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2016年07月13日

葛藤そのものを前に進む力に変えて。
ライフイベントによるキャリアの進路変更を新たな挑戦のステージへ
HITO病院・大宮久美子先生の情熱

ライフイベントにより思い描いていたキャリアパスの進路変更を余儀なくされるとき――。後ろ髪をひかれる思いでの退職、新たなキャリアの模索、決意と迷いを何度も行き来する心情。そんな葛藤を経て、新たなキャリアテーマを掲げ、新天地での挑戦をスタートされたのが、HITO(ひと)病院の消化器内科医・大宮久美子先生です。ライフイベントによる進路変更を「諦め」でなく、「チャレンジ」に変えていくしなやかな強さをお伺いしました。

大宮久美子先生
広島県出身。2004年山口大医学部医学科を卒業後、同大消化器内科学講座入局。大学病院並びに関連病院に勤務後、大学院に進学。その後、上司と共に関東地方の病院に移った後、上司の教授就任に伴い2013年より埼玉医科大学国際医療センターへ。2016年4月より、HITO病院消化器内科・健診センター入職。内科認定医、日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、医学博士。

迷いなく進んできたキャリアに黄色信号を灯した
結婚、そして親の病気療養

消化器内科医として迷いなく、順調にキャリアを築いていた大宮先生。「山口大の胆膵チームのチーフが、横浜の病院に移ることになったのを機に関東に移りました。その後、上司の教授就任に伴い、埼玉医科大学国際医療センターに入職しました」。広島で育ち、山口で学んだ大宮先生。慣れない土地へ飛び込むことに迷いはなかったのかと尋ねると、「上司は胆膵の世界で有名な先生。迷いよりも、チャンスをいただいたことへの喜びに突き動かされましたね。面白い経験ができるし、色々な先生と知り合い、自分のスキルを高めていくまたとない機会だと捉えていました」。事実、関東在任時に超音波内視鏡での診断・治療スキルもさらに磨いたという。

そんな順風満帆なキャリアに灯った黄色信号――それは、2つのライフイベントが重なったことがきっかけだった。「親の病気療養と結婚でキャリアの見直しが必要になりました。長女でありながら、地元を離れていることが気がかりだったところに見つかった親の病気。通院にも付き添いたいし、何かあったときのために親元にすぐ駆けつけられないと困る。そう悩んでいたところで、愛媛で働く学生時代の1つ上の先輩である主人からのプロポーズがあって。結婚だけなら別居婚も考えましたが、親のこともあるとなると地元近くに戻るという選択をするしかありませんでした」。循環器内科医の夫が働く愛媛であれば、広島にも戻りやすい。そう考え、愛媛での転職を決断した。

とはいえ、やりがいと確かな手ごたえを感じながら邁進していた分、葛藤は大きかった。「主人にも相談したし、あなたが埼玉に来てくれないかと口走ったこともあります。そのくらいやりがいにも人間関係にも恵まれた職場環境を手放すのは辛かった。何より、私を親身に指導くださり、チャンスを与え引き立ててくださった上司の期待に応えられないのが心苦しかったです。親の療養サポートを考えれば近くに戻るしかない。頭で分かってるからといって、すぐに納得できるわけではないですよね。今だって100%納得しているとは言えないのかもしれません」。

目をかけ、チャンスを与え続けてくれていた上司への退職願い。それは苦渋の思いだった。「察しのいい上司のため、“お話があります”と言っただけで“まさか、結婚するんか”と悟られたようでした。結婚に加え、親の療養もあることを告げると、苦しい顔をされながらも“仕方がない”とおっしゃって。無理に引き止めることはありませんでした。そんな上司の姿を目の当たりにし、1ヶ月に1回は埼玉に行き、診療の手伝いと研究の継続をすることを申し出ました」。

人生初の転職活動
縁もゆかりもない土地への転職を支えたものとは――

こうして始まったご主人の働く愛媛での転職活動。「まさか愛媛に移るとは考えたこともなかったので、伝手もなくて…。人材紹介会社に相談するしかありませんでした」。ご主人と共に決めた転職条件は3点。

① ご主人の勤務先にも近く、広島の親元にも帰りやすいエリア
② 当直なし
③ 内視鏡スキルを落とさない働き方ができ、月に1回埼玉医大に手伝いにいくことを了承してもらえること。

1点目と2点目は、親のケアへの備えのため、3点目は一時的にキャリアの歩みがスローペースになったとしても、最低限のスキル担保と将来のキャリア伸長を可能とするために掲げた条件だったという。

転職サイトや紹介会社へのアプローチを進める中、ご主人が見つけたのが現在勤務するHITO病院の求人だった。「早速、求人を扱っているエージェントに問い合わせをしたところ、担当者が四国から埼玉まで来てくれました。求人の詳細を教えてもらうだけでなく、私の希望をヒアリングのうえ、愛媛の医療の現状や転職市場など丁寧に教えてくださいました。担当の方が、県内の多数の医療機関に求人ヒアリングや医師面談で足を運ばれていたので、募集背景から現状、将来的な構想、風土まで含めて医療機関を知れたのが良かったですね。提供いただく情報には納得したので、あとは実際面談や見学の上で決めようと当院を含めて3つの医療機関の面談を設定いただきました」。

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一番フレキシブルに長期的なキャリアを築いていける
HITO病院への入職を決めた理由

愛媛県内の3つの医療機関との面談をすませたうえでHITO病院への入職を決めた大宮先生。通勤至便性の面では他に劣った同院への入職を決意したのは、一番フレキシブルに自身の目指すキャリアを描いていけそうだという将来性を感じたから。「今は不慣れな土地・環境の変化もあり、少しキャリアの歩みを緩やかにしていますが、将来のキャリアやプライベートの充実のために、歩む道を修正していく時期だと思っています。独身時代は自分のことと仕事のことだけ考えていればよかったけど、女性は親、夫、子ども、と家族のことも考えバランスをとらないといけないことが多いですよね。そんな中でも当院は、面談でも私自身の現時点の希望だけでなく、長期的なキャリアも含めて一緒に考えてくださる印象を受けました。しかも、院長先生はエネルギッシュでついていきたくなっちゃうような先生。ここでなら、一時的にキャリアの歩みを緩やかにしたとしても、再度エンジンをかけ、新しい挑戦をしていける。そう思ったんです」。

葛藤そのものを前に進む力へ
新しく掲げたキャリアテーマとは

現在は、消化器内科・健診センターに勤務。4月に入職して、まだ日は浅いが充実した毎日を送っている。そんな中で、自身が目指す新しいテーマも見えてきた。「1点目は、この地域・この病院で求められているものを把握し、ニーズに合うことの中で自身のスキルを磨き、地域と病院に貢献することです。現在は健診を担当していますが、もっと数を増やさなければならないし、内容を充実させていかなければならないと感じています。そのために何をしていくべきか。まず1つ考えているのが、マンモグラフィーができるようになりたいということ。消化器内科医としてこれまでは全くノータッチでしたが、勉強していきたいですね。2点目は、大学で培った知識やスキルを落とさず、将来的にこの地域で新しい検査や治療を導入すること。もちろん、地域の一般病院なので、最先端医療を導入すればそれでいいというものではありません。ただ、この地域は、私の専門である胆膵領域のがん患者さんが意外と多いんです。そのため、たとえば超音波内視鏡の導入も将来的には考えてみたい。まだ院長にもそんなお話はできていないんですけどね(笑)。もちろん、一般病院なので自分の専門を狭く深く追っていくだけではダメ。まずは、健診センターの担当医としての責務を果たし、病院へ提案ができる説得力ある存在に成長したうえで、進めていきたいと考えています。超音波内視鏡が導入できたら、大学でお世話になった先生方への恩返しにもなりますしね」。

一般病院でのキャリアと、最先端医療に従事するキャリア。ライフステージも踏まえて、そのどちらかを選択するのでなく、両方の調和を目指す大宮先生。ライフイベントで描いていたキャリアパスが中断すると嘆くのでなく、“この状況を生かすなら?”と発想するしなやかさ、自分のやりたいことだけでなく“地域、病院、大学にも自身を生かしてもらうなら?”とビジョンを描く視座の高さ。そんな姿にしなやかな強さを感じさせられる。

確かなビジョンをお持ちでありながら、常に葛藤は続いているという大宮先生。「今も3日に1回くらいは、これが最適解だったのか・・・との思いが頭をよぎることはあります。なぜ女性である私だけがキャリアの軌道修正をしなければならないんだ・・・と夫に対して理不尽に感じてしまうこともある。そんなネガティブな感情が一瞬浮かんでくることはあるけど、引きずりはしないかもしれないですね。自分で選んだ道ですし、じゃあどうしていこう?と考えるほうが建設的ですから」。葛藤を抱えて立ち止まるのでなく、葛藤そのものを前に進む力に変える。キャリアの歩みを緩やかにしたように見えた選択は、実はさらなる飛躍への跳躍なのかもしれない。


HITO病院

1976年開設の石川外科医院、1979年開設の医療法人綮愛会石川病院を前身とし、2013年に257床で開院。開院後も脳卒中センターや人工関節センターの開設や、積極的な各種専門外来の設置で地域医療の向上に寄与。1976年の創業以来、2次救急病院として24時間体制で地域医療を支えている。また、「いきるを支える」をコンセプトにした病院ブランディングにより、2014年日経ニューオフィス賞を受賞。

 

採用情報
HITO病院では、常勤医師を募集中です。募集概要は下記求人票よりご覧ください。

消化器内科内分泌科循環器内科
一般外科、消化器外科脳神経外科
麻酔科
健診・ドック

※ご不明点やご質問がありましたら、求人票の問い合わせボタンより、
 何なりとお問い合わせください。


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