Aaa81b8c d8a4 41ef b74f 1c98b86c7540ワークスタイル
2016年10月17日

製薬会社・CROで働く医師を追う
Vol.1 メディカルドクターの働き甲斐とQOLの良さに迫る

臨床医からは、イメージしづらい製薬企業・CRO(*1)でのメディカルドクター(*2)のキャリア。創薬の開発決定から上市に携わり、治療困難だった疾患の寛解・治療、副作用の軽減に貢献。それにより、間接的に多くの患者さんを救う。一連のプロセスで社会への貢献へ確かな手ごたえを感じられるのが、メディカルドクターの喜び・やりがいであるといわれています。さらには、ワークライフバランスも非常に良いのが特長。

そこで、今回から2回に渡ってメディカルドクターの実態を大解剖! 製薬企業で臨床開発部長などを歴任後、独立。約60名の医師を製薬会社・CROにご紹介された岩堂俊雄氏に、メディカルドクターの業務内容からキャリアパス、よくある疑問まで“リアルな実態”をお伺いしました。

*1 CRO:Contract Research Organization、開発業務受託機関、製薬会社と契約して臨床開発業務の受諾をする会社
*2メディカルドクター:製薬企業・CROで勤務する医師。


株式会社ヒューマンダイナミックス
会長 岩堂俊雄氏

 

チバガイギーKK(現ノバルティスファーマ)、臨床開発部長等、アラガンKK 常務取締役、参天アラガンKK 代表取締役を歴任後、2000年に株式会社ヒューマンダイナミックスを設立。医師などの製薬会社・CROへの転職をマッチング。日本有数の成約件数を誇る。また、紹介医師の約30%は女性医師。女性医師ならではの悩みを熟知し、ライフステージに応じたキャリアを提案している。

第1回目の今回は、メディカルドクターの業務内容、ワークライフ両立を図りやすい理由、実際に岩堂さんが転職のお手伝いをされた女性医師の実例など“メディカルドクター基本情報”をお伺いしました。

――製薬会社へ勤務しているメディカルドクターはどのような業務をされるのですか?

主に下記3つの部門での配属となります。

臨床開発部
新薬の臨床開発業務。臨床試験の実施業務に参画し、臨床開発計画書、プロトコール、同意説明文書などに対して医学的観点からアドバイスや指導する。

安全性情報部
臨床開発中並びに発売後の医薬品で発生する有害事象(副作用)を評価したり、副作用の発生を減らし重篤化させない対策(Risk Management)を立案する。

メディカルアフェアーズ
担当治療領域の疾患の高い知識を持ち、日本及びGlobalのKOL(*3)との協議から製品と疾患に関するアンメットメディカルニーズを見出し、その解決に向け科学的側面から様々な活動を実施。それにより、製品価値の最大化に貢献する。
*3 KOL(Key Opinion LeaderまたはThought leader)

――製薬会社でのメディカルドクターの待遇、勤務体制はいかがでしょうか。

製薬会社での勤務経験がなく、臨床医から製薬会社のメディカルドクターへ転職する場合でも、現在の年収額が考慮されることがほとんどです。また、部長、本部長、副社長となれば2000万、3000万、それ以上になっているメディカルドクターもいます。

また、待遇以外にも下記の観点からQOLが高いのが製薬企業・CRO勤務の大きな魅力です。

・完全週休2日制
・当直なし
・勤務時間はフレックスタイム制の会社が殆ど


フレックスタイム制とは、1か月など一定期間で定められた総労働時間の範囲で、各自の裁量に応じて勤務をしていくとうものです。多くの会社では、コアタイム(必ず出勤していなければならない時間帯)が定められていますが、通常は10時~15時といった時間帯となっています。たとえば、朝型の先生なら7時出勤し、午後早く帰る。夜型の先生なら朝はゆっくり10時に出勤。また、忙しい時は長時間勤務し、月の後半はコアタイムの10-15時しか勤務しないといった調整も個人の裁量で可能です。MDの殆どは管理職クラスの職位となるため、どのような時間配分をするかの事前許可は不要。中には、業務遂行できれば、コアタイムの規定すらなく、勤務場所も時間も自由といった企業もあります。


・在宅勤務

時流に乗って、最近は在宅勤務を導入する製薬企業も増え、週に2日から3日の在宅勤務を許可している会社も多いです。また、自宅から電話会議システムを使って会議参加するというメディカルドクターもいらっしゃいます。


・兼業の許可

専門医資格維持の観点から会社勤務は週4日、1日は病院で診療を許可する会社もあります。また、土曜日に病院での診療を許可する会社もかなり増えています。

・高い有休消化率
 1週間、2週間単位の長期休暇も可能な会社が多くあります。

・借り上げ社宅、住宅手当がある会社が多い

>>ライフステージに合わせた働き方を探すなら
医師の常勤求人検索はこちら➡
『Dr.転職なび』
  アルバイト検索はこちら➡『Dr.アルなび』
エムステージ産業医サポート【医師向け】

――制度面以外でも女性医師が勤務しやすい理由はあるのでしょうか?

製薬企業の社員の約半分は薬剤師などを中心とした女性社員で、産休、育休、時短勤務、在宅勤務、フレクッスをFullに活用している女性社員も数多く在籍しているためです。制度を活用してワークライフバランスを取るのが当たり前の環境。そのため、女性医師も同じように会社の制度をFullに活用し、育児や生活と両立しながら勤務している方が多いです。周りの目を気にして制度を活用しないといったことや、後ろめたい気分になることもありません。

――岩堂さんがご担当された製薬企業勤務の女性医師の例を教えてください。

育児との両立を実現されている3人の女性メディカルドクターの例をご紹介します。

A医師
医学部卒業後、その大学及び関連病院で9年間内科全般、主として内分泌・糖尿病、腎臓内科を担当し、後輩研修医も指導。その後、大学院で疫学、生物統計などを勉強し、製薬会社勤務に興味を持たれました。

 

当時は、2人のお子さんの育児真っ只中ではあったものの、国内系製薬会社のメディカルアフェアーズへ転職決定。ただ、その企業は立地的に自宅からの通勤が不可能だったため、2人のお子さんと女性MDとで転居。同じく医師であるご主人は実家へ住みました。「なんとかなるさ」の気持ちで飛び込んだとのことですが、製薬会社のワークライフバランスの良さでスムーズに新生活に適応されていきました。製薬会社は当直もなく、比較的勤務時間に融通がきくので、朝夕は2人の幼児を保育所へ送り迎え。夕食を食べさせ、寝かしてから、自宅で業務をした事もあったそうです。海外出張時などは、両親やベビーシッターにお子さんの面倒を見てもらっていたとのことです。


メディカルドクターとしては、創薬物質が腎臓、内分泌・代謝領域の開発品になるかどうかを評価。また安全性評価、開発製品のプロジェクト管理も担当。充実した業務で社会貢献が出来たと思うとおっしゃられていました。

 

その後、お子さんが小学生になり、父親との密なコミュニケーションも必要となったため、ご主人と女性医師ともに通勤可能な外資系製薬会社開発部へ転職されました。現在は新薬の開発業務を担当。与えられた業務目標を達成できれば、勤務時間の自由度は高く、多感な小学生の育児との両立もしやすいと話されていました。


B医師
病院勤務で育休中の女性医師。育休後仕事に復帰しても当直は免除されないとのことで、メディカルドクターへの転身の相談を受けました。その結果、外資系製薬会社安全性情報部へ転職。住まいもご主人の実家近くへ引っ越し、1才の乳児の保育園への送迎は両親にお願いされています。製薬会社へ勤務して2年後、2人目のお子さんを出産。現在、育休中です。育休明けには職場復帰されるとのことです。

 

C医師
病院勤務の女性医師。製薬会社への転職を検討されていた時、妊娠され、転職活動中止。出産後、CRO(開発業務受託機関)の正社員となり、基本は週5日在宅勤務で、必要な時だけ会社へ出勤されています。週の多くを在宅勤務とされているので、育児と業務が両立できると喜んでいらっしゃいます。

 

制度面でも風土面でもワークライフバランスを図りやすいメディカルドクター。待遇も良く、キャリアの選択肢の1つとしては魅力も大きいといえるのではないでしょうか。とはいえ、長くキャリアを築いていくためには、やりがいやキャリアパス、臨床も並行して行えるのかなど疑問は尽きないもの。加えて、企業ならではの人事評価や未経験からの教育体制だって気になるところ。次回は、そんな女性医師が疑問に思うポイントについて「で、本当のところはどうなんですか?」をお聞きしてまいります!

製薬会社でのメディカルドクターとしてのキャリアに興味を持たれた方、ご質問などある方はこちらの問い合わせフォームよりお気軽にお問合せください。

具体的な求職希望がなくても遠慮なくお問合せください。MDご紹介件数国内トップクラスのコンサルタントがご回答いたします。

医師の常勤求人検索はこちら➡『Dr.転職なび』
  アルバイト検索はこちら➡『Dr.アルなび』
エムステージ産業医サポート【医師向け】

ヘルスケアの今と未来がわかるWEBマガジン➡『HEALTHCARE Biz』


関連記事
製薬会社・CROで働く医師を追う
Vol.2 メディカルドクターへのQ&A「で、本当のところどうなんですか?」

医師4年目の後期研修医からメディカルドクターへ
想定外だらけの人生で体当たりで描く自分だけの道