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2015年08月31日

女性医師たちが遭遇した
モンスターペイシェント事件簿

70%近くの医師が対応経験があるという“モンスターペイシェント”(*1)。コンビニ受診に暴力、はたまたセクハラまで-。Joy.netパートナーの女性医師たちからからも多くの体験談が寄せられています。理不尽な要求で医療現場を混乱させる様はまさに・・・・・・モンスター。

タクシー代わりだけじゃない!
モンスターたちの救急車利用実態

「救急外来だと待たされるし、タクシー代がかかるからと、救急車で来院した動悸が主訴の40歳代のキャリアウーマン風の女性。色々計算してくる時点で、緊急性のある心疾患には見えない。(科目非開示)」

 

「徒歩で夜間救急受診をした患者さん、救急車が優先なので2時間ほどお待ちくださいといったら待合室から救急車を要請しだした。ちなみに2週間前から喉が痛いから風邪薬を出してほしいというとっても軽症な人だった。(緩和ケア)」

待合室からの119番とはまさかの発想。コールを受けた通信指令室の担当者もさぞ動揺したことでしょう・・・。

「日中の外来が混むから夜中に受診すると平然と来院してくる人はたくさんいます。(消化器外科)」

 

「外来の待ち時間が嫌なため早朝受診。しかも結構軽症。しっかりメイクにオシャレをしたうえでいそいそとどこかに出かけていきました。(呼吸器内科)」

 

「深夜2時に便秘気味でと受診した患者さんがいた。(一般内科)」

コンビニ受診、ここに極まれり!? 特に小児の場合、医療費無料の自治体も多いため、ちょっとした体調不良でも家で様子を見ることなく時間外に救急外来受診というケースも見られるとの指摘もありました。

医師への暴力、セクハラ
身の危険を感じるケースまで

「急患の家族が刃物を持って急に診察室に入ってきた。これ以上のピンチは今のところありません。(産婦人科)」

 

「当直時、他の先生が主治医をしている患者の家族から八つ当たり的に小突かれた。回復の見込みがないことにいら立っていたらしい。(一般内科)」

 

「研修医のころ、甘く見られて抱きつかれたことがある。(一般内科)」

 

「食事に誘われたり、ストーカー行為をされた先生もいる。(科目非開示)」

診察室はある意味閉鎖された空間。そんな中での暴力行為やセクハラは、その恐怖も想像を絶するものがあるでしょう。保安対策要員として警察OBを雇用したり、レコーダーやカメラの設置等行っている医療機関もあるようですが、まだまだその数は少ないようです。

薬の処方、医師への過剰な期待、入院の強要・・・
理不尽な要求はとどまるところを知らない

「鎮痛剤などを執拗に要求する患者。(一般内科)」

 

「抗生剤やビタミン剤を指定してくる人もいる。(一般内科)」

時には、「出せ」「出せない」の押し問答になることもあるとか。事務側から「穏便におさめてほしい」と言われ、渋々・・・・・といった経験をお寄せいただいた先生もいらっしゃいました。

「車に飛び込んだり、バイクで死なない程度に電柱に激突するなど自傷行為(?)を繰り返し、入院してくる糖尿病患者がいた。状態が改善して退院を、と話すと、入院期間を延ばすために、隠れてお菓子を食べるなどしてわざと血糖コントロールを乱し、「こんなに具合が悪いのに退院させるとはこの藪医者め!」等と暴言を繰り返し、それでも毅然と対峙すると「俺たちの入院費からお前の給料も出ているんだ、この給料泥棒!」と罵声を浴びせられた。(一般内科)」

ここまで来るとモンスターペイシェントというより詐欺・・・。こういった入院の強要については、他にも多くの医師から指摘がありました。

また、病院で医師に診てもらえば症状は即座に解決すると思っているかのようなケースもよくあるようで・・・

「受験生の子どもを持つ母親から、インフルエンザかもしれないけど学校は休めないから何とかしろと言われて困った。(科目非開示)」

 

「自分の病気の原因は何かと執拗に質問してくる患者。検査を尽くしても明らかにならないケースが多い旨説明しても納得せず、原因がわからないなら受診した意味がないと診察料を払わずに帰った。(科目非開示)」

診察料を踏み倒すこうした行為が、病院の経営危機はもちろん医療保険制度を圧迫しているわけです。厚生労働省保険局の調査によると(*2)、1施設あたりの年間未集金の平均値は4,500万円以上とか!

医師法第19条第1項により・・・

「診療に従事する医師は、診察治療の求があつた場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない」と定められているこの条項。正当な事由がない限り医師はどんな患者でも拒めません。中にはこれを盾に自分の要求を正当化するツワモノもいるとか。だからこそ、院内での対応体制の確立や対応マニュアルの整備、患者リテラシーを高める取り組みはもちろん、法制化も含めた抜本的な対策が求められるのではないでしょうか。

 

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*1 “モンスターペイシェント”に対する意識調査(株式会社ケアネット)
  ■調査方法:インターネットリサーチ
  ■有効回答数:1,000サンプル
  ■調査日時:2013年2月12日~13日

*2 未収金に関するアンケート調査報告
  (厚生労働省保険局、平成20年5月28日)

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