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2017年04月14日

世直し産業医さくらの「さすらい日記」
第1回 産業医、はじめました。

世直し産業医Dr.さくらの連載がスタートします。内科系後期研修医から産業医の世界に飛び込んだDr.さくらは、企業をさすらい、職場改善に奔走。ストレスチェックの義務化などで必要性が高まる産業医のリアルな現場を伝えていきます。

第1回 産業医、はじめました。

始めはお金目当てでした。自分でもこんなにはまっちゃうなんて思いませんでした……。男の話じゃありません(笑)。産業医の話です。

今日は月曜日。銀座で購入した紺のスーツに身を包み、ANTEPRIMAのビニール製の黒キルティング生地のバックに、3年間愛用しているノートパソコンを入れ、企業に向かいます。わたくしの名前は産業医 Dr.さくら。

今でこそ株式会社を設立し、十数社以上の企業の産業医をしているわたくしですが、そもそも、産業医を始めるきっかけはお金目当てでした(笑)。

こんな風に話を始めると、いまだ聖職者意識の強い先生方には「えー、信じらんな~い」と言われてしまいそうですが、十云年前は、わたくしも、それこそシガナイ大学病院の内科系後期研修医でした。当時、1か月間、朝早くから夜中まで働いても、夜中何度、急変で呼び出されようとも、なんと給与は額面12万円……。

研究熱心であった、当時の医局、教授に対して「いやいや、これでは生活できませんわぁ~」と内心、ツッコミ入れておりました。

医局でも割のいいバイトは教授、准教授……と上の職位の先生や家庭を持っている先生へ優先的に回され、「白い巨塔」ピラミッドの末端にいるわたくしまでは回ってこない……。

なけなしの貯金はどんどん減っていくし、医学部卒業のため仕送りしてくれた両親に今更泣きつくわけにもいかず、都内のマンションで一人暮らしのわたくしにはなかなか厳しい給与額。

割がいい3次救急病院の当直、往診バイトなどなどバイト漬けの毎日でなんとか生活はできるものの、身体はクタクタ、気持ちも身体も疲労するばかり。(その当時の手帳を見ると、1か月の休みが半日。今思うと、大学医局こそ超ブラック企業じゃん……)

毎晩毎晩夜中まで、医師転職サイトで「割りのいいバイトはないか~」とネットサーフィンしていると、ふっと目に留まった「産業医案件」

1年前に先輩に紹介され、夏休みに北九州市にある産業医科大学まで行って、取得した日本医師会認定産業医の資格の存在をふっと思い出しました。

背に腹は代えられぬわたくしは、医局には内緒でその医師転職サイトの産業医案件に  申し込んでみました。数日後、その後の運命を変えるといってもいい面接日時の連絡メールが来たのです。

そして、指定された日に、恵比寿にあるオフィスに向かいました。駅から徒歩10分のところにある、古いビルの5階のワンフロアの一角に、産業医エージェントがありました。

そこで20代の女性と40代近い貫禄のある女性2名との面接が始まりました。最初に、メールで指定のあった、医師免許証、産業医の認定証のコピー、履歴書をお渡しました。

2名の女性は気さくな感じでお話をしてくれましたが、それまで、大学を卒業してなんとなく医局に入ったわたくしには、企業での面接は全く初めての経験。「もしかしたら、騙されてる!?」という不安とドキドキが入り混じった思いがこみ上げてきました。が、もうコトは動き出している。後には引けないわけです。

そんなドキドキのうちに10数分間の面接が終わり、最後に「では、さくら先生にぴったりの企業があります。企業担当者と打ち合わせして、後日、さくら先生にメールでご連絡しますね」という40代近い女性の話に、わたくしもただただ「よろしくお願い致します」というのが精いっぱいでした。(10年後にわかるのですが、この40代近いと思っていた女性、実はわたくしより1歳年上であったのでした、そして、これも後にわかるのですが、このエージェントは大変医師思いの良い会社でした…)

そして、後日、メールが届き、記念すべき産業医第1社目が決定しました。

この時は、それから、株式会社を設立するまでに至るまで産業医の仕事にはまっていくことになるとは夢にも思いませんでした。

きっかけはお金…という、意外と邪な気持ちで始めた仕事が、新しい世界を見るきっかけをつくり、その後、病院以外のいろいろな人々と出会い、助けられ、10年以上もの長きにわたり続けられる仕事になりました。本当に人生って面白い。

近年、一般企業でも副業解禁となり、時代が自分についてきたのかもって思っているわたくしの連載『世直し産業医さくらのさすらい日記』が始まりますので、どうぞ、お茶のおともにでも、ご愛読ください。

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Dr.さくら

大学卒業後、内科系医局に入局後30歳で産業医デビュー。2企業からスタートし、病院の外来、専門領域の専門医・指導医資格取得の勉強などと並行しながら、産業医としての経験を積む。指導医資格取得後も大学と産業医の仕事を両立させ、現在は10数社と契約。1児の母。

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目指すのはフリーランスという働き方。