E1f85128 4649 400e aa45 721587cdbb06連載・コラム
2016年09月21日

Dr.まあやの「今日も当直です」
第7回 当直室あるある話

長年、当直ライフを送っているDr.まあやにとって「当直室」は大事な住み家。男くさい、マンガだらけといった実情やDr.まあや的過ごし方を熱く語ります。

第7回 当直室あるある話

今日も当直の、Dr.まあやこと、折居麻綾です。当直生活も長くなると、ああここは2つ星だな、とか、ここは運動部の部室か!とか、いろいろなタイプの当直室を経験させていただいた。

今回はそんな、当直室あるある話で盛り上がってみようと思う。

決して快適とは言えない当直室…

とくに、昭和40年、50年代に建てられた病院の当直室は、お育ちのいい女医さんには衝撃的だろうと思う。建物が全体的に年季が入っている中、当直室はほとんど手を入れられることなくノスタルジックに佇んでいる。壁がタバコのヤニで茶色くなっているところも少なくない。

さらには、地下にあり、カビ臭く、男臭い部屋で、窓がない、なんていう当直室も時々あり、何か、軟禁された気分になったりする。ちなみに、内科の当直室はやっぱり女医さんも多いせいか、余計なものが置いていない、さっぱりとした部屋が多い気がする。

 以前よりは、だいぶきれいで清潔な部屋になりつつあるが、当直室の多くは男性仕様にできていることが多かった。山積みになっている“男性用雑誌”(これもまた年季物だったりする…)、壁一面のマンガ(マンガ喫茶か…)。潔癖性ではないけど、一晩休む部屋なので、きれいな部屋できれいな布団で休みたいな〜なんて思うこともあった。みなさんも一度は経験があるだろう。

当直室に必ずあるマンガ
※まあや調べ

・ゴルゴ13

・こち亀

・ドラゴンボール

・はじめの一歩

・イニシャルD

・週刊ジャンプ(毎週更新されている!)

ほらほら、あるでしょ?死に物狂いで勉強し、論文を読み書き続けたドクターでも、やっぱりドラゴンボールなんだなあ…。ちなみにワタシは、ゴルゴ13が大好き。ゴルゴ13に脳外科医まあやとして、いつか出演することを妄想中・・・。タイトルは「ゴルゴ13、最初で最後の愛・・・」。

当直室での過ごし方あれこれ。

そんな当直室で、ワタシはもっぱら縫合糸だけでなく、手芸糸を結んでいる。グルーガン(スティック状の樹脂を溶かして接着する道具)を使って製作をしたり、最近では原稿を書いたりイラストを描いたりも。いつ呼び出されるかという緊張感により集中力も高まり、作業場としては実に都合のいい場所である。

 以前、某番組で密着されたことがある。今でもお世話になっている釧路孝仁会記念病院でのこと。「定点カメラを付けておきますから、普段通りに過ごしてください」とスタッフさんに言われ、個展も控えていたし、グルーガンを取り出し作業に没頭。その日は数時間おきに呼び出しがあったが、作品は思ったより進捗した。

せっかくなので、大いびきで仮眠をとる風景も、テロップ入りで、公開していただいた(みんなにいびきがうるさい、と言われていたので、自分が寝ている姿を見てみたかった…)。これがワタシの当直の過ごし方。ちなみにここの当直室はビジネスホテルくらいのグレードで、週に2日、快適に過ごさせてもらっている。

当直は体力的にも精神的にもきついものだが、どうせやるなら有意義に過ごしたい。一人になれるチャンスだし(といってもワタシは常に一人ですが…)、趣味を楽しんだり、身体を休めたり。本を書いたり(笑)

ワタシの同期は、夏になると当直室のベランダにシートをひいて、日焼けをしている時があった。まったく無駄のない過ごし方である。筋トレをしているドクターもいた。これも実に健全。既婚者で自宅に妻や子供がいるドクターは、ここぞとばかりにいわゆるそういう動画…を観ているなんて話を聞いたこともある。

さて、ワタシは今日も当直である。24時間365日体制の救急医療は、都会であっても田舎であっても必要不可欠だ。特に、脳外科にとっては、当直で受ける救急外来はまさに患者さんの命に直結する仕事。今日もカラフルなグルーガンを揃えて、出番を待っている(出番がないに越したことはない)。

次回は「医者が患者になるとき」というテーマで盛り上がってみようと思う。著書『カラフルデブを生きる-ネガティブ思考を強みに変える女医の法則40』の中でも少し触れたが、実はワタシは過去に手術を受けたことがある。その時のことを振り返りながら…。

■イラスト Dr.まあや

Dr.まあやの初のエッセイ本が発売!

『カラフルデブを生きる
ーネガティブ思考を強みに変える女医の法則40』

(セブン&アイ出版)

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脳外科医×デザイナーとして
人生をカラフルに生きる
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  Dr.まあや(折居麻綾先生)

1975年東京生まれ、岩手育ち。岩手医科大学卒業後、慶應義塾大学病院で研修を終え脳神経外科に入局。2010年にかねてから夢だったファッションデザイナーの道に挑戦しようと日本外国語専門学校海外芸術大学留学科に入学する。翌年にはロンドンのセントラル セント マーチン カレッジ オブ アート アンド デザインに約2年間留学しファッションデザインの基礎を学ぶ。帰国後は事務所『Dr.まあやデザイン研究所』を設立しアーティスト活動をスタート。現在は釧路孝仁会記念病院、東京・小平市のあかしあ脳神経外科の院長として非常勤勤務している。


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