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2018年01月11日

平成のブラックジャックが認めた
内視鏡の若きスペシャリストの軌跡
ーメディカルトピア草加病院 吉田智彦Dr

メディカルトピア草加病院』(埼玉県)の金平永二院長は、革新的で高度な医療技術を有する“日本初のフリーランス外科医”という経歴から、「平成のブラックジャック」とも称される第一級の医師だ。その金平氏をして、「彼のテクニックは芸術品」と絶賛させる医師がいる。同院の内視鏡診療部部長を務める吉田智彦氏である。

吉田氏は今37歳。昭和大学卒業後、同大附属豊洲病院消化器内科、がん研有明病院内視鏡診療部等で経験を積み、2014年に若干34歳で、メディカルトピア草加病院の内視鏡診療部を任された。以来4年、同診療部は着々と発展。ハイレベルでホスピタリティに満ちた医療が受けられるという評判が評判を呼び、海外からも、名指しで患者が訪れるほどの人気施設になっている。
平成のブラックジャックがその力量を見抜き、認めた吉田氏とはどんな医師なのだろう。

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高い志を抱き、成長できる環境を選んできた

――ご専門は消化器内科ですが、その魅力はなんでしょう。

学生時代から、医者になるからには、人の病気を治せる医者になりたいと思っていました。ところが研修医として、さまざまな診療科をローテしてみると、意外と「治せる内科」って少ないんですよ。腎臓内科、糖尿病内科、呼吸器内科、いずれも治しきれない。そんな中、消化器内科だけは、特に胃と腸に関しては、早期発見・早期治療すれば根治できる。診断ができて、治療すれば病気を根治できる点に醍醐味を感じ、消化器内科を選びました。凄いやりがいのある仕事です。

――どのように技量を高めてきましたか。

医師になってからは、とりあえず、10年が節目かなと思い、努力していました。というのも昔、研修医だった頃、ある内科の先生から、「10年ぐらいたったら皆そこそこできて、同じような感じになる(だから頑張っても意味がない)」と言われたことがあったからです。その時僕は、(なんて、志の低い医者なんだ。こうはなりたくない)と思いましたね。自分がめざすのは、「そこそこできて、同じような医者」ではなかったので。
内視鏡による診断や治療技術を10年ぐらいでなんとか確立し、救急とかの経験も積んで、奥の深さと幅の広さを併せ持った医師になりたいと思っています。

もう1つ、研修医時代に、「1例経験して分かる医者もいれば、100例経験しても分からない医者もいる」と聞いたことがありました。その通りだなと思いまして、以来、1例1例をひたすら大事にするということを、ひたすら繰り返しています。

必要だと思ったことに関しては、アクティブに自分から動いてきました。
たとえば、内視鏡について学ぶには大学だけでは足りないと感じたので、がん研有明病院に勉強に行かせてもらいましたが、これは自力でツテをたどり、実現させたことです。どういう環境に身を置いて学ぶかは、非常に重要なことなので、メディカルトピア草加病院に来る前は、2年ぐらいの間隔で、ちょこちょこ環境を変えてきました。

――常に、この先自分にどんな環境が必要かを考え、行動してきたと。

そうですね。そうやってある程度、自分の技術を確立できたと思ったので、次は、まったく違う環境で、自分がどこまで通じるかを試したい。マネージメントできる立場で、かつ自分の得意とする内視鏡で試してみたいと思い立ち、新しい環境を探し始めたのが確か、卒業から10年目にあたる2014年でした。

――10年目が本当の節目になったわけですね。

はい。10年目は内科医としての節目でもありましたし、教授の退任や勤務先の病院が新築移転する等の変化が重なり、辞めやすいタイミングだったというのもあります。
ご存知かもしれませんが、大学の医局はものすごく辞めにくいです。先日も大学の先輩と「医局を辞めるタイミングは、教授が変わる時か、開業する時ぐらいしかないと思う」と話しました。ですから、10年目の節目と教授の退任とかが重なった時には、このチャンスを逃す手はないなと思いました。そこで、自分自身での情報収集はもちろん、医師専門のエージェントにも依頼してリサーチを始め、提案されたのが当院でした。

――実力ある内視鏡医とは、どういう医師だと思いますか。

おしなべて共通しているのはやはり、一つひとつの症例を大事にしていることだと思います。この診断は正しかったか、内視鏡と病理の対比を地味に繰り返している先生が多いのではないでしょうか。
先ほど、「治せる医者になりたい」と話しましたが、治すためにも、治療より診断のほうが大事だと思っています。なぜなら、がんは診断がつかない限り治療できません。逆に、診断がつけば、そこから先の治療はおおむね決まっている。早期発見・早期治療のスタートが診断なので、そこは凄い大事ですよね。
優れた医師は、症例を繰り返し検討し、掘り下げて、診断学を自分なりに構築していると思います。

――同じ内視鏡検査でも、病変を見つけられる先生と見つけられない先生では、個人差が大きいですよね。

実力差はかなりありますね。やはり経験と努力の差が出るのだと思います。あとは(見つけてやるぞ)という気持ちなのかな。奥の深い世界です。

自分のような若輩者に任せてもらえたことに感激

――メディカルトピア草加病院に転職を決めたのはどうしてですか。

『縁』だと思います。たぶん、職が決まるというのは、自分の意思とタイミング、この両方が合致しないと成立しないと思うんですよね。僕の場合も、半年早かったり、遅かったりするだけで、この話はなかったかもしれません。

10年目の節目で、転職先を探してみて、意外に苦労したのが、自分で働きたいと思う病院が少なかったことです。紹介会社から、病院情報を沢山いただいたのですが、なかなかピンと来なくて。
そんな中、1つの紹介会社から提案のあったこの病院だけは、自分の希望にマッチしているように感じました。

応募要件が『内視鏡治療をできて、内視鏡室を盛り上げていける人』だったのです。ちょうど僕も、それまでやってきた内視鏡の診断学と治療技術を活かせてマネージメントもさせてくれる病院に行きたいと思っていましたし、金平先生のことや病院の雰囲気などもいいなと思いました。お互いの希望がうまくマッチしていたんですよね。
それから、大きい病院はつまらない、小さい病院がいいなと考えてもいました。ひとり一人の価値が小さくなっちゃうし、声も届きにくい気がするからです。この病院は凄いです。風通しがいいし、びっくりするくらい、院長も近い。医者とコメディカルもとても仲良くやっています。そういう雰囲気もすごく好きです。

――面接は金平先生に。

そうですね、あとは当時の事務長も同席しておられました。
面接の際、まず感じたのは、内視鏡室のレイアウトや内装の素晴らしさとリカバリー室が充実していることでした。金平先生がいかに、内視鏡を大切に考えているかが伝わってきました。

それなのに採用が決まった時、たかだかキャリア10年目の自分に、「白いキャンパスに絵を描くように、先生の好きなようにやっていいよ」と、言ってくれたんです。驚いたので、よく覚えています。内視鏡室の発展は、この病院の命題だったはずです。それを、僕のような若輩者に任せてくれるなんて。しかも、金平先生のような高名な人が。(本当だろうか)と思いました。

――でも、本当だったのですね。

ええ。振り返ってみて、今に至るまで、一度もうるさいことを言われたことがありません。金平先生だって本心では、口出ししたくなることがいっぱいあると思うんです。でも、何も言わず、どちらかというと陰で、僕のことを支えてもらっている感じがします。初めの約束通り、好きなようにやらせてくれる。凄い人だと思います。

だから逆に、自分としては、半年で成果をあげられなかったら辞めなくてはいけないと、覚悟していました。せっかく任せていただいたのに申し訳ないと。自分自身のことよりも、金平先生のために。金平先生の病院の看板に傷を付けてはいけないという気持ちの方が強くなりました。今でも、それはあります。

――金平先生は、先生の実力を見抜いたからこそ、任せてくれたのではないですか。

実力があるかどうかわかりませんが。僕なりに心がけたことは、それまで見てきた日本のトップの施設に負けないような治療を提供することでした。診断も含めて、がん研や豊洲病院とかと遜色のない医療を患者さんに提供するよう努めてきました。

あとは、うちにいらして、病気が見つかった人は、どんなにきつい症例でも、全部自分が助けようという気持ちですね。もちろん患者さんのデメリットになるような症例は手を出すべきではないですが。基本的には、自分が診た患者さんは、自分で治療してきました。ほかの病院に紹介した方は、1人もいません。がんを取りきれなかったとか、途中で諦めたことは一度もなくて、全例、納得する形で治療できていると思います。

 「いい医療を提供できた」納得することが成果

――ご自分の中で、成果をあげられたかどうかの判断はどのように出したのでしょう。症例数ですか。

いいえ、数字ではなく、手応えです。
非常に厳しい症例も来て、ちゃんと治してあげられたとか。そういうことが大きかったと思います。
正直、数字にはあまり興味がありません。そこは金平先生も同じです。うちの内視鏡部は、トップの施設にも負けないぐらいの内視鏡技術を提供するよう頑張っていますし、看護師さんの技術も高い。プラス雰囲気が明るくて、皆、楽しそうに仕事しています。患者さんへの説明も、看護師から丁寧にしていますし、凄い手間と時間をかけて質の高い医療を提供しています。

当然、患者さんの満足度も高く、リピートしてくれる人も多いのですが、僕としては、自分自身が納得できる、いい医療を提供しているという実感が重要。
患者さんに「同じお金を出すならメディカルトピアに行きたい」と思ってほしいです。

あとは、「内視鏡検査なんて受けたくない」と言っていた人が、「受けてみたら、楽だったよ」とか「病気が見つかってよかった」と、言ってもらえるのもうれしいです。病気を早く見つけられれば、早く治療にも結び付けられますからね。検査をしないと分からないことが多いですから、「内視鏡検査の敷居を下げる」というのも命題でしたが、それもいい形でできていると思っています。

――つまり「いい医療ができている」という実感が重要。

そうですね、数字よりは、「やれるんだ」という自信が持てたので、これなら辞めなくていいかなと思いました(笑)
いい医療を提供したい、という想いが一番強いです。

――そのために、患者さんに対して、心がけていることはありますか。

親戚や家族のように声をかけてもらえるような医者でいたいと思っています。いかにも、医療提供するぞ!的な医者ではなく、友だちとか親戚のような感じで、話しやすいのがいいですね。いいにくい話もしてもらえるようになりたいです。
そのためにも、なるべく目線を合わせるようにしてお話しするようにしています。上から立ちながらではなく。これは学生時代、一週間ほど研修に行った、聖路加国際病院の先生がしていたことです。

求む!内視鏡に熱心な環境を潜り抜けて来た人

――今後の目標を教えてください。

もう少し、人員を増やして、もっと強い内視鏡部を作って行きたいです。患者さんが「メディカルトピアに来れば大丈夫」と、確信できるような雰囲気がある、頼もしい存在にしたいと思っています。

――部長として、教育と採用の責任は大きいですね。

教育に関しては、医者はプロフェッショナルな仕事なので、あまり言うことはないような気がしますね。各先生方に何かいっていることはないですし、のびのびやってもらったらいいかな。

だから、いい先生を採用するかしないかによって変わると思います。やる気のある先生、優秀な先生、意欲のある先生に、来て欲しいと思っています。だけど難しいですよね、本当に。面接の、ちょっとの時間で、全部が分かるのは。

――採用にあたっては、どのようなことを重視しますか。

正直、履歴が大事かなと思いますね。内視鏡に熱心な病院を一度でも潜り抜けたかどうかが、自分の中の判定基準になっています。がん研でも国立がんセンターでも、どこでもいいですが。内視鏡に熱心な環境に身を置いた人でなければ絶対にわからないことがあるんです。診断の難しさとか。そういうのって教えられるものではないので、潜り抜けてきた環境を重視します。
あとはやっぱり人柄ですね。話してみて、やりたいんだという強い想いがある人だったら、一緒に働いてみたいです(※求人票)。

――こちらに勤め始めて4年。自分の中で変わったことはありますか。

日中はもちろん忙しいですが、ほぼ定時で帰宅できるので、時間にゆとりができて、医学以外のことにも興味が湧くようになったのは大きいですね。以前は、音楽を聞いたり、本読んだりとかは、あんまりしていませんでした。家にいる時間も増えたし、子どもとかかわれる時間も増えました。人間としての幅が広がることは、医療にもいい影響があると思います。

――充実した毎日を過ごしておられるのですね。

やっぱり、仕事が楽しいって大事だと思います。職場は他人の集まりだけど、仕事の間ぐらいは楽しくやりませんかと。「仕事は楽しく、きっちりと! プロの仕事をしよう」がポリシーです。

* * * * *

医師としての技量を磨くために「一つひとつの症例を大切にしている」と語る吉田氏。インタビューしてみて感じたのは、症例だけでなく、一つひとつの出会いや会話も大切にし、成長の糧にしているということだった。吉田氏に、金平院長やメディカルトピア草加病院との出会いをもたらしてくれたのは、単なる偶然でもラッキーでもない。そうした姿勢と日々の積み重ねこそが、未来を切り拓く力になっているのではないだろうか。

吉田智彦氏を選んだ、金平永二院長の視点

チャレンジ精神の塊、技術力は日本屈指のレベルです。面談したとき、なんかこう、びびっと来ました。意欲と創造力と表現力が良いなーと思ったのが採用の決め手です。ピュアでとぼけた感じでありながら、熱意があってチャレンジ精神の塊みたいなところに惹かれました。

 

彼のESD(内視鏡粘膜下層剥離術)はすばらしい技術力です。全国的には名前はまだ売れていませんが、私の目には日本屈指のレベルといってもよいくらいに見えます。特に大腸のESDは、壁も薄いのでリスクを伴いますが、彼のテクニックは芸術品です。合併症も極めて少ないのが特長です。
うちに来てもらって、正解でした。ほんとうによくやってくれています。

 

\\メディカルトピア草加病院の求人情報//

常勤:消化器内科一般内科呼吸器内科循環器内科
非常勤:一般内科一般内科/消化器内科

ご不明点は、上記求人票のお問合せボタンよりお気軽にお問い合わせ下さい。

文/木原 洋美


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