
女医の婚活戦略~東京五輪までに結果を出せ~
第3回 フェイスブックに学ぶSTEM戦略:麻酔科医・筒井冨美
第3回 フェイスブックに学ぶSTEM戦略:麻酔科医・筒井冨美
大反響を呼んでいる麻酔科医・筒井冨美先生の婚活戦略の第3回目。今回は若き大富豪・ザッカーバーグの結婚から見えてくる“奥の手”がついに明かされます。
目指すのは2020年までに結婚。あわよくば出産までたどりつき家族で東京オリンピック観戦も夢じゃない!?
成功までのプロセスを緻密なデータをもとに解説していきます。
フリーランス女医が教える 女医の婚活戦略
第1回 ステージ分類とトリアージ :麻酔科医・筒井冨美
女医の婚活戦略~夫候補=医者は正解なのか~
第2回 非対称性という不都合な真実:麻酔科医・筒井冨美
病院内に限定すれば、婚活において女医は余りがちである。
しかしながら、理系分野全般に視野を広げてみれば、まだまだ「男性数>女性数」でもあり、「リケジョ」としての希少性を発揮できる。
理系男性が好発する「エクスポネンシャルにやる気が減った」のような一般女性をドン引きさせる会話も、何となく見当がつく。
本稿は、病院内の婚活に限界を感じる女医に向けて、非病院関係者との婚活に向けてのアドバイスを示し、中でもSTEMと総称される理系男性とのマッチングを推奨するものである。
1.女医×STEM男の出会い
STEM(ステム)とは2000年頃の米国で生まれた、主に高等教育の分野で「Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)」を総称した用語である。
S | Science | 科学 |
T | Technology | 技術 |
E | Engineering | 工学 |
M | Mathematics | 数学 |
医大受験経験者でもある女医は、おそらくは高校時代は進学高の理系クラスに属し、また理系科目対策のある予備校に通った経験があるだろう。
また女子高出身者でも、医大男子同級生に頼み込めばSTEM男との合コンをセットアップしてもらうことも可能なはずだ。中学受験の塾仲間まで遡れば、女医がSTEM男と出会うチャンネルは案外多いのである。
「女医×STEM男」のカップルで、世界で最も有名なのはおそらく、フェイスブック創業者のマーク・ザッカ―バーグ氏とプリシラ・チャン医師だろう。
マークはフェイスブック社の株式公開によって「総資産6兆円、世界6位(Forbes誌2016年ランキング)」といわれる財産を築いたが、プリシラは今なお小児科医として働いているそうだ。
二人はハーバード大学部生時代に出会い、マークは工学部中退後にフェイスブックを創業し、プリシラはメディカルスクールへ進学した(米国では、大学卒業後に4年制医大に進学するのが一般的)。9年間の交際を経て2012年に結婚し、2015年には娘を得た。
マークの公開されたフェイスブックページでは今なお仲睦まじい夫妻の様子がうかがえる。最近も、原油掘削用ドリルをプリシラ同伴で見学に訪れており、こういうマークのgeek(オタク)な趣味に付き合えるのも、リケジョたるプリシラの強味だと私は思う。ドナルド・トランプ氏の歴代夫人タイプには、絶対に真似できない技である。
日本でも、2006年放映のドラマ「結婚できない男」(フジテレビ系)は、アラフォー女医×建築家のカップルだし、2011年の朝ドラ「梅ちゃん先生」(NHK)は「男性医師と交際するが破局し、幼馴染の鉄工所経営者と結婚」というストーリーである。
女医×STEM男のロマンスは、既にテレビ化されているのだ。
2.「東京オリンピックまでに結婚して、子供が欲しいんです」
現在放送中の人気ドラマ「東京タラレバ娘(日本テレビ系)」は、婚活をこじらせた30代独身女性の生々しい生態を描いて、話題を集めている。
登場人物の一人は、「東京オリンピックまでに結婚して、子供が欲しいんです」と結婚相談所で宣言するが、自分をセカンド扱いする売れっ子バンドマンの元カレを損切りできない。
連載第1回で述べたように、このような行為は婚活戦略としては時間リソースの単なる浪費であり、「フェードアウト→次に行く(第1回参照)」戦略が推奨される。
結果を出せる婚活戦略に必須なのは「若さ」や「美貌」ではなく、「転んでも笑われても、決心したことは何が何でもやり抜く」という強靭な意志と実行力なのである。そして、医大入試という激戦を勝ち抜いた経験を持つ女医ならば、「やり抜く力」は持ち合わせているはずだ。
3.結果を出すための行動集
以下の表に、有用なアクションをまとめた。
【外見】
この分野には山ほど書籍やネット情報があるので、詳細はそちらを検索していただきたい。このレベルのアクションは、巷の女性達が20才前後にクリアしている課題だが、未体験の女医は試す価値がある。
数千円のメイクレッスンは山ほどあるし、マスクを着用する時間が多い女医は、特に眉メイクを教わることをお勧めする。
ブラジャーも学生時代と同じサイズを漫然と買い続けるケースを散見するが、年に1度はちゃんと専門店でフィッティングした上で、現在の体形にベストなものをプロに選んでもらうべきである。
「毛染め・まつ毛エクステ・ネイル」は、派手になり過ぎない範囲に留めるか、むしろ止める方が婚活には有用である。
雑誌25ansのような「シャネルスーツにルブタンの靴」よりも、Comoあたりの「ノーブランドだが、清潔感がある穏やかな服(女性目線ではちょっとダサい)」の方が、妻候補ファッションとして男性受けすることを認識すべきである。
また、新着の勝負服(特に靴)をいきなり勝負デートで使用することは、お勧めしない。あらかじめ女子会やウインドーショッピングで「予演」しておき、着慣れてから本番に臨むことが推奨される。
【チャンスを広げる】
出会いの窓口は広ければ広いほど、婚活成功率を上げる。SNSの、Facebook、LINE、twitterなどいずれもタダでアカウント開設できるし、当直中でも婚活が可能になる。
特に男性医師のFacebookは、「東工大や早慶理工卒」などのSTEM男と出会うハブになる。男性医師が既婚者でも二次的出会いを期待して、感じのよいメッセージを残しておこう。
また、ワインスクールやマラソン同好会など、院外での出会いが期待できるサークルも、何か始めてみよう。近くに会員制図書館があれば入会して、専門医試験などの勉強はそういう場所を利用してみよう。そして、同窓会やオフ会は可能な限り参加すべきである。
「病院と自宅の往復だけでヘトヘト」という女医は、大学院進学も検討すべきである。清貧生活を余儀なくされて一般女性に敬遠されがちな、博士課程~ポスドク研究者と出会うチャンスとなる。
また、病院勤務医よりも自由な時間が取れるので、婚活する時間や心のゆとりが増える。たとえ、出会いはなくても、少なくとも博士号はゲットできる。
あるいは、留学も検討すべきである。異国の日本人同士だと「日本語が通じる」というだけで、「この女性はボクを解ってくれる」という錯覚に陥りやすく、「素麺を茹でて、市販のつゆと海苔を添える」レベルで「料理上手!」と感動してもらえる。あるいは、ターゲットを外国人まで広げれば、「30~40代日本人女性の需要」は実はとても多い。
【行動の変容、初対面の人と話す練習】
出会いのチャンスを増やすには、「初対面の人と会話」スキルを磨くべきである。「話し上手な優良案件」は殆んど売約済(あるいは結婚には不向きな遊び人)と推測できる。医者を5年以上やっていれば会話スキルはソコソコ上達しているはずなので、III期(30歳~)以降の女医は「話下手な優良案件(特にSTEM系)」にアプローチすることが効率的な婚活戦略となる。具体的には
~初心者~
まずは、男性店員などで練習する。
パソコン、オーディオ、文具など男性がハマりやすいジャンルの店で男性店員に
「このスマホと接続するスピーカーを探しているんです」
などと話しかけて、男性店員の説明を聞き
「そうなんですかぁ」「知らなかった」「なるほど」
と相槌をうって数分間、楽しい会話の練習をする
~中級者~
実際に、見知らぬ妙齢の男性に声をかけてみる。
・エレベーター前で
「なかなか来ませんね」
・新幹線は自由席(B席がベスト)にして、周囲の席の人に
「すみません、シート倒して良いですか?」
~上級者~
中級に加えて、数分間会話する。
・空港のラウンジで、男性の手にしたドリンクを見て
「それ美味しそう、どこにありますか?」
・学会でノートパソコンを持っている男性に
「wifiの設定をご存知ですか?」
「1日1人は、知らない男(店員でも可)に話しかける」をノルマにしよう。地道にトレーニングを積んで、「今日は暖かいですね」レベルのことを初対面の男性にサラリと言える体質になろう。「あの外見で、なんで男が途切れないの!」と、女子会でやり玉に挙げられる女は、実はこういうタイプが多い。
【自分を管理する】
効率的に「出会い→交際→トリアージ→成婚or次に行く」サイクル(第1回参照)を廻すためには、自分なりの時間管理ガイドラインを設定し、それを厳守することが推奨される。
「交際開始後3ヶ月は親睦に努めるが、その後3ヶ月の間にトリアージを試行して、男性から成婚サインがなかったら、6ヶ月以上は交際しない」というガイドラインを設定した場合、「親を紹介(第1回参照)」「賃貸住宅の更新」「遠方の病院への転勤」「海外留学を検討中」などが、トリアージの手法として有用である。
また、ガイドラインを厳守してダラダラ交際を回避するためには、日記などの記録が有用である。「そろそろ6ヶ月だから、フェードアウト体制かな」など厳しく自己管理に努めたい。
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4.結果を出すためのNG集
下記の表に禁忌アクションをまとめた。
【プライドは捨てる】
最初に捨てるべきはプライドである。特にIII期(30歳~※)以降の女医は「選ぶ側」ではなく「選んでもらう側」であることを自覚した、謙虚な姿勢が望ましい。
【皮肉・妬み・嫌味】
とはいえ、「謙虚」≠「卑屈」でもある。「私なんかダメ」「オバサンで悪かったわね」「男の医者はいいわねぇ~」的な発言は女性を老けて見せ、ますます出会いの確率を下げてしまう。こういう発言は封印するか、せめて女子会などに限定すべきである。
【ジャマする人間は距離を置く】
婚活に向けて動き出したとたん、掌を返すように「あんなにガツガツしなくっても」「よくやるよねぇ」的な発言をする女友達が出現するかもしれない。
残念ながら、彼女は本当の意味での友達ではなかったのだ。真の友ならば、静観するか、あるいは(同世代の独身女性ならば)「一緒にオフ会に行こうよ」と戦友になってくれるはずである。
「最近、付き合いわる~い」と女友達に言われたら、一度だけ「私どうしても、結婚したいの」などと真剣に告げて距離を置こう。
彼女が応援に廻ってくれるならば、交友関係を再開すればよい。また、ひたすらジャマするお局様に対しては、反論ではなく婚活で結果を出すことこそが、最大の逆襲になる。
【「落ち込むヒマ」「追憶にふける」「占い」よりも次へ行く】
何度も繰り返すが「婚活の最大リソースは時間(特にIII期以降)」である。
見合相手が生理的に受け付けなかったり、思い切って参加したパーティーで邪険にされたり、職場の飲み会でも若ナースばかりチヤホヤされたり…と、努力しても有効な出会いがなく婚活がしみじみ虚しくなる日もあるだろう。
しかし、「凹む」「追憶にふける」「恋愛ゲームで妄想」のは単なる「逃げ」であり、時間リソースの浪費である。悔しければ、それをバネに前へ進むべきである。
家に閉じこもって恋占いするヒマがあるなら、SNSに何か書き込むべきである。「パワースポット」をめぐるヒマがあるなら、話題の映画にでも出かけて、その感想をSNSでシェアすべきである。
今日という日が一番若い。あきらめたら、それで終了なのである。
5.チリも積もれば山になる
主な出会いチャンネル別の成婚率を表にまとめた。
High群 | ありとあらゆるチャンネルを活用 |
Middle群 | 親の勧めるお見合い、趣味のサークル、常連の店一つ、ネット |
Low群 | 職場の飲み会と、たまにネット |
成婚率において「最強チャンネル」といわれるお見合で、せいぜい10%であり、失敗率90%である。その他のチャンネル、0.02~1%レベルの成功率であり、各イベントは「ダメ元」的な成功率であり、空振りしても凹む必要はないことを理解すべきである。
上記の表において、婚活に積極的なHigh群、中庸のMiddle群、消極的なLow群について、3年間の成婚率をシミュレーションした。
1年あたりの成婚率はH群:38%、M群:19%、L群:4%と試算された。3群における成婚率の推移を、下記のグラフにまとめた。2017年に婚活を開始して、オリンピックまでに成婚する確率は、H群:76%、M群:47%、L群:12%であった。
【結語】
古代アテネのペリクレスは「貧しいことは恥ずべきことではない。しかし、貧しさから脱しようと努めず、安住することこそ恥ずべきことである」と述べた。婚活も「出会いがないことは恥ではない。しかし、出会いがないことから脱しようと努めず、安住することこそが恥」なのである。
婚活とは「ダメ元のイベント」×「塵も積もれば山となる」的なアクティビティである。医大入試という激戦で鍛えた「やり抜く力」を発揮し、成功までチャレンジし続けることが、女医の婚活戦略として推奨される。本稿を参考に、一人でも多くの女医…いや女性が、2020年の東京オリンピックをパートナー(さらにベビー)と共に観戦できることを、祈念している。
■筒井冨美(つついふみ)先生
1966年生まれ。地方の非医師家庭に生まれ、某国立大学を卒業。米国留学、医大講師を経て、2007年より「特定の職場を持たないフリーランス医師」に転身。本業の傍ら、メディアでの執筆活動や、「ドクターX~外科医・大門未知子~」(テレビ朝日系)「医師たちの恋愛事情」(フジテレビ系)など医療ドラマの制作協力にも携わる。
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\筒井冨美先生の新作/ 100以上の病院を渡り歩いた現役の麻酔科医が医師、病院の真実の姿を切り取った作品。「白い巨塔」と言われていた医師のピラミッド構図の変化、大学病院の裏側、働き方など、医療現場の実態が鋭く描かれている。
\これまでのヒット作品/ 「よい病院や医師の見極め方、痛い目に合わないための医療とのつきあい方」を指南した一冊。「学閥」「専門医制度」「外科医と学歴」「医師たちの恋愛事情」など多角的なアプローチで医療業界を分析。さらにワーキングマザー「女性活用」や「保育園問題」についても本音を語る。 |
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