32f1a2a8 0a9b 4a95 bc1c b970b2d2edf7子ども・暮らし
2015年08月11日

小学生向けがん教育プログラム
「がんを知ろう!帝京サマースクール2015」に潜入!

帝京大学が毎年夏に行っている、小学生向けがん教育プログラム「帝京サマースクール」をご存知でしょうか。募集開始とともにあっという間に定員に達するという人気のプログラム。3回目となる今年は、帝京大学医学部&附属病院のある板橋区を中心に、都内各地の小学校から集まった小学5~6年生58名が参加。がんという病気のあれこれについて学ぶ夏の一日は、子どもたちの熱気に包まれました。

家族に今日習ったことを教えたい―――

「今回はとても勉強になりました。とくに、体験実習では、とても楽しみながら必要な情報などがどんどん入り、実際の機械なども分かりやすく覚えられました。とてもいい経験になりました」

「(みなさんへ)いろいろなことを教 えてくれて、ありがとうございました。これからもがんばってください。わたしはしょうらい医者や人のために仕事をしたいです。人のやくに立ちたいです」

「初めて大学の中をまわってとても広くておどろきました。私の夢はかんごしなのでこのけいけんを生かして、もっとかんごしになりたいという思いが強くなりました。そして今まで以上にがんのことをよく知りました」

「いろんな治療室を見ることができて良かった。また、その度にくわしく説明してくれてわかりやすかった。とても楽しく、あっという間でした。しょう来は、医者や、人のために、役立つ仕事につきたいです」

「今まで病院を見学することはなかったけど、この帝京サマースクールで病院をまわったら、とても広くて、びっくりしました。がん細胞を見て、少し気持ち悪かったけど、良いけいけんになりました。父親がたばこをすっているので、少しずつでもたばこをひかえてもらい、そして、たばこを止めてもらいたいです」

「明日から、私たちにできる事はガンの人に安心させてあげたり、笑顔にさせてあげてかん者さんがほっとするようになります。それは私たちもできる事なので取りくみたいです」
(帝京がんプロフェッショナル養成基盤推進プランホームページ1)より)

以上は、サマースクールを終えた子どもたちから寄せられた感想の一部。サマースクールに参加したことで、子どもたちの意識が変わり、将来の行動へとつながっていく―――日本人の2人に1人ががんに罹る時代、国民病とも言われるがんについて、子どもたちが適切な知識を得ることの意味は、多くを語るまでもなく子どもたちのこうした声が物語ってくれています。

自分の目で見て確かめて、体験して帰る

まずは、「日本人の何人にひとりが一生のうちにがんになるでしょうか?」という質問から始まったオープニングレクチャー『がんのことをもっと知ろう』。がんという病気のことや検診、予防などについての講義のあとは、「病理」「外科」「内科」3つのチームに分かれての体験学習です。帝京大学薬学部や看護学部の学生たちに引率されて、緊張した面持ちの子どもたちも、各部屋での体験が始めると、皆集中!熱心に取り組む様子が印象的でした。

「病理」の部屋では、早期胃がんのがん細胞とがんではない細胞を顕微鏡で見比べてスケッチ。「癌でない粘膜には、すき間があいていたけれど、癌の粘膜には、すき間がなくて丸い形の細胞も異常に多くて、奇形の物もあった。もしかしたら癌細胞が増えすぎてすき間がなくなっているのかなと思いました。遺伝子が異常になる原理などに興味を持ちました」なんて声も!

「外科」の部屋では、本物の手術着をまとった子どもたちが、逆さにしたプラスチックのかごに紐で結びつけたストラップなどをがんの塊りに見立てて、腹腔鏡で実際に切る体験を行いました。「難しい・・・」と悪戦苦闘しながらも、必死の子どもたち。サポート役の大学生スタッフに励まされながら、皆、任務完了です。

「内科」の部屋では、聴診器で呼吸や心臓の音を確かめたり、血圧を測ったり。からだを診察するだけでなく、患者さんのからだのつらさに加え、心のつらさに寄り添うことの大切さ、さらには医療者といったプロだけでなく、「わたしたちにできることはなんだろう?」と一人ひとりが考え、みんなが“助ける人”になれるということを学びました。

病院って広い!午後のプログラムは、病院ツアー

管理栄養士さんが考えてくれた栄養たっぷりの昼食(夏野菜入りチキンカレー、カラフル野菜スティック、フルーツゼリー)を皆で食べたあとは、午後からのプログラムに突入です。

午後は、手術室・化学療法室・放射線治療室と病院ツアー。手術室には安全を守るためにたくさんのスタッフがいます。機械も精度をあげるダ・ビンチから手術の途中で目が覚めたりしないよう眠りの深さを見守ってくれるモニターまでありました。化学療法室では、入院しなくても抗がん剤(くすり)の治療ができます。放射線治療はがんだけに放射線が集中する工夫がされるようになり、横になっているうちに治療はおわります。「手術だけでなく、放射線や薬の方法があると知れて、体験もできて、楽しかった」と、がんの治療について学び、日々新しい治療法が開発されていることを体験しました。そして、がんと向き合う上で重要な役割を担う緩和ケアについても学びました。

クロージングレクチャーでは、一日を振り返って、自分たちにも日々できることを再確認。最後は、一人ひとりに修了証書が手渡されました。

子どもたちにがんについて知ってもらおう、医療の現場を体験してもらおうと、忙しい合間を縫って、サマースクールの実現に尽力された先生方、学生、スタッフの方々にも大いに拍手を送りたい、充実のプログラム。多くの子どもたちに体験してほしいサマースクールです。

1)「帝京サマースクール2015」HP
http://www.teikyo-ganpro.jp/activity/news/2185

■文 今村 美都

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