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2017年12月01日

今も昔もメディアの医療情報に踊らされる患者さんたち【院長ママのパラレルな日々  第20回】

 

テレビに雑誌、WEBサイト・・・ありとあらゆるメディアでセンセーショナルに報じられる”医療情報”に踊らされる患者さんたち。院長ママるみこ先生のモトに今日もそんな患者さんたちが押し寄せます。。。るみこ流対処法とは??

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第20回 今も昔もメディアの医療情報に踊らされる患者さんたち

今も昔も、整形外科の外来には、テレビを見て体操したら痛くなった・・・という患者様が多々いらっしゃいます。私が若い頃は、みのもんた(さん)ネタが一番多かった。大体、みのもんた(さん)司会のテレビ番組で体操した翌日は数人、その体操でどこか痛めてくる・・・。朝一番はへ~っと興味津々に患者さんの話を聞くのですが、3人目くらいから『昨日、テレビで・・・』と言われた瞬間に『あ~、みのさんね』とか反応しちゃったりして。みのさん信者は『みのさん』と呼び、そうでもない人は『みのもんた』と呼び捨てにするから・・・なんていう神話まで飛び出していたような。

最近ではガッテンネタ、Eテレの医療番組の後の痛みがちらほら。民法の病気発見系のテレビネタも、見ていて心配になってくる患者さんもちらほら・・・。脊柱管狭窄症ネタは自分に当てはまる、と思う方が多いようで、雑誌やテレビで大々的に取り上げられた後の一週間くらいは共通した話が外来で出てくることが多い。

ガッテンネタに至っては、ファイルを作り私にご教授してくださる患者さんがいる位です。私の疾患説明に対し、『あっ!それこの前ガッテンでも言っていました!』なんてことも言われて、つい私もうれしくなっちゃったりして???笑

それだけ皆様、メディア情報を信じているわけです・・・。

つい先日、白湯について、甘酒について、断食療法についての意見を求められてちょいと困ったことがありました(笑)。整形外科領域とはちょっと異なるしなあ。私はヨガをやっているからか、鶴太郎さんの影響か、この類の質問をちょくちょくされます。一応、私は西洋医学ベースで医療を行っているので、なかなか医療と健康ネタとの狭間の質問に中途半端な答えはできないししたくはないと常々思っているのです。

グルコサミン・コンドロイチンネタは毎日のように質問されていますし、処方薬とサプリメントの飲み合わせの質問、必ず身体の左(あるいは右)半身が痛むネタも多く聞かれます。私も最近では、外来に備えて事前準備をするようになって、テレビで整形外科ネタをやっていると翌日の外来のために、軽く突っ込みを入れながらチェックしたりしてしまうのです。常に冷静沈着、若干メディアに対し冷たい循環器内科医のオットでさえ、テレビで『にがりが高脂血症に良い?』というネタをやっていたのを、患者さんに言われるといけないから・・・とか言っていそいそとみていたことすらありました。メディア情報もついにここまで触手を伸ばしたか・・と感心すらしてしまいました。

最近では週刊誌でも飲んではいけない薬やら医師に騙されるな的な記事もあるようで、インタビューで答えた内容と全く違う内容を書かれて困っている医師がいる・・・などと噂も耳に入ってきます。治療や投薬というものは、一概にこれが効く、効かないといえるものではなく、同じ薬でも医師のIC次第で効果が分かれることもあるくらい繊細なもの。ほとほと困ってしまいますよね。特に整形外科で多い、痛みを緩和する治療は認知行動療法も兼ねたICをしていますので、メディアの間違った情報は治療の邪魔以外の何物でもありません。数年前にOTCになったNSAIDも外来では胃や腎臓に対し副作用がある…と説明し、すでに整形外科では第一選択薬ではなくなっておりますが、CMでは胃に優しい…とうたっている・・・。我々はわかっているから良いけど、一般の方々は?と思ってしまうこともあったりしますよね。

医学知識も『昨日の常識は今日の非常識』になって行く時代です。すべてを鵜呑み・あるいは否定しないで自分の頭でよく考え、書物を読み、そしてよく咀嚼してから結論を導いてお話しするようにしています。患者さんには、こういった草の根レクチャーで対応していけますが、メディアを発信する側の方にも、あまりに単純化した情報発信や、1つの立場のみを報じるのでなく、複数の立場の医師の監修を入れるなど厚みのある情報発信を心がけていただければと思います(単純明快なほうが視聴者受けがいいことは、とってもよくわかりますが…)。雑誌もテレビも一般的に『ほんまでっか?』的な情報でないと視聴者も食いつかないのかもしれませんが、我々同様、自分や自分の家族が患者だったらどう思うのか、を考えていただきたい・・・とも思ってしまいます。

そうは言いながら、最近では当クリニックのヨガクラスでもマインドフルネス瞑想を最後に入れ、自律神経スイッチオン!とかなんとか言っちゃってます!整形外科医としてはあるまじき??笑

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井上留美子 (いのうえるみこ)

1971年東京生まれ、東京育ち。聖マリアンナ医科大学卒業・研修。整形外科学教室入局。長男出産をきっかけに父のクリニックの院長となる。日本整形外科学会整形外科認定医、リハビリ認定医、リウマチ認定医、スポーツ認定医。

 

自分の健康法である笑うことをモットーに予防医学としてのヨガに着目し、ヨガインストラクターに整形外科理論などを教えている。シニアヨガプログラムも作成し、自身のクリニックと都内整形外科クリニックでヨガ教室を行う。現在は二人の子育てをしながら自身のクリニックにて院長業務を行っている。 


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