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2017年02月20日

【女医たちの転職】「専門医取得を目指すも、勤務先が見つからない」
先が見えない未来、彼女の選択とは。

後期研修中に家庭の事情で大学の医局を出ることとなり、自力で転職先を探していた塩味先生。幸い、専門医取得が可能な病院へ転職したものの、結婚後に新たな難題が発生!

同じ大学出身の医師で地方病院へ派遣中の夫の大学復帰が決まり、生活拠点が移るため自身の転職先を再度探し始めた。

そんな時、ほぼ決まりかけていた病院から白紙に戻したいとの連絡が…。「転職と専門医取得の両方は無理かも…」と、あきらめかけた時、あるエージェントとの出会いにより思わぬチャンスが舞い込みます。

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苦労の末、自力で転職先ゲットも
結婚を機に、2度目の転職活動へ

大学病院の皮膚科に勤務して1年。専門医取得をめざす後期研修中に、家庭の事情で実家のある神奈川県に戻らなければならなくなった塩味先生。

「まだ新米の自分のために色々なことを教えてもらい、とても良くしてくれた教授や医局の先生方に感謝の気持ちでいっぱいでしたそれなのに、個人的な理由で医局を離れることとなったため、絶対に迷惑はかけたくなかった。そんな思いから、転職先は自分で探すと決めた。

実家から通えて、専門医が取れる病院をインターネットで調べて、片っ端からメールを送りました。大学の医局人事外の応募ということで、断られることも多かったのですが、現在の勤務先の病院に拾ってもらえたのは、本当にラッキーでした」。

手術の腕を磨きたい塩味先生にとって、オペ件数が多く、皮膚科の専門医をしっかり育てる教育体制が整っている同病院は、理想的な病院だったという。

外来は3診体制で、午前中は外来業務。午後は入院患者の対応や手術などで、あっという間に1日が終わる。小手術から全身麻酔の大規模手術、重症皮膚疾患の入院まで、幅広く関わることができる環境であり、「専門医取得を目指す医師にとって、しっかり勉強ができる有り難い職場でした」と塩味先生は話す。

仕事も軌道に乗った2016年に結婚。夫は同じ出身大学の大学病院に勤務する皮膚科医の後輩だ。

現在は地方病院に出向中で、結婚後もしばらくは週末婚を続けている。2度目の転職を考え始めたのは、夫が大学に戻ることが決まったこと、塩味先生の家庭の事情も落ち着いたこと、自身の2年間の契約満了のタイミングが合致したことがきっかけだったという。

夫の転職に伴い、私の2回目の就職活動が始まりました。出身大学の先生からも受け入れが可能であるという温かいお言葉をいただきましたが、夫と同じ職場で働くことへの不安もあり、夫と相談を重ねた末、皮膚科の専門医資格が取れる埼玉県内の病院を第一条件に、新しい勤務先を探すことにしました。

最初の転職は、すべて自分で動いてとても大変だったので、今回は知人に紹介された医師専門エージェントに依頼することにしました。実は、前回の転職はエージェントの存在すら知らなくて、自分で動くしかないと思い込んでいたんです。実際、私のような大学の医局派遣ではなく、専門医資格を取りたい医師が周囲にいなかったので、どうやって転職先を探せばいいのか、よくわからなくて。みんなどうしているのだろうと思っていました」。

2度目の転職はエージェントを介したこともあり、紹介先はすぐに見つかった。ところが、ほぼ決まりかけていた病院が、病院側の都合により突然白紙に…。「ならば自分で」と、動いて見るものの、希望する条件の病院は見つからなかった。

縁とタイミングがつないだ
とんとん拍子のスピード転職

既に可能性がある病院はすべて当たった。希望条件での転職はあきらめかけた頃「joy.netパートナー」を通じて思いがけず、医師紹介エージェント・エムステージの存在を知ることに。この時つながれた縁をきっかけに、思わぬスピードで成約へとつながっていく。

「自分ではもう何を、どう動いたらいいのかわからなかったので、取り敢えず担当者にお会いして、現状と希望条件を素直にお話ししようと思いました。担当の上野さんはとても話しやすく、私の話に真剣に耳を傾けてくださったので、包み隠さずお伝えすることができました」

ここで塩味先生の劇的な“成約ドキュメンタリー”を時系列で紹介する。

2016年10月27

塩味先生から依頼を受けた上野が医療機関担当の伊藤と連携し、病院の求人状況リサーチを始める。

上野のような医師を担当するキャリアプランナー(CP)と医療機関とのパイプを持つリクルーティングアドバイザー(RA)。エムステージでは2方向から両者の潜在的な要望を汲み取り、理想的なマッチングへとつなげていく。

上野:「エリアは埼玉県内。皮膚科専門医の指定研修病院の求人状況ってどうですか?」

伊藤:「対象施設は18件。ですが、ほとんどが“充足”と出ています。うーん、厳しいかもしれないですね。でも、検討中のところがあるかもしれない。片っ端から連絡をとってみます」

上野:「お願いします!」

あきらめない、がモットーの伊藤が受話器を強く握りしめ電話をかけ続けた。しかし、返ってくるのは「うちは医局派遣なんで一般募集はしていない」「今、皮膚科の常勤がゼロなんで指定研修病院から外れてるんですよ。だからうちでは専門医はとれない」という答え。可能性がひとつひとつ消えていく。伊藤は深いため息をついた。



リクルーティングアドバイザー・伊藤恵美子

2016年10月30

上野:「状況、やっぱり厳しいですか?」

伊藤:「(無言)……。ですが、最後の1件、A病院の担当者が捕まらず、まだ話せてないのでわかりません」

伊藤はA病院とのつながりが長く院内事情に精通していた。A病院は自由度があり型通りに収まらない気風。“ひょっとして”があるかもしれないと、わずかな期待を捨てていなかった。

2016年10月31

A病院の採用担当とようやく連絡がとれた。結果は――

伊藤:「う、うえのさん、やりました。A病院、いけそうです! これまで皮膚科は医局派遣だったんですが、一般募集を初めて出すかもしれないそうです。ついさっき、院内でたまたまそんな話になったらしくて」

上野:「やった!すごい、伊藤さんがねばってくれたおかげで、表に出てない情報を拾えました。さっそく塩味先生に打診してみます」

2016年11月1

朝一番に塩味先生から「ぜひ進めてください」という歓喜のメールが届く。

2016年11月4

上野と塩味先生の初回面談。希望条件や入職の意志を確認する。

2016年12月26

塩味先生がA病院に赴き、病院採用担当者、医局スタッフと面談を行う。

2017年1月4日

院長による最終面談、同日にA病院への入職が決定。

これまで多くの求職を担当してきた上野ですら驚くスピード成約に、塩味先生は「こんなに早く決まるとは思ってもいませんでした。本当にありがとうございました」と、心からの安堵の表情を見せた。

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担当エージェント・上野が分析する
転職成功を引き寄せた“タイミング”の瞬間

塩味先生を担当した上野は、今回の成功をこう振り返る。

「塩味先生は将来のキャリアやライフプランをしっかり見据えている先生で、皮膚科の専門医を取りたいという希望がはっきりしていました。ただ“これは難しい案件だな”というのが正直な印象でした。

というのもA病院の皮膚科は、通常は大学からの派遣で埋まっており、一般募集はないのですが、問い合わせたことで、たまたま体調不良で休職する先生が出たことがわかりました。

突然のことで、大学側からの補填は難しいが、すぐにでも代わりの人材が欲しいという病院の意向を聞き、その場で塩味先生をご紹介したことが、今回の成約につながったのだと思います。

キャリアプランナー・上野太輔

病院関係者との面談の際『自分以外は全員医局派遣でも大丈夫か』という病院側からの質問にも、『今働いている病院も、私以外は医局人事ですから大丈夫です』と、先生がすぐに答えてくださったことも、いい流れを止めずに一気に進めることができたポイントです。『何でもやります』という、積極的な姿勢の医師を求めていたA病院にとっても、塩味先生はぴったりな人材だったんですよね」。

A病院の皮膚科の一般募集は今回が初めて。まさに、タイミングと互いのニーズが合った、ある意味奇跡的ともいえる展開だったというわけだ。

A病院は女医の出産・育児への対応も手厚く、希望すれば病棟を持たず、オンコールも当直もなし、という働き方も可能。もちろん院内託児所も完備している。しかし、出産後もキャリアを継続しやすい制度が整備されたのは、つい最近のことだという。

「女性医師にとって働きやすい環境を整備する病院は、ここ数年増えています。去年までなかった制度が、今年できることもありますし、今回のようにエージェントからの提案で、募集が出ることもあります。我々のようなエージェントを利用することで、今回のように思わぬ道が開くこともありますので、公開されている情報だけを見て、諦めないでほしいですね」。

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エージェントの魅力は圧倒的な情報量
勤務後のライフプランが立てやすいメリットも

初めてエージェントを利用した感想を塩味先生に伺うと、「まず情報量が圧倒的に違います。エージェントを介することによって、自分では知り得ない情報がもらえるのは大きな魅力です。

候補を絞るまでの時間が、わずか1日という速さにも驚きました。もう一つの大きなメリットは、勤務開始後の状況が聞けるということ。将来的には子どもも欲しいので、子育てと仕事の両立を後押ししてくれる制度があるかなどの情報に関しても、事前に知ることが出来て安心しました」。

今後の目標は「まずは、専門医資格を取ること。もし子どもができても、仕事と家庭を両立して大好きな皮膚科の仕事を長く続けていけたらと思っています。

例えば、お子さんの皮膚トラブルって、小さいことでも心配になってしまうと思うんです。皮膚科の専門医として、ママたちの不安や疑問を解消できるような情報を、自分の言葉や文字で発信できたらうれしいですね」。

仕事か子育てか、どちらか一方ではなく、自身のライフスタイルの変化もプラスに生かしながら、仕事と家庭の両立をめざす塩味先生。

「大学でも今の病院でも人に恵まれ、私は本当に運がいい」と優しい笑顔の一方で、「思いついたら即行動!常に動いていないと死んでしまうタイプ(笑)」という、スーパーポジティブな行動力も持ち併せている。

成功する転職の鍵は「タイミングと縁」という言葉をよく耳にする。塩味先生の場合も、流れにうまく乗っているように見えるが、タイミングや運を引き寄せているのは、塩味先生自身の行動力と人間力なのかもしれない。

塩味由紀(しおみ・ゆき)先生
1985年生まれ。埼玉医科大学卒業後、埼玉医科大学国際医療センター、埼玉医科大学病院に勤務後、2015年~2017年3月まで神奈川県内の病院に勤務。

文/岩田千加

☆Column☆ 

ワコールHIコレクションの人気シリーズを
塩味先生が試着♪

女医たちの声をもとに生まれた『ワコールHIコレクション』のドクターズコート。joy.netパートナーの先生の間でも人気のシリーズで、実際の着心地を塩味先生に試していただきました。

 

「細身に見えますが、実際に着てみるとストレッチがきいていて、すごく動きやすい。シルエットがきれいなのでスタイルがよく見えます。袖口が邪魔にならない七分袖でポケットも大きくて使いやすそう。普段の外来はスクラブ姿ですが、このドクターズコートならスクラブのラフさと白衣のフォーマルさ、両方の利点を満たしてくれる気がします」(塩味先生)

 

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