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2017年05月08日

世直し産業医さくらの「さすらい日記」第2回 名刺交換って、どうやるの?

 どんな事柄にも“初めて”はあるもの。振り返ればDr.さくらにも産業医デビューの日がありました。病院の外来では冷静なのに、初の企業訪問はドキドキ、ソワソワ。社会人としてのお作法にも困惑した忘れられない1日。
        

月1回のアルバイトからも可能!      
働き方改革」で求められている産業医の道。考えてみませんか? 
     
  

第2回 名刺交換って、どうやるの?

応接室ではどこに座るのが正しいの? 名刺の渡し方って? 担当の方の前でうまく話せるかな……。何もかもが初めてなのにどうして誰もなんにも教えてくれないんだろう(泣)。

30歳の初体験――。産業医デビューの時の話です。

みなさま、こんにちは! 産業医さくらです。

前回、わたくしの産業医にいたるまでの道をお話しましたが、今日は初めて企業を訪問した時のことを回想していこうと思います。

そう、あれは忘れもしない、よく晴れた4月の春の日でした。午前中は大学病院病棟で勤務。慌ただしく入院患者の回診、指示書きやカルテチェックをしておりました。午後1時を回ったところで、病棟用のえんじ色のスクラブに白衣を羽織った勤務医姿から年季の入った白シャツ、黄色のカーディガン、ユニクロのベージュのチノパンに着替えたわたくし。

近頃の女医のイメージといえば『外科医 ドクターX 大門未知子』ですが、きらびやかさなど1ミリもない装いで産業医エージェントの方との待ち合わせ場所、恵比寿に到着。

時間ギリギリで汗だくで到着したわたくしに、春色のスーツでビシッと決めた女性コーディネーターは優しく微笑み「では、さくら先生、行きましょう」と爽やかに声を掛けてくれました。そして、春色スーツの女性に連れられて、いざ美容系商品を扱う企業さんをご訪問。

さすが、意識高い系女子をターゲットとしている企業だけあって、白亜の外壁に包まれた立派な本社ビルでした。受付嬢2名も非常に感じがよく、とっても美人。女のわたくしでもうっとりするくらい。

受付嬢、コーディネーターさんの案内に従い、ドナドナの仔ウシのように黙って後をついていくわたくし。「では、さくら先生、どうぞ」と応接室に案内され扉を開けると、立派な金色の額縁に入った、真っ白な薔薇の絵が目に飛び込んできました。

美術の教養が中学レベルのわたくしでも、ええ、ええ、わかりますとも。一瞬にしてその絵が高価であることが! そして、お部屋の中央にあるのは、大理石の円卓と4つの革張りのソファ。

そこが社内で最も豪華な応接間であることは一目でわかりましたが、はてさて一体どこが上座なのか。
そして、どこに座るのが正しいのか、わからない(汗(-_-;))

内心「うーんと」と思い悩み突っ立っていると、コーディネーターさんが笑顔で「さくら先生はこちらでしょうか、荷物はお隣の席へどうぞ」と卒なく誘導してくれました。

そんなナイスな助け舟に感謝と安堵を覚えました。ソファに座って出されたお茶をすすり、しばし待っておりますと、50代前半のスーツ姿のシュッとした男性が颯爽と入ってきました。そして、手にはBVLGARIの名刺入れ。

「ええ~めっ名刺ですかあ~」とまたも内心、大声で叫んでいました!!!

 今でこそ、さくら色の産業医の名刺を作っておりますが、そのころは何せシガナイ後期研修医……。産業医としての名刺はどころか、医者の名刺も作っておりませんでした。

秘かに「いや、参ったな」と冷や汗をかきかき、どうしようと思いましたが、ここまで来てしまってはどうしようもない。いざ、にこやかにほほ笑む男性のBVLGARIの名刺入れから、お洒落な企業マークがデザインされた名刺を1枚頂こうとしましたが「そういえば、名刺ってどうやってもらうんだっけ?」と頭の中は?マークでいっぱい。

とりあえず、軽くお辞儀をして、両手でもらえば丁寧な感じっかな~~~っと思い、受け取ってみる。相手の男性も違和感なく差し出してくれて、ほっと一息。その後、コーディネーターさんも名刺交換して、ソファにみな着席。

一通りのご挨拶、自己紹介を終えて、その日から、第1回衛生委員会に出席することになりました。まず、衛生委員会委員長の挨拶。衛生委員長は先ほどのBVLGARI男子です。

その次に、産業医さくらの紹介、そして、問題の産業医講話となりました。

わたくしにとって、初めての衛生委員会に出席するということで最初こそ少し緊張しておりましたが、事前にコーディネーターさんが準備しておいてくれた資料をベースに、最新の医学知識を踏まえ、医局でのプレゼンのごとく、学会発表のごとく、調子に乗って得意気に話してしまいました。

う~ん、これが非常にまずかった。

衛生委員会の場は水を打ったように静まりかえり「……」という空気で、衛生委員会メンバーがぽかんとした顔。質疑応答もなく、衛生委員会終了となりました。

帰り道の電車で隣に座ったコーディネーターさんが一言。遠慮がちに「さくら先生のお話は大変高尚でしたね。ただ、もしかするとちょっと一般の社員さんには難しいかもしれません。次回から小学生に話すように話してください」と言われてしまいました。

「えーーそれを一番最初に教えてよ~!!! なんで言ってくれないの~」
と絶叫したい気持ちでした。

今では企業でバンバン産業医講話や管理職研修をノリノリでこなしちゃうわたくしですが、最初はこんな感じで始まりでした。

仕事って場数であり、冷や汗かいた分だけ成長するってところでしょうか。来月も、面白おかしく綴っていきます……。ぜひ読んでください!

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Dr.さくら

大学卒業後、内科系医局に入局後30歳で産業医デビュー。2企業からスタートし、病院の外来、専門領域の専門医・指導医資格取得の勉強などと並行しながら、産業医としての経験を積む。指導医資格取得後も大学と産業医の仕事を両立させ、現在は10数社と契約。1児の母。

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