46812dca 3ba6 42d6 bfc7 0eb26995e79b連載・コラム
2017年11月02日

働く女の覚悟・・・一生働く覚悟できてますか?
【院長ママのパラレルな日々  第19回】 

仕事と家庭、育児の両立に必死に奔走する女性医師たち。綱渡りの連続にため息ついたり、イライラしたり怒涛の毎日。働き続けたい気持ちはあるけど、じゃあ、その覚悟ってどのくらい?? 改めて、私にとって仕事って・・・を考えた院長ママの思いとは――。

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第19回 働く女の覚悟・・・一生働く覚悟できてますか?

皆さま、一生働き続ける覚悟ってありますか? 私はというと、常に逃げ道を用意していた自分にはたと気が付いた時がありました・・・。きっと逃げ道を用意して悪いわけではないし、一生働かなくてもうまく生きていかれるすべもあるのであろう・・・とも思うのですが、この問いが私に響いたことがありました。

私も含め私の周りを見渡してみても、出産後は母親が子育ての主導権を握ることが多い・・・。そして子供と母親の関係はかなり密になります(そんなに子供好きではない私でさえ出産後は母性も芽生えました)。父親は外で思いっきり仕事ができるけど、母親はそうはいかないのが世の常。子供を差し置いて夜遅くまでの仕事は、世の中の目もあるし、なかなか後ろ髪引かれる気持ちになります。後輩のパパドクターで育休を取った子もいましたが、少数派。まだまだヨーロッパのような子育て事情には追い付いていないのが現実です。

私の主人に至っては子供の運動会で休むなんてありえない派です。次男の出産のときも、やっとの思いで夏休みとういう形で合わせてくれた様な記憶が・・・。
子供が小さいうちはどうしても女医の働き方は制限が出てしまう事が多く、そこに性差は感じずにはいられません。

あるjoyは職種の違うご主人が家事を担う比率が高く、保育園の送り迎えから夕飯の支度までご主人の担当日が結構ある!バリバリ仕事をこなす彼女は、仕事大好きママドクター。家事は苦手で卵焼きも作れないけれど、職場では信頼され・必要とされ、重要なポストについています。彼女は『私、ダメママ?』と思った時期もあったそうですが、これも女性だから世間の目もあり感じてしまうことなのでしょうか・・・。とはいえ、彼女はご主人の理解もあり仕事を辞める選択肢は全くない・・・。子供たちもそれが普通になっていて違和感なんてもちろんありません。

仲良しママドクターでシングル女医も数人います。シングルともなるといろいろな理由で働いているママドクターが沢山います。ぶっちゃけ生活のためよ!と言い切る女医ももちろんいます。

あるママドクターは、子供の預け先として家庭教師やお稽古などうまく使いこなしながら、夜遅くまで仕事をしています。朝から夕飯の仕込み、洗濯をこなし仕事に出勤。子供たちを立派に育て上げるべく働き、夕方はちょくちょく子供たちと電話などで連絡を取り合う。そして帰宅後は夕飯を作り宿題を見てやり、子供を抱きしめる・・・。

私はつい心配になって声をかけるのですが、小さい時から頑張るママの姿をみている子供たちのたくましいこと! お兄ちゃんは弟の面倒をよく見ていて、ママを一生懸命助けているのですが、『お母さんの夕飯がすごく楽しみ』とぽそっと語る・・・。そんな彼女の家庭でも、時々まだ小さい弟君がさみしくなってしまうことがあります。そんな時、あんなに面倒を見てくれるお兄ちゃんを排除してママドクターを独り占めしようとするのです(笑)。子供たちも頑張って、我慢して、時に寂しくなって・・・・‥それでも優しく、たくましく成長していくんですよね。一緒に過ごせる時間は少ないかもしれないけど、お互いを気遣う気持ちは深い・・・。だから、 彼女も頑張って働き続けることができているのです。

仕事が大好き、あるいは生活のためと割り切ってはいても、彼女たちには仕事をやめる選択肢なんてないわけです。

数年前のできごと・・・。主人に、父から残されたクリニックや、その仕事環境への不満、子供の行事に思うように参加できない不満や自分の仕事に対する理想などをペラペラと興奮して語りまくったことがありました。その時主人に

『きみには、生涯働いていく覚悟も諦めもできていないのでは? 男は仕事をやめる選択肢は無いから、君みたいに考えたりはあまりしないんだよ。』

と言われたのです!『はあ~?こんなに身を粉にして働いてきてるんですけど~(怒)

その時は何言っちゃってんの?とも思いましたが、でも確かに、後で冷静に考えてみると、子供と連携を取りながら仕事をバリバリとこなすママドクターと比べてみると、こうなったらやめちゃえばいいや、今のやり方でクリニックを継続していってダメになったら閉院しちゃえば良いや、などという気持ちが、『最終手段』としていつも頭にあったことに気が付いたのです。結婚したことでオットに養ってもらおうなんて考えたことは一度もありませんが、心のどこかで、『仕事がつらくなったら主人に養ってもらえるかな?』という甘い考えは、当たり前のように頭の片隅に・・・あったのです。私には仕事を一生続けていく覚悟はできていなかった・・・

早20数年、女医として働き続けてこられたけれど、振り返るとやる気に満ちた研修医を終えてからは迷い続け、悩み続け、涙も笑いもあった怒涛の日々でした。でも、「これでいいのか」「もう無理」と何度心が折れそうになっても、時に、頑張ってよかった!続けてよかった!と思える宝物のような瞬間があったのも事実だし、患者さんに教わった事で多々救われた事もあり・・・。40歳を過ぎて人生逆算で考え始めたときも、10年後の自分が仕事をやめているなんて想像は、確かに出来なかったのも事実。何が正解かなんて全くわからないけれど、せっかくだから女医をもう少し頑張ってみようと思うのです。ま、クリニックで新しいDEXAの機械を入れてしまったので、それこそ覚悟して働かないといけないのですが…(笑)。

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井上留美子 (いのうえるみこ)

1971年東京生まれ、東京育ち。聖マリアンナ医科大学卒業・研修。整形外科学教室入局。長男出産をきっかけに父のクリニックの院長となる。日本整形外科学会整形外科認定医、リハビリ認定医、リウマチ認定医、スポーツ認定医。

 

自分の健康法である笑うことをモットーに予防医学としてのヨガに着目し、ヨガインストラクターに整形外科理論などを教えている。シニアヨガプログラムも作成し、自身のクリニックと都内整形外科クリニックでヨガ教室を行う。現在は二人の子育てをしながら自身のクリニックにて院長業務を行っている。 


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