F647665d 927e 4a9a 8b76 c9040f890c96アンケート
2017年12月15日

今こそ…!女性医師の働き方改革を考える

世間では「働き方改革」だの「プレミアムフライデー」だの「健康経営」だの騒がれていますが、ハタシテ「健康」を司る本家本元・医師たちが働く「医療機関」って?? 少し振り返るだけでも、新潟の女性研修医の過労自殺、月300時間の残業で過労死した水戸の医師・・・などなど、悲しい事件が思い起こされます。医師の時間外手当について最高裁判決がおりたという進展を示す事例も出てはきていますが、村上龍的にいうとまだまだ“限りなくブラックに近いグレー”な医療現場。患者さんの命と働き方の改善。二律背反を前に一体何が起きていて、どのような変化が求められていくべきなのでしょうか……

そんな中実施したjoy.netパートナーへのアンケートで寄せられた声は必ずしも働き方が改革された(もしくはされつつある)実感ではなく、変わらない現場、減らないストレスが感じられるものでした。

\働きやすさとやりがいの両立を求めて「転職」も1つの手/

キャリアチェンジ、する?しない?

joy.netパートナーに登録している女性医師によると、結婚や出産など何らかの理由によりキャリアチェンジをした人は8割近く。その多くは結婚・出産がそのきっかけでした。

1人目の時のつわりの思い出が鮮烈すぎて、2人目妊娠前に医局人事から外してもらい、バイト先を自分で探した。これが1つめのキャリアチェンジ。 バイトで生活費を稼ぎつつ2人目にも恵まれた。子供が大きくなるまでこんな感じで続くのかなと思っていたら、上の子が年中のときに東日本大震災。バイト予定は先方の都合で取り消され無収入。自営業の夫も仕事キャンセルになり無収入。生活基盤の不安定さが心配になり開業を決意。これが2つめのキャリアチェンジ。(形成外科)

震災など予期せぬ事態に直面したときに翻弄されやすいのは非常勤やスポット勤務なのかもしれません。それでも、そこから心機一転開業までもっていけるところはすごい…!常勤に比べて当直やオンコール、医局派遣などがないから柔軟性がある!とアルバイト勤務だけにしていると、思わぬところで勤務がなくなってしまうリスクがある。天災といったどうしようもない事態だけでなく、「常勤医の採用が決まったから」と勤務終了となるケースもいくつも編集部はみてきました。。。

自分の体力の限界を感じてキャリアチェンジ。仕事でのやりがいへの飢えが、結婚によって良くも悪くも薄れた。(リハビリテーション科・常勤と非常勤)

妻になったり母になったり、自分の役割が増えたときに、優先順位やかける時間を采配できるのも必要なスキル。必要に迫られて手を抜いたり切り捨てたりしているうちに、自分なりのバランスがとれるようになるのかも。「人生のある時期、仕事の割合が5%になってしまう時期があってもいい。でも、絶対ゼロにだけはしないで。少しだけでも関わり続けていればリカバリはいくらでも効く!」以前お話されていた女性医師の言葉も思い出しました。

「育児期は臨床はある程度諦めて、これまでの成果やデータをまとめて論文を書く時期と割り切るのも手。これまでと同じことができないからといって、キャリアを降りたと嘆くのでなく、新しいテーマを見つければいい」そんな力強い言葉を送ってくださった先輩もいました(※関連記事)。

とはいえ、ただでさえ臨床現場は医師不足なのに自分の関わりをセーブしたら患者さんはより困ってしまうのでは? さらには、他の医師の負担も増えてしまう…。なかなか「よし!」と思いきれないのもワーママ女医のリアルな気持ち。外から吹いてくる働き方改革の風は医療現場にはなかなかの突風なのです。

\医師のアルバイト探しなら求人数最大級「Dr.アルなび」へ!/

ずばり!理想の働き方とは

せっかく苦労して医師になったのだから多くの患者さんを助けたいし、でも家族も幸せにしたい。自分なりの働き方革命、仕事と生活を両立できる理想の働き方を聞きました。また、現在の働き方に満足している人に、具体的な制度等教えてもらいました。

チーム主治医は理想です。あと、バックアップ体制があると学校行事や急な子供の発熱などに対応できる。(内科・常勤)

 

勤務時間内の仕事の効率化、長時間病院にいることだけが評価されないシステムの構築が必要。 時間外勤務、当直に対応できなくても、スキルを身につける機会をつくること。(眼科・常勤)

 

医師じゃなくてもできる仕事は、コメディカル(や医療クラークを活用して)電子化して、医師全体の仕事量を減らす。 両立に一番必要なのは夫の協力。子どもを持つ男性医師への配慮もしてもらえたら、と思う。(外科・常勤と非常勤)

 

当直明けは午後を休みに…。(麻酔科・常勤)

チーム主治医制への期待は多く寄せられました。比較的医師人数が多い科では導入は進みやすいかもしれません。でも、1科1人みたいな小規模病院や地方は・・・? 地域全体で連携をはかるといった動きなども考えられるのでしょうか? Dr.まあやも”開業医ネットワークを使った「お看取り当番」”を提案していましたね。

また、「病院総合医」の先がけ”病棟かかりつけ医”としてチーム医療を推進する済生会熊本病院の「包括診療部」の取り組みも、医療機関の働き方改革を進める先進事例として話題を呼んでいます(※関連記事

医療クラークの活用や電子化も急務ですね。大門三知子よろしく「それって医師免許いる仕事?」ってミニスカで言ってみたいもんです。

男性医師への配慮、家庭のことを女性任せにしない風潮を作る、という意見は複数あがりました。メディアで取り上げられるイクメン事例に、男性医師が登場する日が来ることを切に願います。ロールモデルは大切。誰かが始めないと、次の世代につながりません。

短時間常勤という制度を利用しています。常勤と同じ待遇で、当直やオンコールも免除。 こんなありがたい制度が多数の施設で設けられればいいなと思います。(放射線科・常勤)

 

理想の働き方は、残業なし、当直なしで18時に退勤できること。
現在、外来・24時間対応の訪問診療を行っている診療所で共働き中。グループ診療所で、いる人員をすべてその時間帯に働かせるのではなく、書類仕事や研修、教育に使えるよう余裕を持った配置をしている。そのため、出張や休暇はもちろん、本人・家族の病気や弔事への対応、1~2週間の集中研修や震災支援等が無理なく行えています。18時退勤等あらかじめ調整が可能で非常に助かっている。

 

訪問診療はチーム主治医制で各診療所単位で行い、夜間・休日対応は複数の診療所が合同で1名の宅直医師を決めて対応し、宅直以外の医師が電話でバックアップしている。

 

給与は出動件数によって決まるが、1名あたりの負担が減る上、子育て中など出動できない医師も一部を担えるのでありがたい体制。(家庭医療・非常勤)

働きやすい環境は自分で選択することもできます。コメントいただいた家庭医療(内科・小児科医)の先生は、共働きでの両立環境が整っているからこそ現在の勤務先に行かれたそうです。自分の理想の働き方を追求すると同時に、自分以外の女性医師がどんな働き方をしているのかを知るのも必要なことです。

時には立ち止まって考えてみる

今回は女性医師の理想の働き方について、リアルな意見満載でお伝えしました。制度があっても利用できない環境や、医師としての使命感がついつい自分や家族を犠牲にしてしまうということもあるでしょう。女性医師としてしなやかに、そして長く生きるために、時には自分がなんのために働くのかを振り返ったり、大切にしたいものの優先順位を決め直す時間を作ることも大事にしたいですね。

\両立を叶える職場を探すドクター、増えてます!/
Dr.転職なび」「Dr.アルなび」で案件サーチ!

 

 joy.netでは女性医師のリアルな声を記事に反映するためアンケートを実施しています。皆さまからのパートナー登録をお待ちしております。

文・ふるたゆうこ


関連記事
「職場で肩身が狭い」「子どもがかわいそう」。育児との両立で出口が見えない女医のホンネ。

育児と両立できる、ベストな働き方って?
~女医が転職を考えるとき~

医師の働き方改革の切り札に!?包括診療部(院内かかりつけ医)導入によるチーム医療推進で79%のスタッフが時間外労働等の働き方に変化を感じた!