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2017年05月15日

院長ママのパラレルな日々
第14回 ~医局から医師会へ~

今回は大学病院と開業医、両方を知っている井上先生が、医局と医師会のメリットやそれぞれのちがいについて語ってくれました。最近、発足したての医師会系女医コミュニティは小規模ながら絆を少しずつ深めているとか♪

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第14回 ~医局から医師会へ ~

医師は常に何かの団体に所属しています。医局、学会、そして医師会……。 

私は大学6年で父を亡くし、その後父のクリニックを存続させるために、卒業と同時に地域の医師会に入会しました。開業医が医師会に必ず入らなければいけないという決まりはありませんが、父は地域医療に力も入れていたし、医師会にはお世話になっていたので、クリニックのために、すぐに医師会へのあいさつ回りが始まったのです。 

院長不在のクリニックを地域の先生方も気にかけてくださり、明らかにひよっ子だった24歳そこそこの、父を亡くしたばかりの新入会員である私に、ほとんどの方が友好的に接してくれました。しかし、あいさつ回りでは、数人の医師に父の悪口や嫌味を言われ、「君に何ができるんだ?」と冷ややかな目で見る先生も……。父は若干アウトローだったようで……(汗)。

エリアによって違いはあると思いますが、都道府県や市区町村ごとに置かれている医師会は、病院数が多かったり管轄エリアが広かったりすると何組かに分かれて機能します。私が所属している杉並区は640名の医師会員がいて、10組に分かれています。私は杉並区医師会7組……。

それぞれの組で、組長や理事が選出されており、医師会母体の決め事や区との調整、日本医師会との調整などに当たるわけです。そして組の中で係を決めて、地域の健診業務や介護保険業務、公衆衛生活動、災害時の医療提供などの業務を話し合い末端から支えます。訪問介護ステーションの運営もしています。

時に組を超えて区民向けの健康講座を行い、クリニックと病院の架け橋にもなります。スムーズな医療連携にはこういった活動もとても有用です。夜間・休日当番も医師会会員が、ほかの近隣の病院の助けをかりて回しているわけです。ワクチン流通状況や今後の動きなどの情報、法定伝染病の取り決めや診断書の書き方など、様々な話し合いがされています。

医師会に入会していないクリニックはこのような情報は得られないわけですから、やはりことがスムーズに進まないこともあるのでは? と想像できます

医師会と大学病院の医局。どちらも医師で構成される組織ではありますが、大きく違うのは医局のほうが、仲間意識というか結束力が強い気がします。昔はほとんどが附属の医学部からそのまま大学病院に勤務していました。最近は他大学出身者が増えてきましたが、同じ指導者の元、苦楽を共にしていくことで、強い絆が生まれるものです。病棟で一緒に働き、症例に関しても話し合って治療していくわけですから、仲間意識も強くなります。

医師会はそうはいきません。それぞれが所属していた医局の方針を引きずるものもいれば、医師会の中でも同門同士がさらに小さい社会を作って活動したりしています。医師会は大学病院の医局とは違い、誰かが守ってくれる所……では無い……

大学病院を去ったあとは、開業するのか、一般病院に移るのかで、その立場が少なからず変わります。大学病院に所属している間はその大学病院名が肩書になり守ってくれることもあるでしょう。上当直の時も、重症の対応では上の先生方が手助けをし、指導してくださいました。しかし、ひとたび医局を出ると、一人の医師として責任をもって行動することが求められます。医局を出た今の私は整形外科医として、整形外科領域において、地域の先生たちと連携を取りながら指揮をとることが求められているのです。

開業医は完全なる独立型であり、それぞれが自身のクリニックで職員を養って運営しているわけですから、それなりの責任感・重圧と使命感をもって働いています。そんな医師たちの集まる定例会では、時に熱い議論も飛び交うのです。そこが魅力でもあります。

最近、ラッキーなことに、同じ組の中のjoyさんたちの年が近い事が判明! ランチ会なるものも開催されました。これはとても楽しく有意義! 小さい社会の中のさらに小さな社会ではありますが、地域医療も大学病院以上の連携が取れるかも? と近頃考えています。


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井上留美子 (いのうえるみこ)

1971年東京生まれ、東京育ち。聖マリアンナ医科大学卒業・研修。整形外科学教室入局。長男出産をきっかけに父のクリニックの院長となる。日本整形外科学会整形外科認定医、リハビリ認定医、リウマチ認定医、スポーツ認定医。

 

自分の健康法である笑うことをモットーに予防医学としてのヨガに着目し、ヨガインストラクターに整形外科理論などを教えている。シニアヨガプログラムも作成し、自身のクリニックと都内整形外科クリニックでヨガ教室を行う。現在は二人の子育てをしながら自身のクリニックにて院長業務を行っている。 


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