
連載:麻酔科医ひつじのワークとライフとその真ん中
ー第9回 デキる医師に見せるには…
ー第9回 デキる医師に見せるには…
関東圏の急性期病院で働く麻酔科医ひつじ先生が綴る麻酔科女医の日常。今回は、デキる医師に見せるtipsについてです。信頼できる医師に見せるつもりがなぜかあらぬ方向に……
研修医は毎日、疾患のこと以外にも処置、検査の仕方、沢山のジェネリック薬品、インフォームドコンセントの実践など覚えることが盛りだくさんです!日々の業務をパターン化して要領よくテキパキこなす研修医は、『デキる研修医』に見えますが、臨床のイレギュラーな出来事やトラブルシューティングにも上手く対応して、デキる『医師』になって欲しいと思います。
例えばVラインを失敗し「ちょっと!痛いんだよ!」と患者さんに怒られると、研修医ならちょっと動揺しますよね。上級医がもう一度やってごらんと目で合図してもプレッシャーが...。上級医だって失敗することはありますがどうして患者さんに怒られないのでしょう?
ひつじ「君(研修医くん)はいま針を刺すとき『ちくっとしますよ』と言ったね、でも針を刺すのにそれで済むかな?わたしは『痛いですよ』とはっきり言うよ。そうやって心の準備をしてもらえば患者さんの期待を裏切らないからね。」
期待を裏切らないイコール、慣れてるっぽい、上手そう、信頼できそう、安心…。そういった雰囲気作りも医師として必要なスキルです。また刺すときに手に力を入れさせておくのは余計に痛く感じるので、刺す直前には脱力してもらってリラックス〜(笑)。駆血してから何度か手をにぎにぎしてもらえば、そのあと脱力しても血管は案外よく見えるんです!
点滴のプレッシャーその2、患者さんが点滴をとる手元をじぃっと見つめる場合。
ひつじ「見ていても平気ですか?」
患者さん「あ、見ない方がいいんですか?」
ひつじ「いいえ、見ても結構ですけど、ときどき気分が悪くなる方がいますので…。まぁそうなったら自己責任ですからね、うふふ。」
この余裕が安心できる雰囲気作りよねと思っていたら、外科医がぼそっと一言、「なんかエスですね」。
翌日、術後診察で訪室した患者さんにも「あ、昨日の『ドS』の麻酔科の先生ですよね、よく覚えています」と言われました。
うーん、なんか違います?
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