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2017年02月17日

女医が実践!モンスターペイシェントとの付き合い方を一挙公開。

前回のアンケート記事『恐怖のモンスターペイシェント図鑑』では、女医たちが日々遭遇している“モンスター患者の実態”が露わになりました。今回はその対処法を探っていきます。

みんなはどうしているのかしら?と気になるものの「みんなはどうしてるのよ!?」と聞いて回るわけにも行かないこの疑問を、joy.netパートナーの先生方に伺ってみました。

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出会ってしまったとき、どうしてる?
<モンスターペイシェント対応・実務編>

~ソフト面~

「平常心を保つよう唱える。基本的に笑顔を続ける」(血管内科)

 

「まずは深呼吸。冷静になることを心がける。患者の挑発に乗らないようにする。スタッフを呼ぶ」(皮膚科)

 

「とにかく、こちらは落ち着いてゆっくり話すこと。相手のペースに巻き込まれず、淡々と自分の考えをお話ししたり、どんなに頭にきても、相手の話は最後まで聞くこと。目を合わせて話すこと。会話を録音されていることもあるので、常に誰に聞かれてもいいような言葉遣いをすること」(消化器内科)

 

「まじめに受け止めていたら時間も体力ももったいないので、心を無にして、そうですね~と軽く聞き流す。こちらが悪くない場合は絶対に謙らないように(勘違いされても困るので)、でも表面上は丁寧に対応するようにする」(放射線科)

 

広い仏の心で接すると案外最後はおさまることもあります」(科目非公開)

まず、みなさんのアンケートから浮かび上がってきたソフト面での共通のワード。それは「平常心」「冷静」など、相手のペースに絶対に載せられないようにするための心の持ちようを表す言葉でした。「唱えたり」「心を無にしたり」「広い仏の心」だったりと、それはまさに哲学者か宗教家か!という様相。いかにみなさんが日頃から悟りの境地で恐ろしいモンスターペイシェントと対峙しているかということがわかります。

~ハード面~

「最近は、診察室の見えないところに音がならない警報機のスイッチを設置してもらい、変な患者が来たらそれを押すとスタッフが診察室に来て、それとなく患者を検査室などに誘導するようにしてくれるようになった」(内科)

 

「問題があった患者さん家族とは、一人では会わず、必ずメディカルソーシャルワーカーや事務長といっしょに会うようにした」(内科)

 

「裁判になった時に備え、カルテ記載を詳細にすること。看護師や事務など、複数人で対応することが重要。暴力的な患者への対応は事前に渉外係へ連絡し、大勢の前で話すことで相手も我に返っていた」(小児科) 

ハード面でのポイントは、患者と自分が診察室という密室で2人きりにならないようにする工夫でした。警報機のスイッチは銀行の強盗対策のボタンのようでかなり驚きのアイテムですが、そこまで追い詰められたという実績があったということでしょう。

誰かに同席してもらうようにする、他者がいる公的なところに場所を移すなどの「人の目」を利用するのも最大の防御のようです。とにかく早めにとか、事前にとか、危険を察知したらすぐに行動に移して被害を防いでいるのですね。

なお、アンケートには「事前にモンスターと分かれば、<男性>の事務長などに近くにいてもらうように手配する」(内科)というコメントもありました。女医だからこそ、より一層身の危険から自身を守るように工夫が必要というわけです。

出会ってしまったとき、どうしてる?
<モンスターペイシェント対応・メンタル編>

「上司や同僚に話す」(血液内科、内科、科目非公開)

 

同業の夫に話しを聞いてもらう」(皮膚科、放射線科、科目非公開) 

 

「看護師さんや事務員さんたちに聞いてもらう」(科目非公開)

 人は話すとスッキリしたり、癒されたりする効果があるんですよね。医師の皆さんもその大原則を利用している方が多い印象でした。ですが、話す相手に特徴がありました。それは多くを語らなくてもその苦労や状況を共有してくれる人に話しているということ。

意外に多かったのが同業の夫に話すという先生でした。「俺も疲れてるんだよ」なんて言わない素敵な旦那様なんでしょうね。同業のご夫婦あるあるなのかもしれません。

 

「考えても仕方がないから考えないようにする」(内科)

 

「相手も私自身に怒っているのではなく、どうしようもない苦しみを私に向けるしかなかったんだなと思うようにしている」(科目非公開)

 

「間違いは認め、理不尽な人と出会ってしまったことは運が悪かったと割り切る」(放射線科)

 

「相手は病気だから仕方ないと思う」(精神科)

「気がすむまで落ち込む」(皮膚科)

 

ただただ早く寝ること。疲れていると自己嫌悪に陥りすぎるので」(小児科)

 

「数年経ったら笑い話だ、と自分に言い聞かせる」(内科)

「世の中色々いる」(内科)

話しを聞いてもらうという先生方の一方で、と~っても多かったのが諦めというか達観というか、自分自身の中に静かにしまい、処理をするパターンでした。きっと、それぞれの先生の性格などもあるのでしょう。

でも、アンケートを拝読していて、老婆心ながら、先生方のご心労が心底心配になってきたのはいうまでもありません。そのアンケートの文面は、まるで自分に言い聞かせるように、はたまたポツリとひとりごちるように、悲しみと落ち着きに包まれたコメントばかりだったのです。 

とはいっても……
\本音をポロリさせてくださいコーナー/

 

「モンスターにうんざりして健診に転向してしまったのでなんとも……」(科目非公開)

 

「いつもうまく対処できず、おどおどしてしまいます」(皮膚科)

 

「なるべく冷静に淡々と対応しようと思っているが、理不尽な状況が多く、なかなか難しい」(科目非公開)

 

「うまく対処できず、殴られそうになり、怖くて隠れて泣いてしまいました。上司に電話で相談するも聞き流されたその上司を信頼できなくなりました」(産婦人科)

そりゃそーですよね(涙)。涙なしにはアンケートを読めませんでした。患者さんと医師との良好な関係があっての治療。医師がいくら努力しても、限界ってものがあります。モンスターペイシェントのせいで、あまたの優秀な先生が本来の能力を発揮できなかったり、転向を余儀無くされているとしたら、これは社会の損失なのでは?とさえ思えてきます。も~、モンスターペイシェントめっ!!!!

じつは、今回のモンスターペイシェントのアンケートをお願いしたときに「スカッとした!というエピソードを教えてください」という項目もありました。

結果は――

「ヤクザ風の風貌を生かして巻き舌でまくしたてて追い返してくれた」(科目非公開)「2度と来るな!と啖呵を切ってくれた先生」(皮膚科)「こんな患者はお手上げてです、ときっぱりと断っている上級医がいた」(総合内科)「説得力がすばらしくある先生が患者を納得させた」(科目非公開)など、スカッとエピソードもお寄せいただいたのです。

一方で、「スカッとしたモンスターペイシェントはいない」(血液内科)というご回答に、おっしゃる通り、受けたそのダメージは、本当ならやすやすとはスカッとしないだろうなと大いに反省いたしました次第です……。

この記事が、先生方の日々のモンペ対策に少しでもお役に立てたらと願わずにはいられません!

文/田中祐子

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