43954f4a 8cfc 4eb9 87f5 2699259f2e91連載・コラム
2017年04月05日

Dr. ミナシュラン!
第8回 私、専業主婦になる(前編)

長く続いた僻地勤務が終わり、さてどうしようかというところでグッドタイミングの妊娠発覚! 晴れて専業主婦生活 in 台湾がスタートするが……。理想と現実のギャップに困惑しながらもDr. ミナシュランがハマったものとは?!

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第8回 私、専業主婦になる(前編)

自治医大を卒業後、9年間の僻地勤務の義務があと数ヶ月で終わろうとしていた。 

9年間は県の人事で、言われるがままに地域の病院や診療所に勤務していたが、ここからのキャリアは自分で決めなければならない

だいたい7年目ぐらいになるとみんなソワソワし始め、大きな病院に戻る者、僻地に残る者、大学院へ進学する者、放浪の旅に出る者、など、選ぶ進路は様々である。

 (「放浪の旅って!」とお思いかもしれないが、複数人の身近な先輩が、義務年限の後に約1年間の旅に出られている。確かに、一旦仕事が途切れるからこそ可能なプランかもしれない! 若い時にたっぷりと時間をかけて世界を歩く。そんな、やろうと思っても後回しにしてしまいがちなことを実行された先輩方には感服したし、改めて「自分は何をしたいのか」を自由に考えるヒントになった気がする)

私はと言うと、大学に戻って勉強したいという気持ちがあった。しかし台湾人皮膚科医の夫と国際結婚した後6年間の別居状態が続いていたので、そろそろ一緒に住みたいな、という気持ちもあったり、なかなか進路を決められないでいた。

そんな中、私の進路を決めてくれたのは……、お腹に宿った新しい命だった!

 「これから出産、育児……となると、仕事はしばらくお休みかー。
  それなら、台湾に住んでみよう!」

かくして私は、地域の診療所を円満に退職し、台湾に住むこととなる。

さて、初めての海外生活!

仕事もしなくて良いし、美味しいものもたくさんありそうだし……!

しかも、妊娠中は、中期でも普段より+200kcal分たくさん食べられる!
後期になれば、+450kcal!!
さて、何食べよう〜!

と、ウキウキしていたのも最初の数日のことだった。

「台湾は日本ほど安全じゃないし、身重の体だから、あまり一人では出歩かないでね」

と言われてしまったのである。

そして、晴れて皮膚科医としてのキャリアを積み上げつつあった主人は多忙で、やっと一緒に住み始めたはずなのに、私はなんだか、一人だった。

あれ、想像と違う…… 

仕事のない日々というのが、こんなに退屈なものだとは!

日本語で誰かと話せない毎日というのが、こんなに寂しいものだとは!

(不思議なことに、この頃、とてもストーリー性のあるはっきりとした夢を見ていた。そして、夢から覚めても夢のことをよく覚えていて、しばらく夢の世界観のなかに浸っているような状態だった。

妊娠で変化したホルモンの影響なのか、寂しさの影響なのか、あるいはただ寝すぎていたからそう感じたのかは定かではない。家に閉じこもる毎日、夢の中で古い友人に会えるのが嬉しくて、その頃私は「夢日記」をつけていた。「孤独か!(笑)」と突っ込まれそうなところであるが、ある時この話を友人にしたら、「平安時代の女性もそんな感じだったのかもね」という指摘を頂いた。なるほど、と思い、平安時代、自由に出歩けなかった貴族の女性に自分を重ね合わせてみるとなんだかロマンチックな気分にもなるが……、やっぱり、夢よりは現実で、自由に歩き回りたい!

 ともかく、どうにかして外出する大義名分が欲しかった私は、語学学校に通うことにした

「これから台湾で円満にコミュニケーションが取れるように、語学学校に行ってきまーす!」

と言って勝手に学校を選び、すぐに通い始めた。

といっても、授業というよりは、授業の前後にクラスメイトとおしゃべりしたり、行きや帰りに美味しいものを食べることに主眼があったのは、ご想像の通りである(この頃ハマったのが、アフタヌーンティー小籠包である!)。

この語学学校のクラスメイトというのもまたバラエティに富んでいて面白かった。

授業と関係ない私語を英語でし続ける米国人や(私は中国語のレッスンを受けているのか、英語のレッスンを受けているのか、よく分からなかった)、恥ずかしがり屋で全く発言しないブラジル人、授業中に「今日は、ミャンマーのお化粧について説明します」と、おしろいを作るための木を持って来て実演し始めるミャンマー人など、思い出すだけで楽しかった。

>>後編に続く

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プロフィール:Dr.ミナシュラン

四国生まれ、総合医。食べる事が好きで、本名「みな」とグルメの「ミシュラン」を掛けて「ミナシュラン」と呼ばれている。自治医大を卒業し、四国の地域医療に9年間従事した。台湾人医師と国際結婚し、妊娠を機に台湾に移住する。中国語はメキメキ上達し、レストランでのメニュー読解と注文は完璧にこなすが、夫へのLINEはほぼ日本語である。その他の情報は徐々に明らかになる予定。


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