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2017年09月20日

Dr.まあやの「今日も当直です」
第17回 兼業、部活動、宴会芸…。医者の裏側の話

医者の1日=24時間を分析してみると、四六時中、患者さんと向き合っているわけではない。部活、宴会芸の準備など、バラエティに富んでるという事実が判明。

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第17回 兼業、部活動、宴会芸…。医者の裏側の話

釧路孝仁会記念病院に当直医として通い始めてから、かれこれ10年以上が経つ。毎週末を釧路で過ごしているうちにすっかり釧路愛が芽生え、「勝手に釧路プロジェクト2017」なるものを、本当に勝手に…立ち上げてしまった。一週間にたった2日の当直医だが地域医療に貢献したい、そう願い真面目に働いていた結果、週末釧路人のDr.まあやこと、脳外科医・折居麻綾です。

考えてみると、多忙な職業の割には、起業や副業をしていたり多趣味だったりする医者が多いものだ。今回はそんな“医者の意外な素顔”で盛り上がってみたいと思う。

裏側その1:兼業医師

ワタシのように兼業の医者というのは外科医では少ないのかな、と思う。脳外科医含めて外科医というのは、一人前にオペができるようになるまで相当な時間がかかる。他にやりたいことを見つける時間もなければ、それに費す時間もないのが大半だろう。

ワタシのように、ちょっとしたドロップアウトをしないと難しい。あるとしたら、手術器具などの医療機器の開発に携わるようなこと。自分が使いたい機器を追求し、いいものができたから売ろうか、という流れかもしれない。儲けようと思ってやる、というよりは、技術の向上を追求するためにやっていることなんだと思う。内科の先生はもともと外科医よりも圧倒的に分母が多いので、いろんな人が多方面で活躍していると思う。

最近では脳外科医でも起業していたり、作家として活動していたりしている先生も出てきたようだ。現場での経験を生かした次世代の医療システムの構築や、過疎化地域における医師不足解消のための遠隔医療の普及、などを行なっているそうだ。確かに、社会のインフラを整えるような取り組みには、現場の医師の存在は欠かせないだろう。

裏側その2:医者の部活動。体育会系な脳外科。

一般的にはあまり知られていないが、実は病院内での仕事が終わった後に、部活動に参加する医師も多い。他大学医局対抗で、大会があったり、意外と盛り上がっている。脳神経外科の場合、サッカーや野球の医局対抗大会があったり、オーケストラ部が総会の時に発表会をしたり…。もともと学生時代にオーケストラ部だった人たちが集まり、練習時間がない中でのパフォーナンスはあっぱれの一言だ。

ワタシもこう見えて学生時代は体育会系だった。バレー部と水泳部を兼部していて、バレーの練習が終わって夜の10時から水泳練習という、今ではまったく考えられないほどのストイックな生活だった。体力勝負の脳外科医の資質はこんなところで培われているのだ。

医学部には、医学部だけの大会があって、東日本医科学生総合体育大会(東医大)、西日本医科学生体育大会(西医体)、そして、西と東が戦う全日本医科学体育大会(全医体)、というオフィシャルな大会があり、医学部の運動部に所属している学生は、夏休みの間にこの大会に出ている。

今はカリキュラムも変わって厳しくなっていると思うが、昔はそれこそ部活に明け暮れて授業に出ずに活動に明け暮れている人もいた。

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裏側その3:新人の登竜門、宴会芸。

医者っていうと24時間365日白衣を来て難しい顔をして過ごしていると思われがちだが、意外とそうでもない一面もある。宴会芸もその一つ。

出張先で必ずやらされたのが、飲み会での出し物、いわゆる宴会芸。忘年会だけでも、オペ室、 ICU、病棟…とそれぞれのセクションで開催されるもんだから、まあ忙しかった。だいたい若手の医者と看護師さんが中心になって企画するものだが、ワタシはけっこうな中堅になるまでプロデュースを担当していた。

ダンスをするとなったら衣装から音楽や小道具などなんでも作った。なんだかんだで10年目を超えてもやっていたかもしれない。新人がやるものをなんでいつもお前がやってんだ、と言われながら、ウケた時の歓声を浴びていると、ものすごい達成感に包まれるのである。

予定をみんなで調整して練習して、妙な連帯感が生まれたものだ。これがけっこう現場での仕事のやりやすさにつながっていたような気もする。仕事とは直接関係なくても、なんかおもしろいやつがいると思われることは損になることはない。しかし今でもこんな文化があるのだろうか…。

裏側その4:懐かしの早食い競争。

それにしても、ワタシが研修医のころはいろんな意味で大変だった。先輩が経験して大変だったことは必ず後輩もやらされたし、早食いや大食い競争なんて日常茶飯事。

外科医がまずやるべきことは何か。それは飯を食うことだ!と言われ、とにかくめちゃくちゃ食べさせられた。要するに体力がないと手術がもたないし、いつなんどき、どんな患者さんが来てもいいように整えておけと。

寝てなくて過労死とかアルコールで死ぬ人はいるけれど、たくさん食べて死んだ人はいないと言われて、お昼の定食も2つ、食べている最中に向こうの方にいる先輩たちから追加のデザートが届いたりしたものだった。

おかげで研修医時代にほとんどの人が10kg近く太り、謝恩会で何kg太ったかを発表させられた。ちなみにワタシは堂々の3位(10kg増でフィニッシュ)! 今はここまでやるとパワハラだ何だと言われるだろう。でもおかげでワタシたち世代は強くたくましく、そしてワタシは人一倍大きく、育つことができた。

食べさせ文化、今はさすがになくなったとか。まあ…ワタシも後輩に同じことしちゃっていたので…そこは本当に反省しております…。

裏側その5:ドラマチックな人間模様。

それから、裏側の話でいうと、人間関係もなかなかドラマチックだった。惚れた腫れたの世界とは無縁なワタシのところにはその手の情報が随時集まってきて、変に気を使いながら仕事をしていたものだ。

今はやたらと不倫のニュースがホットだが、それはまあ、日常的にあったような…。残念ながら、そのような浮いた話がなく過ごしてしまったDrまあや…。女性であることを武器にできる女医さんも少なからずいるもので、そんな人生も羨ましいような、そうでないような…。

ということで、次回は女医の働き方、立ち居振る舞いみたいな話で盛り上がってみたいと思う。

 ■イラスト/Dr.まあや 構成/ふるたゆうこ

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  Dr.まあや(折居麻綾先生)

1975年東京生まれ、岩手育ち。岩手医科大学卒業後、慶應義塾大学病院で研修を終え脳神経外科に入局。2010年にかねてから夢だったファッションデザイナーの道に挑戦しようと日本外国語専門学校海外芸術大学留学科に入学する。翌年にはロンドンのセントラル セント マーチン カレッジ オブ アート アンド デザインに約2年間留学しファッションデザインの基礎を学ぶ。帰国後は事務所『Dr.まあやデザイン研究所』を設立しアーティスト活動をスタート。現在は釧路孝仁会記念病院、東京・小平市のあかしあ脳神経外科の院長として非常勤勤務している。 

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