
【医師向けクイズ】ダビンチ(Da Vinci)の練習にベストな食材は?
麻酔科医ひつじのワークとライフとその真ん中 ー第24回
麻酔科医ひつじのワークとライフとその真ん中 ー第24回
手術支援ロボット「ダビンチ」。「いつか華麗に操れるようになりたい!!」そう願う若き外科医たちの練習のお供といえばなーんだ。麻酔科医ひつじ先生からの問い、わかりますか?
もっと症例を積みたい、ワークライフバランスを取りたい,etc。多数のご相談をお寄せいただいています。
巷では手術支援ロボット、ダビンチ(Da Vinci)を使った手術が流行っていますが、当院でも泌尿器科を中心に、外科や心臓血管外科でも使われるようになってきました。
ダビンチ手術は専用の鉗子を機械のアームに取り付け、その鉗子をコンソールから遠隔操作します。基本は腹腔鏡手術ですが、単なる腹腔鏡手術と違って鉗子の先端を360度自由自在、人間の関節可動域をはるかに超えた動きができるので、一般的な腹腔鏡手術の鉗子操作よりも自由度が高く、よりクリエイティブなアプローチができます。また術者の視界は3Dですので、まるでお腹の中に自分がいて直接見ているような視野で行うことができます。
麻酔科医としてダビンチが最も効果的だなと感じる手術が前立腺全摘術です。前立腺は骨盤内の奥深く狭いところにあるので開腹術では視野も悪いしアプローチもしづらい、血管も密集しているので出血が多くなる手術でした。自己血を含む血液製剤の準備が必須で、太く確実な輸液ラインを複数本確保して大出血に備えるのが当然でしたし、備えておいても『もう1ルート確保しとけばよかった』と思うような状況になることもありました(!)。
一方ダビンチを使うと良好な視野で的確なアプローチで行うことができるので、出血はせいぜい100-200ml程度で済み、準備した血液製剤はことごとく未使用で返却する有様。時間も3-5時間程度で終わるし、傷も小さく済むので患者さんの負担が少ないことが翌朝のお顔色をみても明らかです!
ダビンチ凄い〜。
普通の腹腔鏡手術とは操作法が根本的に異なるので、若手の先生などは時間外に練習していますね。練習台として一番良い材料が『冷凍みかん』なんだとか。溶けかけの冷凍みかんは細やかに剥かないと皮が綺麗にとれないので、微細な操作を練習するのにうってつけ。外科の先生がひとり黙々と、手術台に置かれたみかんをダビンチでちまちま剥いてる姿はシュールです(笑)。もちろん剥き終わったら美味しく頂きます!
先生は、ダビンチの練習、何でされていますか? |
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