理的に離れている際の親子コミュニケーションをより豊かにするものを考えています。こうしたチャレンジを続けることで、スマートデバイスによる教育を根付かせ、その中での「定番」として弊社のアプリが位置付けられるようにしたい。幼児教育の分野は圧倒的に保守的だと言われていますが、その中で定番を作り出すことは非常にチャレンジングだと捉えています。


 そのためにも、まずはスマートデバイスが、より多くの方にとって、絵本やおもちゃなどと同じように、育児で使われるツールのうちの一つとして定着していって欲しいと思っていますし、そのための努力を今後も続けていくつもりです。


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