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2015年09月28日

東大卒×戦略コンサルタント流
女性医師の婚活戦略

多忙かつ出会いの少ない女性医師。婚活をしてみても、男性からの敬遠もあり一筋縄ではいかないのは前回ご紹介した通り。それでは、女性医師――高学歴で多忙、経済的自立もしたプロフェッショナル女性――ならではの婚活戦略とは? 結婚問題に詳しい戦略コンサルタント・西口敦さんに綺麗ごと抜きの提言を伺いました。

西口 敦さん

東京大学法学部卒業。金融(日本長期信用銀行、アメリカン・エキスプレス、UBS銀行)、戦略系コンサルティングファーム(A.T.カーニー、ボストン・コンサルティング・グループ)を経て、結婚情報サービス最大手・オーネットにてマーケティング・経営企画トップを務める。2011年に独立し、株式会社西口敦事務所設立。戦略コンサルタントとして数々のプロジェクトに従事。近著に『普通のダンナがなぜ見つからない?』(文藝春秋)がある。


―― 初期研修、後期研修、専門医取得と医師としてのハードな研鑽期間は、結婚適齢期と見事に重なります。キャリアファーストで邁進した結果、気付けば35歳超えという女性医師も多数。そこからの婚活戦略はどうあるべきでしょうか。

西口さん(以下、敬称略)
大前提として、婚活は何も結婚相談所に登録したり、お見合いパーティーに参加したりすることだけではありません。市場はどうか、自分の売りは何か、相手に何を求めるのか・・・、結婚について具体的に考えることから始まります。そもそも女性医師は激務ですから、意識的に頭を使って考えなければ忙しさにかまけてアクションなんて起こせないでしょう。婚活、婚活と口にはしても、実はこの「考える」というプロセスが抜け落ちている人は多い。医師に限らず、高学歴女性でありがちな傾向ですね。勉強や仕事では目標を決めて戦略的なアプローチができるのに、こと結婚に関しては運任せで不確実性を打破しようとしない。まずは、恵まれた知性というアドバンテージを生かして、「考える」ことから始めてください。

10~15歳上の包容力ある男性がマッチする!?

―― 婚活マーケットを専門的に分析してこられた経験から、女性医師にマッチ
すると思われる男性とはどのようなタイプですか?

西口
そもそも女性医師には、知的な男性でないとマッチしないでしょう。女性医師もそれを求めているはず。こう言うと、「価値観が合えば誰でもいいんです」「普通の人でいいんです、尊敬できれば」と答える人もいるかもしれません。では、「価値観」とか「尊敬」って具体的にどういうことでしょうか。物ごとに対峙した際の判断基準が揃っているということ――それは学歴、キャリア含めてバッグラウンドが似ているということ、つまりは、知的水準が合っているということに他なりません。価値観、尊敬と抽象的な言葉でごまかさず、掘り下げて意識することが第一歩です。

そのうえで、婚活マーケット分析の経験からお薦めするのは、10~15歳年上の包容力ある男性です。賢くて頑張り屋のあなたを温かく見守るというタイプですね。男性から見た際の相対的な若さは、圧倒的な武器にもなり得ます。

なぜ10~15歳年上かというと、同年代や中途半端な年上男性はあなたをライバル視して上に立とうとするからです。ハイキャリア女性は、結婚相手にお互いのキャリアを尊重しながら同等に家庭運営も行う「戦友」を求めがちですが、それは同年代の独身ではほぼ存在しません。そもそも、男というのは女性より上に立ちたいもの。だから、同年代の男性は、あなたを自分と比較して卑屈になってしまうのです。それがよくある「女医に引く男性」というわけです。


その一方で、10~15歳年上の男性はいい具合に角が取れてきている。大企業のビジネスマンとして第一線で経験値を積んで、やや枯れたくらいの男性など、優秀な女性に対しても余裕があるんですね。必死に仕事に取り組むあなたを温かく見守ってくれる。また、第一線で活躍してきたからこそ、同等の会話ができる賢い女性が好きでもある。だから、医師の世界とは違う外の世界の常識、ビジネスの世界の知見を教えてくれることでしょう。それは十分あなたの知的好奇心を満たす尊敬できる存在になるはずです。

10~15歳年上でもギラギラした成功者とはおそらく相性が合いません。彼らは同年代の男性同様、自分にモノを言う女が嫌いです。しかもロジカルで賢い女性となれば、ぶつかることは必至。そういう男性は、賢い女性でなく若く美しい(けど知性は未知数の)いわゆるトロフィーワイフを欲しがちです。現在進行形のギラギラした男性ではなく、やや枯れて老成してきた男性にターゲットをおくべきでしょう。

こういうアドバイスをすると、「いろいろ試してダメだったら、最後の手段としてそういう方たちを狙います」と言う人も出てくる。でもそれは、「甘い」。戦略的に全く正しくないんです。「最後の最後に・・・」などというのは皆がみんな思っていること。みんなが動くときにはあなたの競争優位性は薄れています。競合がまだ油断しているうちだからこそ勝ち目があるのだと自覚してください。

Facebook、友人の紹介、お見合い、同窓会
属性が分かる出会いのツールを駆使すべし!

――そうは言っても、10~15歳年上の知性と包容力のある男性とは、どうやって出会えるのでしょうか。

西口
これは確かに難しいです。ただ、複数のツールを組み合わせていくことで出会いの数は増やしていけます。このとき大切なのが相手の属性が早い段階で分かるということ。友人の紹介、お見合いはもちろんのこと、Facebookを使ったお見合いサイトも有効です。なんだかんだ言ってもFacebookは相対的に知的水準が高い人が使っているメディア。私の周りでも高学歴女性が良い相手と巡り合えた成功例は耳にします。まずは、Facebookのプロフィール登録を「未婚」にしてみてください。Facebookを使った結婚紹介サービスの広告が多数あがってくるようになります。

Facebookなどネット上での出会いでは、人となりを掴むのに苦労をすると思うかもしれません。しかし、女性医師のように知的水準が高ければ、テキストコミュニケーションである程度の人となりや価値観は分かります。逆にそれでスクリーニングできる。テキストでコミュニケーションが取れない人は、会ってもダメ。無駄足を踏むことがなくなります。

ただ、やはり人となりに信頼が置ける男性との出会いとしては、友人の紹介やお見合いが勝ります。プライドだの気恥ずかしさは捨てて、今すぐ紹介を頼むべきです。あなたを知り尽くしている友人の紹介なら、バックグラウンドも似ているだろうし、確度は格段に上がる。友人の目をスクリーニングに使ってください。

また、友人の紹介と同じくらい、もしかしたらそれ以上に有効な出会いのツールは「高校の同窓会」です。共学出身なら、万難を排して出席するべきです。なぜなら、同級生の男たちは在学中のフィルターをかけてあなたを見てくれる。女子高生だったころの面影を勝手に画像修整したうえであなたを見てくれるわけです。高校時代のあなたは男子にとって「憧れの存在」だった。真面目で勉強ができて優等生で・・・すごいな、尊敬するな、でも手が届かないな――と。そんな存在だった女子が目の前に現れて、気さくに話ができれば、ある種の高揚感をもたらすわけです。自尊心が満たされ、俺も偉くなったもんだと得意にもなる。女性の側も肩肘張った忙しい毎日から解脱してホッとする。だから次に繋がりやすい。実際、私の高校時代の同窓会でも女医になった同級生と結婚に至った例がありましたよ。

1回でピンと来ることなんてあるわけない!
出会いを結婚に繋げるには最低でも3回は会うこと

―― 紹介や同窓会で男性と出会ったとしても、多忙な女性医師はデートを重ねることすら一苦労です。関係性構築のポイントは?

西口
出会いの後のプロセスで高学歴女性が陥りがちな失敗は明白です。それは、まずは2人で会ってみた、いい人だったけどピンとこなかった、だからそれっきりというものです。1回こっきりで見切るわけですね。1回で気に入るくらい「カンペキ」な人は、定義により既婚である確率が極めて高い。前向きに、隠れたその人の良さや自分との相性を掘り起こしていくという姿勢が必要です。

たとえば友人の紹介なら、あなたの友人は、あなたのために持っている人脈の中で恐らく最高の男性を選んでくれているはずです。だからまずは、つべこべ言わずに友人の目を信じること。ピンとこようがこまいが最低3回は会ってほしい。そして、会ったからには、なんで友人がこの人を薦めてきたのかポジティブな目でいいところを探す。最低10個は。そういうマインドセットにしないと、関係性を紡いでいくことはできないし、もう二度とその友人から男性を紹介してもらえることはないでしょう。「友人に男性を紹介してもらって切った場合、次はない!」そのくらいの覚悟で知的エネルギー(と時間)を投資してください。

知的エネルギーを投資できていないということは、本気で婚活をしなければというマインドセットになっていないと自覚すべきです。忙しさで寂しさをやり過ごしているだけの話。

一般的に、結婚は男にとっては「一つのイベント」、女にとっては「生まれ変わり」と言われています。女性は結婚で階層移動も可能になるし、経済的な便益も得られる。だから、いわゆる勝ち組結婚をした女性は、必死に努力したわけです。そんな中、女性医師のマインドは男性寄り。だから、結婚に知的エネルギーを割くことを潔しとしないのでしょう。ただ、どれだけ恵まれた知性を持っていようともそれを婚活に10%も投入していなければ、あなたより知性は劣れども100%に近い思考と体力と時間を投入している女性に負けます。しかも彼女たちは、出会いの数も関係を築くプロセスも日々仮説検証を繰り返して力をアップデートしているわけですから。

婚活で嫌な思いをしたとしても、合う・合わないというだけのハナシ
人間性の否定ではないと心得て

―― 女性医師への婚活アンケート結果などを見ていると、婚活を決意して一歩踏み出す女性医師は一定数います。でも、途中で諦めてしまうというケースが多い印象です。

西口
女性医師はこれまでの人生の中で、学歴も仕事も全て自分の努力で勝ち取ってきています。失敗経験が相対的に少ない。常に人から一目置かれる存在だったことが多いから、自分が「受け入れられない」という経験が少ないでしょう。だから、「女医だと分かったら男性に引かれた」という婚活でのちょっとした自分への拒絶に過剰反応して扉を閉ざしてしまう。人格否定のように感じてしまうのでしょうね。でもそれは、ただ合うか・合わないかというだけの単純な話です。転職の面接と同じなんです。だから、たとえ傷ついたり、失敗したりしたとしても「合わなかったから次!」と切り替えていくことが重要。私から言わせれば、しつこさが足りないんです。あくまで婚活はアクションオリエンテッド。ファクトとして、置かれている市場環境は甘くはない。でも、たった1人だけ見つければいいんだから、やり続ければ絶対にうまくいく。数回の失敗でやめるのは早すぎます。

その際、必要以上にターゲットを絞りすぎないこと。知的水準が高い人がいいなら、そのうえに職種だ業種だと絞らない。婚活の数々の経験値を積んでみたうえで「私はこの領域の男性」と見極めたうえでならいいですが、往々にしてなんの検証もなしに勝手な妄想でターゲティングをしている。しかも、それが言い訳になる。「私と合うのはこの領域の男性。でも、そこに該当する男性はいない。だから、私のせいじゃない!」と自己肯定する。そんなことしている場合じゃないんですよ。対象は広げる。そして能動的に動くべきです。その努力を拒否するというのは、「テストでいい点数を取るために勉強するのは野暮である」と言っているのとかわらないと気付いてください。

婚活市場で強みを発揮するには
男性の心理への理解も深めて

―― 最後に、女性医師の婚活市場でのアドバンテージを教えてください。

西口
知性の魅力、経済的な安定性が増すこと、子どもが家庭の会話に接しているだけで良い子に育つ・・といったことは当然ですが、「女性医師にお相手として認められる」というのは実は男性にとって自尊心が満たされるものです。そこをくすぐることができれば強いでしょう。

男性、特に独身が長い男性は、傷つきやすい。だから「女医さんが自分なんて相手にしてくれるわけないよ」と怯んでいるものです。だからこそ、自分から「私、可能性ありますよ」というオーラを醸し出す。そうすれば風向きは変わります。

どうせ自分なんか・・・と思っていた男性に、「女性医師にチャレンジできるかも」と思わせることができれば間違いなく強いです。真面目で仕事も家庭も頑張ろうとする女性医師は、女性に依存されることに辟易としがちな知的な男性からすると、新鮮に映る可能性だってあります。言葉は悪いですが、これまで考えてもいなかったけど優良なお買い得物件だと思わせられればこっちのもの。「そのくらい、男性がしっかりしてほしい!」と思うでしょうけど、独身男性は傷つきやすいしプライドもあったりしますし、自分からアタックすることに慣れてないことが多いのです。相手が変わることを望んでいたら、余命が100年あっても足りない。うまく男性の心理、本能に訴えるというのは媚びでもなんでもなく知的に面白いことだと割り切ってみましょう。

何はともあれ、「自然な出会い」を漫然と待つのではなく、自分のマインドセットとアクションの変革から始めること。少々うまくいかなくても、「たまたま合わなかっただけ」と切り替えて次のアクションへと繋ぎ続けること。当たり前なようですが、結局は、そこに尽きるのではないでしょうか。まずは「当たり前」を愚直に実行してみてくださいませ。

西口さんの著書
普通のダンナがなぜ見つからない? (文藝春秋)

普通の男は0.8%!?
東大卒。金融、外資系戦略コンサルティングファームから
婚活ビジネスへ。異色の経歴のコンサルタントが

解き明かす幸せを掴む婚活戦略とは。
コンサル手法での結婚マーケット分析、
明かされる数字と事実、導き出される戦略。
目からウロコの連続です。

 


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