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2017年09月04日

さーたり×Dr.まあや、二足のわらじを履く外科医対談!

joy.netの人気連載ドクター、外科医・さーたり、脳外科医・Dr.まあやの対談。外科医でありながら、デザイナー、マンガ家という、もうひとつの顔持つ二人。二足のわらじを履く医者人生の真髄を根ほり葉ほり聞いちゃいます。

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――ドクター以外のお仕事を始めたきっかけは、これまでにも紹介してきましたが(さーたりDr.まあや)、改めて、今どんな思いで医者以外のお仕事をされていますか?

Dr.まあや:デザインの道に突き進んだのは大学院での挫折経験が大きなきっかけでもありますが、脳外科医としての人生を俯瞰して見たときに、死ぬ瞬間まで見えちゃったんですよね。どこか地方で脳外科医としてオペをしながら65歳で定年を迎え退職して、老人保健施設の施設長なんかをやって、「先生今日見てないけどどうしたのかな」って言われて孤独死したまあや婆さん発見される…、みたいな。

30歳超えたころに見えちゃったんです。どうするんだろう、わたし、そんな死に方に向かってまっすぐ進んでいいのかなって。つまんない人生歩んできちゃったっていう絶望感に急に襲われたんです。

だったら、好きなことしよう、好きな人生歩んでみようって振り切ったんです。ちょうど大学院の研究で失敗して、誰に助けを求めたら良いのかわからない状況でしたし、医局に無理にずっと仕えなくてもいいのかなってこの時はヤケになっていた、っていうこともあります。それで、ロンドンへ(笑)。

――まあや先生の場合、まったく違う世界で、しかも留学です。レールから完全に離れることは怖くはなかったですか?

Dr.まあや:それはすごく怖かったです。運良く戻れたからよかったものの、だからこそ今もレールからぎりぎり外れないように生きているんだと思います。なんだかんだ言って、今も医局の端っこにいるわけで…。

脳外科医であることに、おそらく誰よりもこだわっています。フリーのドクターとして、患者さんのニーズに合わせて診察したり注射したりするという仕事もありますが、そういうのは絶対にやりたくない。せっかく勉強して脳外科医になったので、食らいついていきたいんです。

さーたり:医者であることはゆずれないという気持ちはわたしも同じです。わたしは本を出したりしていますが、例えそれで収入があったとしても医者はやめられないんです。医者は自分のアイデンティティーだから、そこを欠かすと自分じゃいられなくなる。

それに、わたしが描くマンガは、マンガとしてよりも「医者がマンガを描いている」ということに価値があると思っていて、その点においても医者は辞めるわけにはいかないんです。

――さーたり先生はどんな風にネタを収集しているんですか?

さーたり:昔から面白いことがあったりすると人に話したり SNSで呟いたりしていたんです。それを、交通事故がきっかけでマンガという形で表現することになったというだけで。最近は面白いことがあったら頭の中で「これはこういう風に表現してオチはこうしよう」ってパパパッと思い浮かんでしまいます(笑)。

Dr.まあや:そうそう、ドクターという職業はコンテンツとして面白いんですよね。わたしも、自分が話すのも仲間の話を聞くのも大好きです。飲み会に参加する目的だけで札幌まで行ったりしますよ、わたしは飲めないんですけどね(笑)。同級生の中で一番同級生に会っているかもしれません。それが気分転換になるし、刺激がもらえるんです。自由に動き回れるのは独身の強み…!ということもありますが、これはフリーで働いているからこそかもしれません。オンコールにしばられずに働けることは、わたしにとってはとてもラッキーです。

――お二人ともすごいな、と思うのは、自分のキャパの範囲内でドクターの仕事とそれ以外の仕事、家族のことをやりくりしているのではなく、ドクターである自分にいろいろなことがプラスされている、キャパがどんどん増えている印象があります。

Dr.まあや:わたしの中では、脳外科医だけただやっているよりは全然余裕があるんです。脳外科医だけやっている方がしんどかった。もう24時間365日ほぼ病院に取られている感覚だったので。どこにいても電話がかかってきて、たとえ休みがあっても本当の意味で休めない生活…。それを思えば、今は本当に楽なんです。

さーたり:わたしは、子どもが生まれていなかったら今でも大学病院で常勤で働いていたと思います。出産・育児で今の働き方になりましたが、育児がひと段落した後、戻りたいという気持ちが半分、でも無理だな…という気持ちが半分。でも、戻りたい気持ちがある以上、戻れるようにじわじわ努力しています。

現状、やりたいことを全部やれているんです。子どもも3人欲しかったし、外科医も続けたかったし、マンガも描きたかった。でも、医者としてはまだまだ物足りなさも感じている、というのが本音です。子育て中だから仕方がない、でもその一言で片付けたくない。

――マンガを描く時間、デザインを考える時間を捻出するのも大変ですね。

さーたり:まとまった時間は取れないので、移動中は常にモバイルPCを持ち歩き、思いついたらパパっと描いています。便利な世の中です(笑)。

Dr.まあや:わたしもタブレットでイラストを描いていますね。いつもの当直室で。昔は手書きでメディカルイラストを描いていましたけども。結構得意なんですよ。オペのアプローチを意識しながら臨場感を表現するとか…。手術の大事なポイントを絵で表現しなくちゃいけないんですよね。

さーたり:懐かしいですね!わたしはどうしてもマンガになっちゃって教授に突っ込まれ放題でした。

――お二人とも共通しているように思えるのは、医者という安定した人生がつまらないと感じてしまうところじゃないかと。必死で努力して掴み取った、将来が保証された人生のはずなのに。

Dr.まあや:それは、逆ですね。医者という揺るがないベースがあるからこそ冒険できるんです。

さーたり:最悪食いっぱぐれないっていう確信ですよね。

Dr.まあや:わたしなんて確信犯的に医者になりましたから。中学生のときに生きる術として医者を選択したわけです。とりあえず医者になって、好きなことは後から選べばいいと思っていました。

――それにしても、ドクターという仕事は大変ですから、自分が生きていくためという理由だけではなかなか勤まりません。

さーたり:医者も手を抜こうと思えばどこまででも抜けるんです。研修医時代にいろいろバイトもしましたが、お金を稼ぐだけなら手段はたくさんあります。生きていくためだけに医者をやるというのはつまらない。じゃあ何をやるかですよね。

Dr.まあや:わたしも昔はいろいろやりました。でも今は専門外の仕事はなるべく受けないようにしてます。そういう意味で、お金だけ稼げばいいということはないですね。医者もいろんな生き方があっていいと思います。

――二足のわらじを履く医者という生き方。これからそんな女医さんが増えたらいいと思いますか?

さーたり:医者の働き方はどんどん変化しています。手術も進化して、医者の仕事も昔より大変じゃなくなってきています。昔だったら肝臓の血管を一本ずつ結んでいたのに、今では便利な機器を使えば短時間で終わる。だから、医者の仕事だけじゃなく好きなこと、やりたいことができるようになってきていると思います。医師免許という確固たるものがあるんだから、好きなことをやったらいいと思います。

Dr.まあや:そうですね。手術の進歩もそうですし、在宅で病理診断や画像診断などができる時代です。いろんな選択肢があるということを知ってほしいですね。社会がそういう流れになっているということも。

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【医者“じゃない”仕事の紹介】

 

さーたり

 マンガ家。Ameba公式トップブロガーとして連載を多数抱えながら3人の子どもの母としても大忙しの自称・腐女医。現役医師目線のマンガやコラムが大人

気、手塚治虫を目指すオタク女医・3×歳。

 

 

Dr.まあや

 デザイナー。個展開催、販売も行う。メディアでもひっぱりだこのカラフル生活は、本職とは違う姿。当直医として毎週末釧路へ飛び、平日は都内病院でひっそりと院長をしているまじめ独身女医・41歳。

☆☆☆

「Dr.まあや×さーたり×デルぽん、夢の座談会!」の流れで実現した女医三銃士による“二足のわらじ”インタビュー。お時間の都合で参加できなかったデルぽん先生より皮膚科×漫画家についてのコメントを後日いただきました!

デルぽんが考える二足のわらじ

 

皮膚科と漫画。その融合ができたらよいなと思っており、患者さんへの説明に使える漫画をたくさん描く。漫画を読んで理解が深まり、治療にも良い影響をもたらす。そんな良いサイクルを生み出せる皮膚科医になるのが夢です。

そして最終的には漫画喫茶のような皮膚科クリニックをつくり、漫画が読めて皮膚も治る。そういうクリニックができたら最高だなと思います☆

構成/ふるたゆうこ

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