2d61e14d 6980 4902 9497 9497b6708338医療トピックス
2015年08月01日

勤務医も開業医も他人事ではない?!「地域包括ケア」!
~2014年度診療報酬&2015年度介護報酬改定に込められた、国からのメッセージ~

近年、よく耳にするようになった地域包括ケア。要は、世界でも最先端をいく高齢社会日本にあって、団塊世代が後期高齢者の仲間入りをする2025年、本格的に医療介護を要するであろう2050年へ向けて、「いままで通り病院で看取りをやっていたのでは、ベッド数もケアする人材もお金も足りない~!」という切羽詰まった状況を打破すべく、国が示した新たな方向性のこと。

地域包括ケアシステムの構築によって、住み慣れた地域の中で、最後までその人らしく生きることを支える医療と介護サービスが、公的な医療保険(国民皆保険)・介護保険サービスの範疇にとどまらず、NPOや民間企業、ボランティア等々地域住民も巻き込んで、シームレスに提供されることを目指す。日本では、介護保険制度設立以来とも言われる大改革が行われている真っ最中なのだ。

地域包括ケアへの舵取りは待ったなし!
「病院完結型」から「地域完結型」、「治す医療」から「支える医療」へ

実際に、昨年行われた2014年度の診療報酬改定、今年行われた2015年度の介護報酬改定では、国が大きく「地域包括ケア」へと舵を切ったことが明確化される内容となった。今回の診療報酬改定&介護報酬改定の主なキーワードは4つ。

➀報酬切り下げ
②人材・資源の効率化
③認知症・看取り・リハビリテーション強化など重度対応
④在宅サービスの包括報酬サービスの強化

どの項目が減算となり、どの項目に加点強化されたのかをみていけば、「厳しい報酬切り下げを行いますよ。でもそれはね、地域包括ケアに移行してほしいからなんだよ。だから、在宅での生活を支援する地域包括ケアサービスには加点しますよ。在宅以外でも重度ケアには加点しましょうね。人も資源も足りないから、効率的に配置してね」とのメッセージが読み取れる。

いかに入院期間を短くして、早期に在宅・社会復帰を促すか。受け皿としての地域包括ケア病床や在宅医療を充実させ、いかに在宅介護その他のサービス提供者と連携していくか。時代は、病院内で看取りまで行っていたこれまでの病院完結型から、地域の中で暮らし続けることを念頭に置いた地域完結型へ、病気を治すことに注力すればよかった「治す医療」から病気があってもその人らしい生活を「支える医療」へと転換期を迎えている。大学病院始め地域の中核病院に勤務する医師であろうと個人クリニックを経営する医師であろうと、「地域包括ケア」は今後ますます欠かせない視点となってくることは間違いない。

改革の本丸は2018年の診療報酬&介護報酬ダブル改定以降!

少子高齢化が叫ばれて長いが、少子化・子育て対策と比較してみても高齢者のほうに手厚くやさしい医療福祉政策が、日本の財政赤字を押し上げてきたことは指摘される通り。赤字脱出を図るべく、これまでの反省を生かして、医療報酬はマイナス改定、介護報酬も軒並み減算、介護保険制度スタート以来のマイナス改定となった。

しかしながら、今回の改定はまだ序の口。2018年には診療報酬&介護報酬のW改定が控えており、診療報酬&介護報酬に本格的なメスの手が入ってくるのは2018年以降と考えられる。これまで聖域とされてきた医療の世界においても、どんなマイナス改定にも動じないしなやかさや柔軟な発想が求められる時代の到来だ。必要な人に必要な医療を届けるためにも、無駄な医療費を生み出していないかなどといった意識改革も含め、新しい時代への対応が期待されているとも言える。

つまるところ、私たちの国にはお金がない!とはいえ、医師のようなやりがいのある職業を選択した女性たちがもっと出産・子育てしやすくなるような、少子化&子育て対策にはもうちょっとお金を・・・いや、本当にかゆいところに手が届く政策もお願いしたいところ。

■文:今村 美都

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