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2015年09月04日

女性医師アンケートから考える
医師の仕事「理想と現実」

医師を目指した理由はそれぞれ。ある人は親が医者だったから。ある人は幼ないころに祖母が亡くなったときの無力感から。またある人は、それほど意志があったわけではないが、周りにすすめられてなんとなく。きっかけはそれぞれあれど、医者になってみて、その原動力となるのは患者さんの元気になった姿や、彼らからもらう感謝の言葉(『わたしがお医者さんになった理由』より)。

だが、もちろん毎日やりがいを感じているわけではない。それどころか、思い通りにならないことの方が多いからこそ、そのやりがいが大きいのだ。

「現実は、患者さんからのクレームなどへこむことの方が多いかもしれない。医者というと、常に冷静沈着、即断力にも優れているように思われがちだけど、日々、診断に悩み、こうすれば良かったなど、あれこれ悩みながら仕事をしている。(一般内科・40代後半)」

医者という仕事の理想と現実について、アンケート(※)に寄せられたコメントを紹介しながら、女性医師としてしなやかに生きるためのヒントを探る

理想の医師とは

理想とする医師、理想的な働き方とはどんなものか。やりがいを感じるシーンに、患者さんの回復、緩和などをあげる医師が多いことから、ただひたすら、患者さんのために手を施す、患者さんやその家族と向き合い、少しでも良い方へ向かってもらう、病気や怪我を治す、それができることが、理想の姿の一つだろう。さらに、そのことによって自分も達成感や幸福感を得られ、あるいは手技を身につけられること、ただの自己満足に終わらず、患者さんや同僚、上司、家族にも評価されること…。ところが現実は…。

「患者さんの症状緩和をしたくても、家族が望まない。患者さんの回復のためにより高度な医療機関を提案しても、家族が望まない。患者さんにお金がない、家族がいない等でできる医療に限界があるのが現実。(一般内科・30代後半)」

 

「いくら丁寧に説明しても、メディアや知人情報には敵わない。(泌尿器科・40代前半)」

 

「子どもとの時間を少なからず犠牲にして仕事が成り立っていることがあり、何のために仕事をしているのかという葛藤がある。(一般内科・30代半ば)」

 

「VIP患者で対応を変えないといけない。モンスターペイシェントにいらいらしてしまう。(一般内科・20代後半)」

医師なら思い当たることがあるかもしれない。患者さんのために最善を尽くしたいのに、それが適わないもどかしさ、無力感、苛立ち…。患者さんに時間と労力を費やす分、家族との時間にしわ寄せがくる…。目の前に困っている人がいたらとにかく助けたい。医師の性分ならではの、どうにもならない現実。

完璧な人間なんていない

ゴッドハンドとか、名医と言われる医師もいる。誰も真似できない手技や、全国の患者さんから救いを求められる医師もいる。あるいは、近くに尊敬できるすばらしい同僚もいるだろう。でも、患者さんはどんな医師にも救いを求めている。手厳しい患者さんとて、医師になれるのはほんの一握りの努力家の人間だけだと分かっている。子どもと接する時間が短くても、それを認識している母親ほど子どもとの関わりは深くなる。子どもにとって母親がお医者さんであることは誇りであるに違いない。

もっとこうできれば。そう思いながら仕事を継続させることは本当にすごい。そして、今回のアンケートを見る限り、それぞれ状況は異なるも、みんな同じように思っていた。

「所詮、人ということ。患者さんの生命力を少し助けているにすぎないなと感じる。(麻酔科・40代前半)」

そう、医師もただの人。完璧な人間なんていない。ただ目の前のひとつひとつの問題に向き合い、それが自分の欲求や要望、確信とは違っても、その結果を受け入れるしかない。思うようにいかないことを受け止めること、それでも今の場所から逃げ出さないこと。それが自分の理想としていた姿ではなくても、そのしなやかさと強さが、後に続く人たちの理想になるかもしれない。
そして少しずつ、理想の医師像に近づいているに違いない。

※Joy.netパートナーアンケート2015/7/22〜29

■文・ふるたゆうこ

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