2c313e51 16b2 4296 bbd7 d95751de5374キャリア
2017年07月21日

【女医のキャリア】病院組織のなかでのカツヤク術とは? 
女医のお悩み相談室Vol.5

「男社会の病院組織で活躍できない」「新しい仕組みを作りたいけど交渉術が分からない」などの悩みに、婦人科医・宇津木久仁子先生が組織の中で生きるコツを伝授。がん研有明病院婦人科副部長として組織を動かしてきた経験、苦労をもとにした実践的な答えが迷いに喝を入れてくれます。

来春の転職を目指して求人リサーチ。
プロのエージェントがサポートします。
『Dr.転職なび』

 \今日のセンパイ/

宇津木久仁子(うつぎ くにこ)

1959年、山形県生まれ。がん研有明病院婦人科副部長、リンパ浮腫治療室長。1983年、山形大学医学部卒業、同大医学部附属病院に勤務。1989年、米国ベイラー医科大学留学。1991年、山形大学医学部附属病院を経て、1994年から癌研究会附属病院に勤務。手術、外来、抗がん剤治療などを担当。抗がん剤投与中の患者を対象に「帽子クラブ」を主宰するなど、患者の心情に寄り添う診療を実践。

Q院内の人事で悔しい思いをしています。後輩の男性医師が、私より上の役職に内定したようなのです。彼は浪人して年齢を重ねているうえ、恰幅がよく、外見は頼もしく見えるかもしれませんが、正直、医師としての力量もキャリアも私の方が上。トップに「男性優遇」の意識があるように思えてなりません。ものすごくもやもやしています。

 答え

不満は溜めこまないではっきり表明しましょう

確かに、自分よりも明らかに実力のない人が、自分よりも取り立てられようとするのは不満ですよね。まして自分より上になられたら、心穏やかではないでしょう。

もやもやしていては仕事も楽しくありません。自分の気持ちを伝えてはいかがですか。謙虚に話を聞けば、あなたも納得するかもしれないし、上司も勘違いに気づくかもしれません。たとえば次のような感じです。

「先生ちょっとご相談があります。実は私は、〇〇先生より医師のキャリアは長く、資格も多く持っています。この病院にも長く勤めています。先生がもし、私より彼の方が実力が上と判断し、そのような役職にするのであれば、それは納得します。でも、男性だから、年齢が上だから、妻帯者だから、という理由でしたら、ちょっと納得しかねます。彼は浪人しているので、年齢は私より上ですが、キャリアは私の方が上だと思います。それに私も結婚しており、家計に責任を持っています。先生のお考えをお聞かせいただけないでしょうか」

周囲から怖いと思われそうで心配ですか? でも、経営陣はとかく、組織運営において男性を優遇しがちですし、既婚女性はリーダーになりたがらない、出世欲がないと決めつける傾向があります。

そうじゃないんだと、ただ正当に評価して欲しいんだと伝えることは、後に続く女性たちの為にも必要な事なのではないでしょうか。

気をつけなければならないのは、謙虚に、感情的にならずに相談することです。人事権は上司にあるわけですから、本来、我々が口出しすることではありません。しかし上司だって、勘違いや思い込みもあるかもしれないので、もやもやしないためには、考えを、お聞きした方がよいのです。

~まとめ~

・人事が根拠なく男性優位に働くことは問題。
・疑問点は溜め込まず上司に伝える。ただし論理的に。
・後に続く女性医師のためにも勇気ある一歩を。

 

Q大学の医局に勤めています。先日、教授から突然「アメリカに留学してみないか」と打診されました。はっきり言って寝耳に水でした。特に断る理由はありませんが、留学して何か積極的に学びたいというような強い動機があるわけでもありません。こんな私が留学なんかしてよいのでしょうか。

答え

ぜひ、留学してください。チャンスは逃がしたら、次はいつ巡ってくるかわかりません。私もかつて、教授から突然打診され、「明日までに返事して」と無理を言われました。で、翌日「行きます」と返事をしたわけですが、今振り返ってみても、留学してよかったと心の底から思います。

仮に、素晴らしい研究成果を遺せなかったとしても、留学は確実にプラスになります。視野が広くなりますし、交流関係も広がります。自分に自信もつきますよね。

一歩前に出る勇気を持ってほしいと思います。そうでないと、結局、世間知らずで終わってしまいますから。

留学でも、役職でも、世界を広げるチャンスは逃さないことです。その立場になって初めて、世の中こういうふうに動いているんだと、理解できることがあります。どうかひるまずに進んでください。

~まとめ~

・留学は人間的な幅も広げてくれる。
・チャンスを逃さない瞬発力を持って。

 女性視点で活躍できる産業医。
月1回のアルバイトからOK。
お問合せはエムステージ産業医サポート

Q患者さんのためになる、新しい仕組みを立ち上げようと考えています。ただ、うちの病院は保守的な人も多いので、周囲から、上手く協力を得られるかどうか不安です。組織の中で、新たなチャレンジをする場合のコツがありましたら教えてください。

 

 答え

まずは熟考し、書類をつくりましょう

自分が立ち上げようとしているものの意義、患者さんへのメリット、病院へのメリットがあるか、本当に必要なものかどうかをもう一度熟考し、書類を作ることが必要です。

次に、キーパーソンを押さえましょう。

病院の規模にもよりますが、院長、看護部長、事務長とか、決定権を持つキーパーソンに相談してください。賛同を得るのが重要ですね。でも、いきなりトップではなく、まずは上司の理解を得て!

事前に相談という形で必要性とかを説明し、地固めをしておきましょう。そういうところを押さえずに、いきなり始めても、なかなか具体化はしません。

何回か再考を促されることもありますが、正しいことを言っていれば、いずれOKは出ると思います。粘り強く活動するには、いいことはいいと、賛同してくれる仲間の存在が重要ですね。

特に患者ケアに関することは、看護部長の賛同を得てください。病院のなかで、一番職員数が多いのは看護師さんですからね。心強いと思います。

ちなみに、そんなことはダメと言われた場合は、何がダメなのか、なぜダメなのかをきちんと理解して、場合によっては法制度も調べて、論理的にアピールすることも必要です。

あと、迷ったときは、信頼できる友人、夫にも、これはどうだろう、自分は間違っているかなと聞いて、独りよがりに陥ったり、孤独になったりしないようにしてください。

~まとめ~

・相談はキーパーソンに。
・情熱を周囲に伝え支援者を増やす。
・客観的な意見を聞く耳を持つ。

 文/木原洋美

ママドクターのわがまま聞いちゃいます!
アルバイト探しは『Dr.アルなび』


<関連記事>
【女医の出産・不妊治療】大事にしたい、出産のタイミング。
女医のお悩み相談室Vol.4

【女医のキャリアと育児】スキルアップ法、育児との両立のコツとは?
女医のお悩み相談室 Vol.3

【女医のキャリアと育児】 
「2人目の壁」の乗り越え方とは? 
女医のお悩み相談室 Vol.2

【女医のキャリアと育児】 
先輩はどうやって乗りこえた? 
女医のお悩み相談室 Vol.1