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2018年04月05日

「スポーツ内科を広めアスリートのパフォーマンス向上に貢献したい」
新時代の医師たち/Vol.3:スポーツ内科・田中祐貴

「医局のピラミッドの頂点を目指す」
「神の手と呼ばれる手技を身につける」
かつて大多数の医師たちが目指していた“医師像”。それに背を向け、自分らしい軸と価値観で、医療に貢献しようと模索する新世代の医師たちが登場してきています。
軽やかで大胆、それでいて緻密で誠実。これまでの「医療従事者」という枠では収まりきらない存在となりつつある「新時代の医師たち」の生き方に迫ります。

今回は、運動やスポーツにより生じる内科的問題の予防や治療を行う「スポーツ内科医」として、東朋病院(大阪)と大久保病院(兵庫)でアスリート診療を行いながら、スポーツ内科普及のためのアンバサダーともいえる精力的な活動を行っている田中祐貴医師にお話を伺いました。

田中祐貴
東朋病院スポーツ内科、日本スポーツ協会公認スポーツドクター。
神戸大学医学部卒。腎臓内科医からスポーツ内科医に転身し、現在は東朋病院(大阪)と大久保病院(兵庫)でスポーツ内科外来を担当。息切れなどの症状や記録の伸び悩みなどの不調を訴えるアスリートの診療を行う。また関西スポーツ内科・栄養学会の代表を務め、スポーツ内科・スポーツ栄養分野の啓発に努めている。

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――「スポーツ医学」に関連する科目というと整形外科という印象で、「スポーツ内科」という専門科は聞いたことがありませんでした。まず「スポーツ内科」とはどういうものなのか、教えてください。

「スポーツ内科」は、運動・スポーツにより生じる内科的問題の予防や治療を行う診療分野です。「運動は健康に良い」といわれますが、確かに適度な運動は医学的にさまざまな良い効果があります。
しかし、アスリートが皆健康だというわけではありません。息切れや倦怠感などの症状を抱えていたり、記録の伸び悩みやスランプなど不調を感じたりしながら競技を続けているアスリートも少なくないのです。それは決して整形外科的な運動器へのアプローチだけでは解決しません。スポーツ内科ではこうした運動・スポーツに伴う内科的問題を解決し、コンディションを整え、パフォーマンスを向上させて長く競技を続けられるようアスリートをサポートしています。

――スポーツ内科医を志したきっかけは何なのでしょうか。

大学5年時の総合内科実習で配属された賀来医院で、長年、関西のスポーツ内科を支えてこられた賀来正俊先生と出会ったことです。私は子どもの頃からスポーツはやるのも見るのも大好きでしたが、アスリートを支える医療というとスポーツ整形外科のイメージしか持っていませんでした。

しかし、賀来先生のもとで実習させていただき、アスリートの内科的問題について初めて知ることになったのです。実習班のメンバーでくじ引きで決めた実習先でしたが、私にとってはまさに人生を左右する運命の出会いでした。

――医学生であっても、「スポーツ内科」は知られた存在ではなかったんですね。

はい。当時、私も少しはスポーツ医学に興味は持っていましたが、それでも「スポーツ内科」という診療科があるなんて初耳でした。医療従事者の間ですらよく知られていないスポーツ内科でしたが、賀来先生の外来には毎日多くのアスリートが受診されていて、2時間待ちなんて当たり前の状態でした。こんなに数多くのアスリートがスポーツ内科によるサポートを必要としているのなら、私も何とか力になりたい! と、スポーツ内科の道に進みたいという思いが芽生えました。

 

――とはいえ、最初は「腎臓内科」で研修されていますよね。

スポーツ内科医は全国的にも数少ないですが、調べてみると各地方でスポーツ内科的な活動に尽力されている先生がいらっしゃることがわかりました。国内に十分なエビデンスがない中で、欧米の研究成果をもとに手探りでスポーツ内科診療をされている先生もいらっしゃって、今も強く印象に残っています。

積極的に研究会や学会に参加したり、時には突然メールを送ったりして、全国で活躍されているスポーツドクターにアドバイスを求めました。「まずは自分の専門分野を持ち、そこで診療経験を積んでいれば自ずとスポーツ内科との接点が生まれてくるはずだ。そのタイミングでスポーツ内科の仕事を始めれば良い」「ベースとなるのは内科全般にわたる知識だ。幅広い内科の知識から、必要な情報をアスリートに適用するのがスポーツ内科医の仕事だ」「スポーツ内科はまだ十分に確立されていない分野だからこそ、やる気さえあれば誰にでもチャンスがある。君にだってできる」など、数々のありがたいお言葉をいただいたことが昨日のように思い出されます。

腎臓内科を選んだのは、腎臓が糖尿病や循環器、呼吸器、膠原病など他の疾患・診療科との関わりが大きく、最も興味深い分野だったからです。また腎臓は水や電解質の調節を行っており、これらはスポーツ内科にとって必須の知識だと思ったのもあります。これまで腎臓内科からスポーツ内科にアプローチした先生が見当たらなかったというのも、理由のひとつです。人と被らないような道を選ぶことも、生きていく上で時に重要になります。

――いわば雌伏のときですね。

活躍されているスポーツドクターからは、「腎臓内科の仕事をしている間もスポーツ内科の精神を忘れなければ、必ずチャンスは回ってくる。その時を待て」と言われていました。その言葉に従い、アスリートやスポーツ医学との接点がないか常にアンテナを張り、何かできることはないかと模索していたのですが、4年待ってもチャンスは訪れませんでした。それならば、自分でチャンスを掴み取りに行こうと逆に踏ん切りがついたのです。

――まさにゼロからのスタートとなったわけですね。手探りの中、どういう活動をされたのですか?

スポーツ内科医になると決心したものの、当時は関西でスポーツ内科の看板を掲げているのは賀来医院だけという状況でした。

そこで、まずはスポーツの現場を見学してまわるという地道な活動から始めました。平日夜や土日に時間を作りやすい生命保険会社の社医となり、知り合いのスポーツ関係者のつてをたどって、リトルリーグや小中高の部活動などあらゆるスポーツの練習を見学させていただきました。チームに入り込んで、現場でアスリートがどんな悩みを抱えているのか実態把握をしたのです。

すると、「冬になると息が切れてペース走についていけない」「練習中に脇腹が痛む」「走り終わると咳が出る」などというような、整形外科的なアプローチでは説明のつかない、内科的な問題を抱えている選手が少なからずいることを身を持って経験しました。そしてミーティングなどで少し時間をいただき、スポーツ内科に関するショートレクチャーを行ったり、選手の悩みにアドバイスをしたり、啓発活動を行いました。こうした地道な活動を続けながら、少しずつ信頼を得ていったのです。

――まさに草の根活動ですね。そこから診療の場はどのように開拓していったのですか?

生命保険会社の社医をしながら、スポーツ内科の診療ができる医療機関を探しました。すると、兵庫県の田舎の方でスポーツ内科医を探している病院がありました。といっても、そこで求められていたのは生活習慣病の予防・治療に運動・スポーツを利用する「メディカルフィットネス」の運営に携わる内科医でした。「メディカルフィットネス」の運営に関わりながら、アスリート診療を行うことも許可いただき、スポーツ内科診療を始めました。

1年ほど経つと、患者さんもある程度増えてきたのですが、田舎の病院だったので限界も見えてきました。もっと都市部で診療を行いたい――そう考えるようになり、よりアスリートが受診しやすい都市部の医療機関に「スポーツ内科を開設しませんか?」と個人的に提案……というか営業をかけたのです。その結果、現在勤務している明石市の大久保病院に移りました。人口の多い神戸市と、スポーツが強い姫路市(や周辺の市)との中間にある明石市は、双方からアクセスしやすく立地としては最高でした。大久保病院はスポーツ整形外科で有名な病院ですので、数多くのアスリートが受診する環境がすでに整っていたのも幸運でした。

――自ら営業をされたんですね。反応はどうでしたか?

スポーツ整形外科医や理学療法士は、ケガから復帰するアスリートを数多く診ています。ところが中には、整形外科的には良くなっているものの、何かしらの不調を訴えるアスリートも少なからずいたようです。大久保病院のスタッフは、アスリートに十分なサポートを行うには、整形外科以外の何らかのアプローチが必要であることに薄々気付いておられました。私は大久保病院主催のスポーツ整形外科系の勉強会に特別講師として呼ばれ、スポーツ内科に関する講演を行いました。「我々に不足していたのは内科的なアプローチだったのか!」ととても反響が大きく、すぐにスポーツ内科外来開設の運びとなりました。

――理想的な営業展開と言えますね。

いいえ、実は他のスポーツ整形外科の有名病院にも営業をかけていたのですが、どこもはかばかしい反応ではありませんでした。そんな中、大久保病院がいち早くスポーツ内科の価値を認めてくださいました。本当に感謝しています。ゼロからのスタートでしたが、全面的な協力を得て、現在に至るまでしてサポートしてくださっています。「世界にスポーツ内科を広めてほしい」という言葉までいただいていますので、期待に応えたいと思っています。

――ちなみに、スポーツ内科が対応する症状、疾患にはどういうものがあるのですか?

息切れ、動悸、倦怠感、易疲労性などから、頭痛、運動中の腹痛、足のつり、尿失禁、失神などまで、多岐にわたる内科的症状に対応しています。
代表的なスポーツ内科疾患は以下の通りで、多いのはスポーツ貧血、運動誘発性喘息、無月経です。

循環器系:心臓性突然死(致死性不整脈、marfan症候群など)、異常スポーツ心臓
呼吸器系:運動誘発性喘息、気管支喘息
代謝系:スポーツ貧血、電解質異常(低Na、低K、低Mg血症など)、慢性脱水症、利用可能エネルギー不足
消化器系:胃腸障害、運動中の腹痛、過敏性腸症候群
婦人科系:無月経(骨粗鬆症と関連)、月経困難症、月経前症候群
精神科系:うつ病
その他:オーバートレーニング症候群 など


――「オーバートレーニング症候群」とは聞きなれない病名です。

「オーバートレーニング症候群」とは、過剰なトレーニングが長期間続き、パフォーマンスや運動機能が低下し、疲労が容易に回復しなくなった状態です。「トレーニング負荷」と「回復」のバランスが崩れ、回復しきらないうちに次のトレーニングを行うということを長期間にわたって繰り返したときに起こります

「オーバートレーニング症候群」の症状には息切れ・倦怠感・体重減少などの身体症状と、抑うつ・意欲低下・不眠などの精神症状があります。このうち精神症状は、「うつ病」の症状とほとんどが重複しており、実際に「オーバートレーニング症候群」なのか「うつ病」なのか診断に迷う症例や、「オーバートレーニング症候群」と「うつ病」を合併している症例も少なくありません

また「オーバートレーニング症候群」」の発症メカニズムとして視床下部―脳下垂体系の機能不全説が有力視されていますが、これは、「うつ病」」の発症メカニズムとほぼ同様のものです。両者はどちらも強いストレスが原因で、「オーバートレーニング症候群」は身体的ストレス、「うつ病」は精神的ストレスの蓄積が原因で生じるとされています。

アスリートは程度の差はありますが身体的にも肉体的にもストレスを抱えながら競技を続けており、両者を明確に分けることは困難です。身体的なストレスがメインであれば「オーバートレーニング症候群」、精神的なストレスがメインであれば「うつ病」と考えるとともに、病名にこだわらずにアスリートのストレスを包括的にコントロールする姿勢が重要と思います。「オーバートレーニング症候群」は、スポーツ関係者にも医療関係者にもほとんど知られていない疾患ですので、これには私自身も強いストレスを感じています(笑)。

 

――アスリートの抱えるスポーツ内科疾患があまり理解されていないとなると、患者さん(アスリート)はつらい思いをしそうです。

そうですね。例えば「うつ病」が疑われるアスリートが、精神科を受診したとします。もちろん「うつ病」と診断され、適切な治療を受けて治る患者さんもいるのですが、「スポーツに伴うストレスが原因なのだから、スポーツを辞めるのが最大の治療だ」と、片づけられてしまうことも少なからずあるのです。それってアスリート視点では全くないですよね。

アスリートがどのような生活を送っているのか、どのような悩みを抱えているかなど、アスリートの社会的、心理的背景を理解した上で診療に当たる必要があります。スポーツ内科は、適切な治療により選手が納得いく形で競技が続けられるようサポートすることを基本にしていますので、私はよほどのことがない限りドクターストップは出しません。患者さんが「治療しながら練習も続けたい」と言うのなら、その希望を叶えてあげられるよう最大限努力します。

このように、スポーツ内科は「内科」の枠を少し越えて、本来他の診療科が扱う病態や疾患にも可能な限り対応するよう心がけています。スポーツにあまり理解のない他の診療科の医師が診る場合に比べて、スポーツに理解のあるスポーツ内科医が診た方がアスリートにとってメリットがある場合が少なくないからです。
時には学会発表などの場で、スポーツ内科医が他の診療科が扱う病態や疾患を扱うことを批判されることもありますが、批判されるということはスポーツ内科が認識され始めているということで嬉しく思っています。私がスポーツ内科を始めた頃は全く相手にされませんでしたから……。批判的なご意見をいただいたとしても、そこから建設的な議論が始まることも多々あり、おかげさまで他の診療科の医師からも徐々に私の専門性を認めてもらえるようになってきています。

――スポーツ内科がカバーする症状や疾患を考えると、さまざまな診療科との連携は必須ですね。

そのとおりです。スポーツ内科はアスリートのための総合内科ともいえる存在なので、他の診療科の先生方との連携は欠かせません。私もケースによっては、その患者さんに適した専門家を紹介するなど、連携を取りながら診療にあたっています。

――コメディカルとの連携も進めているのですか。

特に関わりが深いのがスポーツ栄養士(スポーツ栄養の専門知識を持った管理栄養士)です。たとえばスポーツ内科疾患で最も多い「スポーツ貧血」の主な原因は「鉄欠乏」です。アスリートはさまざまな原因で鉄を喪失しやすく、それに見合った分だけ摂取していないと鉄欠乏からスポーツ貧血に至るのです。その予防や治療には食事療法が有用ですが、利用可能エネルギーを確保すること、鉄のみならず鉄の利用効率を高めるビタミンCも同時に摂取することなど一般の栄養指導とは一味違った「スポーツ栄養指導」が必要です。東朋病院や大久保病院では、スポーツ内科と連動して「スポーツ栄養指導」を提供し好評を得ています。

スポーツ内科とスポーツ栄養は密接な関係がありますので、私自身、日本スポーツ栄養学会に所属するなどしてスポーツ栄養を勉強しているほか、「関西スポーツ内科・栄養学会」を立ち上げ代表を務め、スポーツ栄養士との連携強化を図っています。この学会では、年4回ほど関西各地でスポーツ内科やスポーツ栄養に関連するセミナーを主催し、これらの分野の啓蒙に努めています。スポーツドクター、スポーツ栄養士、アスリート、指導者のみならず理学療法士、柔道整復師、アスレチックトレーナー、それらを目指す学生など非常に多くの方に参加いただき、参加者間での交流も深まっています。関西のスポーツ界の活性化に少しでも貢献出来ているのではないかと思っています。

 

――ところで最近、メディアで女性アスリートの「無月経」が取り上げられていることが増えているように感じます。

「無月経」も栄養との関連が大きいスポーツ内科疾患のひとつですね。3か月以上月経がない状態を「無月経」と呼びます。アスリートはトレーニングでエネルギーを消費しますので、それを上回るエネルギーを摂取しなければなりません。食事による摂取エネルギーからトレーニングで消費するエネルギーを引いたものを「利用可能エネルギー」と呼び、これが不足すると、女性ホルモン「エストロゲン」の分泌が低下し、月経もなくなります。エストロゲンには骨密度を保つ働きがあるので、この分泌が低下すると骨がもろくなります。その状態で、高い強度のトレーニングを続けていると、疲労骨折のリスクが上がるのです。

「利用エネルギー不足」「無月経」「骨粗しょう症」は「女性アスリートの3主徴」と呼ばれ、世界の女性アスリートにとっての最重要課題となっています。欧米では家庭医レベルにも浸透していることが多いのですが、日本ではスポーツ界にも医学界にもまだ十分に周知が進んでいません。近年の女性アスリートの躍進は素晴らしいものですが、「無月経」「月経痛」「月経前症候群」など月経に関するトラブルにもっと上手に対応出来るようになれば、日本の女性アスリートはさらに飛躍してくれるはずです。

――アスリートや指導者の間でも、無月経が深刻にとらえられていないこともあるのでしょうか。そういえば以前、オリンピック金メダリストの柔道選手が無月経だったという報道を見たことがあります。その選手も利用可能エネルギー不足だったのでしょうか?

一昔前までは「月経がなくなるほど練習するのが当然だ、月経があるうちはまだまだ練習が足りない」などと誤った指導がなされていたことも少なからずあったようです。さすがに最近はそこまでひどい指導はないようですが、それでも「女性アスリートの3主徴」をしっかり理解しているアスリートや指導者はまだ少数派です。

報道でご覧になられた無月経の柔道選手は、利用可能エネルギー不足だった可能性が高いと思います。柔道のような階級別の競技は、摂取エネルギーを制限し目標体重まで落とすことがあり、利用可能エネルギー不足から無月経になりやすいと言えます。診断には基礎体温や食事調査、エストロゲンなど女性ホルモン系の血液検査が必要ですが、「利用可能エネルギー不足」では無月経の原因が説明出来ない場合には、無月経の原因として「強いストレス」「多嚢胞性卵巣症候群」「甲状腺機能異常」「高プロラクチン血症」など想定して精査を進めていくことになります。

スポーツ内科医は、眼の前の患者さん(アスリート)の病態の大部分は、運動・スポーツに起因するものだと考えながらも、常に運動・スポーツとは関係のない一般内科疾患に起因しているのではないかと疑いながら診ることも必要です。実際に「甲状腺機能低下症」「下垂体腺腫」などの運動・スポーツとは関係のない内科疾患が見つかることも珍しくありません。

同様に、スポーツ貧血の主因は鉄欠乏性貧血ですので、その鉄欠乏が「運動・スポーツ」だけで説明しうるものなのか、消化器疾患(大腸ポリープ・大腸癌など)や婦人科疾患(子宮筋腫など)など運動・スポーツとは関係のない疾患が隠れていないか見極めていく必要があります。どこまで精査するのかというのは難しい問題ですが、性別、年齢、随伴症状、貧血の程度、鉄剤の反応性、患者さんの希望などから総合的に判断します。

――「無月経」「月経困難症」「月経前症候群」など、婦人科系の問題を抱えた患者さん(アスリート)も少なくないということは、女性医師が求められるケースは多いのではないでしょうか。

はい、私も仲間になってくださる女性医師を募集しています! まず月経に関連する問題ですが、女性アスリートにとっては男性医師より女性医師の方が気軽に相談しやすいでしょう。何らかの専門性を持ちながら、スポーツ内科医の仕事も並行して行うことができますので、subspecialtyのひとつとしておすすめです。例えば消化器内科専門医資格は取得したものの、何か他の医師とは違ったユニークな取り組みをしたいと考えられている女性医師がおられましたら、選択肢のひとつに「スポーツ内科」を入れていただきたく思います。

また、運動・スポーツ中の不調はあるものの日常生活では症状のない若年アスリートが患者の大半を占めるため、原則的に入院はなく外来診療で完結するのも家庭との両立を図る女性医師にとってはメリットではないでしょうか。

――今後の抱負をお聞かせください。

関西は首都圏に比べてスポーツ内科の認知が進んでいないので、もっと多くのスポーツ関係者・医療関係者にスポーツ内科を広めていきたいですね。スポーツ内科の力で多くの関西のアスリートがより元気になり、そしてパフォーマンスを向上させ、世界に羽ばたいていって欲しいと考えています。

そのためには仲間が必要です。現在はホームページを自作したり、メディアに寄稿したりして情報発信に力を入れています。この記事を読んで少しでもスポーツ内科に興味を持っていただいた方は、地域・診療科を問わず是非私まで連絡をください(メール:yuki.tanaka.kobe★gmail.com ★を@に変えてメールを送信ください)。特にスポーツ経験のある内科医は、アスリート特有の悩みなどにより共感できるはずで、スポーツ内科に向いていると思います。

加えて、スポーツ栄養士とも連携しながら、スポーツ内科やスポーツ栄養の啓発をさらに推進したいと思っています。最終的には、どの地域でも、どんな競技の、どんな年代の、どんなレベルのアスリートであっても、希望すれば気軽にスポーツ内科やスポーツ栄養にアクセスできる環境を作ることが目標です。現在は東朋病院大久保病院でそのモデルケースを作ろうと奮闘中です。

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文/坂口 鈴香