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2017年08月02日

“女医コン”の仕掛け人が語る、女医の結婚。
女医が幸せな結婚をつかむ方法とは。

男性医師の生涯未婚率は2.8%と驚くほど低いのに対し、女性医師の生涯未婚率は35%。あながち冗談とも言えない女医の3分の1の法則(1/3結婚維持・1/3離婚・1/3未婚)。

この状況を「社会的損失」と捉え、女性医師と一般男性のマッチングの場「女医コン」を主宰しているのが、循環器内科医であり、Webシステム会社社長、また2児の父である薬師寺忠幸先生。その活動と、女性医師の結婚事情への分析について伺いました。

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女医は結婚で幸せになれない?

―― joy.netがまとめた「女医白書」でも、女性医師の結婚に関してはなかなか厳しいものがあることがわかりました。結婚しても離婚率は高い、同年代の医師同士の結婚は難しいなど。この現状をどう思われますか?

女医白書」を興味深く見ましたが、同一専門科の医師同士の結婚はうまくいかないというデータ(※1)はちょっと僕の印象とは違うかなと。サンプル数は少ないですが、少なくとも僕のまわりの同じ専門科の夫婦はうまくいっていますし、うちも同じ科です。女医さんってひとまとめにすることがなかなか難しくて、女医の典型があるとしたら、典型じゃない人も相当数います。統計で見ることも面白いですが、それ以外のところにも真実があるような気がしていますね。しかし白書が語るように相当数の女医が「結婚したい、でも独身」であり、何らかのインターベンションが必要なことは明らかでしょう。


「女医コン」を主宰する循環器内科医・薬師寺忠幸Dr。医師として、webシステム会社社長として、二児の父として多彩な顔を持つ。

―― 生涯未婚率が高いとされる女性医師ですが、男性医師から見て何が原因だと思いますか?

一般的にいうと、女性医師は経済的に独立できるため、結婚しなくても経済的には苦労せず生きていけるということはいえますよね。そして男性医師と比較すると、異性との出会いが圧倒的に少ないでしょうね。多くの男性医師は研修医時代からモテ期がはじまります(笑)。仕事はすごく忙しいけれどやりがいもあって、若いころは体力もあって、飲み会の誘いもいっぱいあって。

一方で、女性医師にとってはちょいモテ期でしょうか。院内はコメディカルや事務職員など女性が多いですからね。そして研修医も2年目くらいになったら指示出しをするようになり、研修医の後しばらくしたらチームを率いる立場になって行きます。若くしてそういう立場になる女医は格好いいですよね。でも、これが婚活的視点では必ずしもプラスではないのです。女性ナースにはモテちゃったりもするんでしょうけど。

研修医の時代は数ヶ月で職場をローテーションしていくんですが、この期間に相手を見つける女医もいます。環境の変化はやはり出会いのチャンスだと言えますね。

―― うまく捕まえられる人とそうでない人、何か違いはあるんでしょうか。

残念ながら医療界は昔から続く男性優位、かつ、人数は女性の方が圧倒的に多い社会です。男性医師が指示をして女性ナースが受けるというのは昔からあるスタイルで自然な流れです。
一方で、女性医師の場合はナースが同性だと難しい事もあるでしょう。そういった環境で、例えば冗談でも言いながらうまくやれる人、やれない人は私生活も違うように思います。

あとは先見性でしょうか。前もって結婚の時期を決めてそこから逆算して動いた人の方が、そうでない人よりは結婚は早いでしょうね。もちろん、大恋愛の後に結婚!なんて出来るのが理想ですが、もうオトナですからね。

それと、すこし話がずれますが、意外と苦労するのが「医師の娘」。たいていの場合、一族が医師・医療関係だったりします。そうなってくると、“そこらへん”の男性とは結婚できないですよね。本人も両親、親戚も結婚相手は医者しかありえないと思っていて(状態としては視野狭窄)、一方で優良な男性医師はさっさと結婚してしまっていますから…。僕のまわりを見ても、まじめな男性医師ほど結婚は早いですね。

外の世界を知らない女医

―― 先生が主催されている女医コンについて伺います。どんな女医さんが集まりますか?

見た目は、白衣でなく私服を身にまとった普通の女性たちですね。年齢は30前半が最多でしょうか。最近は若い人が増えてきていて、研修医の先生やたまに学生も来ますよ。みなさんとても真面目で、数分遅れるだけでも連絡をくれます(笑)。引っ込み思案な人も多いんでしょう、友人に引っ張られて参加するパターンが多いですね。

―― 女医さんの中には、結婚・出産は専門医を取ってからという人が少なくはありません。

例えば専門医を取ったらすでに30-33歳、そこから婚活するのはなかなか厳しいと思います。理想的には専門医を目指しながら同時並行で婚活するべきなのですが、特に内科・外科のドクターは、朝から晩まで病院にいて忙しくしていますよね。やりがいや使命感を感じていて、充実した「仕事人生」を送っているはずです。でも、その他の生き方も知らないとこのままのペースで仕事に打ち込んでしまう。

かたや、高校時代の同級生で会社に勤めている人は、昼休みに友人とランチを楽しんだり、早めに帰社して街を歩いていたりします。おそらく女医たちのように病院の中にいるよりも異性と出会う機会が多いでしょう。この差が5年、10年と続けば大きな違いを生むでしょうね。とにかく早期に結婚の計画を立てておく方が良いと思います。あとで苦労しないために。

―― 少しの寄り道が一人前の医者への遠回りになってしまうということはありませんか?まじめが故、寄り道するにも勇気がいりますね。

日本人って昔から同級生同士の比較が好き(むしろ体に染みついている)ですよね。だから同期入社、医学部同期、子どもの幼稚園同級生などでついつい比べてしまいます。そして出産育児で“キャリア”が途絶える、なんてことがよく話題になります。しかし専門性やキャリアを他人と同じ時期に築くことが唯一の正解なのでしょうか?

ずっと神の手へのはしごを登り続ける人もいれば、一旦休憩して5年後に再開する人もいる、または別のはしごに乗り換える人もいる。どれも正解だと僕は思うんです。というのも、それぞれの家庭でいろいろな事情が出て来ますからね。僕は「寄り道」も素敵なことだと思いますよ。子育てという経験は人としての幅を広げますし、とにかくプライスレスです。また、同業の人が知らない知識や経験は何かと役に立つものですしね。そして「寄り道」する時は楽しむことが大切です。後ろめたいなんて気持ちはどこかに忘れてしまいましょう。

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―― 先生は診療も行いながら女医コンやビジネス、街のコミュニティ作りなどいろいろなことをされています。医者としての仕事以外、つまり外の世界を楽しんでいるように見えます。

循環器の患者さんってご高齢の方が多いですよね。僕はご高齢の患者さんのお役に立つのが好きなんです。自分が小さいころ、地域のみんなに大きな声で挨拶していて、高齢者には抜群の人気だったらしい(両親談)ですよ。

女医コンに関して言えば、やはり女医さんが結婚したいのにできないという現実をなんとかしたいと思って取り組んでいます。出会いがないのが課題の一つであれば、そこを少しでも改善させようということです。今は東京、大阪、名古屋、福岡で定期的に開催し、9月には札幌でも企画しています。もうそろそろ3年経ち、参加者同士が結婚した実績もありますし、それと同じくらいの数で参加者の友達と結婚したという報告も受けています。気分的には校長先生ですね、早く卒業してくれって願っています(笑)。でも戻ってきたときは暖かく迎えますよ。

僕は研究留学で人生がリセットされたんです。アメリカでは医師免許もなく、ただのおっさんでした(笑)。いろんなバックグラウンドを持つ人と友達になれて一気に視野が広がりましたね。一般の労働者でもなく医者でもない。そんな中途半端な立場が、今考えると大きなチャンスでした。ニューヨークの人たちは自分の好きなことをいくつか同時にやっていましたし、人のやることに口を出したりする人もいなかったですよ。日本では、どうでしょうね??

夫婦はバランス。パートナーの見分け方

―― 奥さまも同科のドクターですが、どんなご関係ですか?「女医白書」では、医師夫婦はお互いにライバル関係になりうまくいかないケースも見られました。

妻は大学の同級生でした。そうですね、研修医のころはライバルだったかもしれませんが、そういう見方はお互い余裕が出てくるとなくなりますね。そのうち出来るようになることを、どっちが出来たとか出来なかったとか比較するのは、振り返ってみると子どもでしたね。今では、それぞれの長所を活かすというスタンスです。それに、今や薬師寺家というチームの構成員としての役割の方が圧倒的に大きいです。でもホントのことを言うと、妻の方がカテーテルのスジがいいと若いころ言われていました。僕が上の先生に発破掛けられていたんでしょうかね?

―― 先生は育児にもコミットしている印象で、その点で奥さまからの評価もありそうですね。

「あなたはサポーターじゃなくてプレイヤーなんだからね」とよく言われますが…、でも育児はやっているつもりです(笑)。やっぱり子どもが生まれると人生変わりますね。主役を持って行かれます。でも、子育てがこんなに楽しいんだって日々実感していますよ。夕方の風呂と朝の幼稚園の送りは、当直日を除き僕の仕事です。
一方で、僕がいろいろなことをやりだすもんだから、長〜い手綱を持って僕を緩く監視してくれている、うちの妻はそんな存在ですね。

―― 女医さんがキャリアを継続し高めていくには、パートナーの協力が絶対的に必要だと思います。その点において、こういう男性なら間違いないという見分けポイントはありますか?

見分けポイントってのはなかなかはっきりと言えませんが、結婚相手に必要なのは人としての柔軟性や対応能力だと思います。食事や飲み会のコミュニケーションでわかる場合もあるでしょう。例えば、人がしゃべっていることに完全に上書きしてくる人は良くないでしょうね。

夫婦プラス子どもの共同生活は綱引きのようなものです。出産後数年間は女性に負荷がかかるので男性が時短でサポートする。それが終わると今度は妻または夫の仕事の方にウェイトを置く。このようなダイナミックな家庭内調整が必要になります。そういう意味では男性の職場環境や職種は大きなキーです。たとえば夫が医師だと、一般的には勤務体制に融通が利かない病院が多いでしょうね。

―― もっと多くの女医さんに幸せな結婚を送ってもらうために、何が必要だと思いますか? 多くの未婚女医を見てきた立場からアドバイスをお願いします。

結婚、出産がキャリアにマイナスになるという人がいますが、“キャリア”という言葉が暗示なんじゃないかと思っています。症例を多くこなし、論文を書いて、学位とって、医局で偉くなることが唯一素晴らしいことのように、みなさん思考を誘導されていませんか?もっと視野を広げて、自分は果たしてどうありたいか考えるべきでしょうね。もし自分が目指すものに結婚が不必要であれば、そういう判断もアリでしょう。ただし、家庭を持つことも人生の大きな目玉の一つです。今まで一人だった人が強力な援軍を得るわけですからね。持ってみて分かることはとても多いですよ。

一旦医師免許を持つと一生医師として働く、かつてはそういう時代でした。しかし、実は医師免許は活用するものであって、活動範囲に制限を加えるものではないのです。なので必ずしも病院の中だけが自分のフィールドであると思考を制限せずに、家庭の事情に合わせた柔軟な働き方・生き方をしていく(男女共に)、そういった考えも必要でしょう。

また、女医本人にとって「女医」という単語が強い力を持ちすぎているようにも思います。つい「私は女医だから」と壁を作りがちですが、「医師免許を持って働くちょっと正義感の強い女性」、くらいでいいと思います。そしてもっと肩の力を抜いて、自分の人生を楽しむべきです。自分の世界を広げ、医療内外で活躍し、自分オリジナルの航路を進んでください。

多くの女医さんにとって、「女医コン」が外の世界に踏み出すきっかけになるといいですね。今後も日本全国で出会いを量産すべく続けていきたいと思っています。ご興味のある女医さんはいつでもご連絡下さい!

薬師寺 忠幸(やくしじ・ただゆき)先生
大分県出身。防衛医科大学校卒業。循環器専門医・心血管インターベンション認定医。株式会社Medtech JP代表取締役、元Cardiovascular Research Foundation/コロンビア大学医療センターリサーチフェロー。女医コン主宰。

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※1:「女医白書」Ⅱ結婚相手について http://bit.ly/joynetwp
構成・ふるたゆうこ


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