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2018年05月02日

医師たちの当直事件簿

医師なら誰もが通る道――「当直」。それは、手に汗握る緊迫から驚愕、脱力までエピソードに事欠かないドラマチックな現場でもあります。そこで、joy.netパートナーの医師たちに「当直事件簿」を聞いてみました。医師なら思わず膝を打つ赤裸々なエピソードの数々、ご堪能ください。

深夜真っ只中になんでそんな理由で来院!?
思わず医師を脱力させる患者たち・・・

夜中、度々の救急搬送で一睡もできず、やっと落ち着いて当直室に戻った午前4時。暖かい布団に入り、束の間の休息・・・と思ったら、またPHSがなりました。「先生、救急搬送なんですけど・・・眠れないという主訴なんですがどうしましょう」と。あなたの救急搬送のせいで私が眠れないんですけど、と、ずっこけました。(内科)

 

深夜2時。便秘を訴える患者さん登場・・・怒ってもいい、・・・いや、やっぱダメですかね?(一般内科)

 

夜中の3時に緊急避妊ピルがほしくて電話。しかもコトに及んだのはその前の夜・・・。(産婦人科)

「眠れない」「便秘」「緊急避妊ピル」・・・、当事者にとっては大問題かもしれません。でも、でも・・・深夜に来院するほどの「緊急性」はないですよね(涙)。中には、「昼間は混んでるから・・・と平然と風邪程度で来院する患者さんもいて膝から崩れ落ちる(外科)」なんて声も。本当に必要な人に医療を届けるために、そして医師たちの負担を軽減するためにも患者側のリテラシーも求められることを切実に痛感します・・・。

ICUに溢れかえる酔っ払いたち・・・

アルコール多飲による急性膵炎の患者が入院していたが、夜中にせん妄状態となりICUで大暴れ。男性スタッフをかき集めなんとか押さえて「先生、今です」って言われ、鎮静剤を筋注したところ患者さんの足が私めがけて飛んできて吹っ飛びました。(消化器内科)

 

泥酔して怪我した芸能人が緊急搬送されたが非常に態度が悪くスタッフの胸ぐら掴んで暴言吐くモンスターペイシェントで大変だった。(麻酔科)

春はお花見に新歓コンパ、新入社員歓迎会、夏は暑気払いにビアガーデン、秋はお月見に学園祭打ち上げ、冬は忘年会・・・・・・よくよく考えれば、一年中酔っ払いが生まれる機会はたくさん。その分、医師たちは対応に苦慮されていると思うと、せめて自分とその周囲はご迷惑おかけすることのないように気を付けようと襟を正します。

深夜に来て、ごねたりしていた酔っぱらいのヤクザを、強面の救急指導医が一喝して退散させた。ほんもののヤクザよりもよっぽど怖かった…。(緩和ケア)

なんとも痛快なエピソード! さすが、一分一秒を争う命の現場でしのぎを削る救急指導医。頼れる姿にクラっとしちゃいそうですね♡ 
酔っ払いの処置が続いたことで、こんなヒヤリとする経験をされた先生もいるようで・・・

12月の胃腸炎&忘年会シーズン。胃腸炎や飲みすぎで嘔吐、下痢の人で救急外来があふれていました。その中で、「飲みすぎたみたいで、頭が痛いみたいで吐いているんです。」とひときわ辛そうに吐いている40代のサラリーマンが同僚に連れられてやってきました。

 

ああ、またか、下痢もしてるみたいだし胃腸炎もあるのかな、と思っていたら、別件でフィルムを持ってきてくれた放射線技師さんが、「先生、あの人も頭のCTとりますか?機械まだ電源を落としてないから。」と。そこで、はっと、クモ膜下出血の可能性にも気づきました。CTをとると、教科書的なクモ膜下出血、すぐに転送しました。今思い出しても冷や汗です。思い込みは怖いです。この放射線技師さんには本当に感謝です。(内科)

緊迫の救命救急最前線

交通事故で瀕死の人が運び込まれて来た。院内に居た医師全員で救命にあたりました。一段落ついて廊下に出てみたら、暗い廊下の隅で加害者の方が必死で般若心経を読んでおられた…午前2時(無事助かって退院されました)(一般内科)

 

口を切ったと連絡が入り外来へ...、下口唇がもう少しで取れてしまいそうなくらいぶらんぶらんな状態で口周囲を中心に受傷した患者さんに驚いた。縫合しその後通院してもらったが、今となっては受傷起点さえ忘れてしまった自分の記憶力のなさにも驚く。(科目非開示)

 

院内で夜勤のスタッフがCPAで倒れ、飲み会帰りにたまたま病院に立ち寄った研修医も巻き込んでみんなで心マ。(麻酔科)

これぞ当直、これぞ救命救急という緊迫の時。なお、泌尿器科では、こんな緊迫した当直もあったようで・・・

2回連続で持続勃起症の患者が来た。シャント処置は血だらけで気が滅入った。(泌尿器科)

 

下腹部痛の小学3年男子、触診では陰嚢には異常なく緊急性がない様子でいざ返そうとした時、いきなり嘔吐。急性陰嚢症として緊急搬送、精索が270度回転していたと返信が来た。(泌尿器科)

精索が270度回転・・・・・・。読むだけで、痛みで気を失いそうです(震)。

謎の訴えに、謎のジンクス
当直現場に溢れかえる“謎”たち

深夜11時、「肛門の検査希望」の若い男性来院。不審に思いながらももちろん直腸診をしたのですが、もしかしたらあれって、異常性癖の人だったのかな…(一般内科)

 

正月1/2の当直は必ず荒れる。3件連続の超緊急帝王切開の末に重症新生児仮死の赤ちゃんが生まれたのも1/2だったし、救急車で2歳のCPAが運び込まれてきたのも1/2だった。あと、新型インフルエンザの流行当時、当直時に受け入れた救急車が12歳のインフルエンザ脳症で、来院時すでに徐脳硬直が見られたこと。後にも先にも徐脳硬直を見たのはあれっきりです。(小児科)

この日は荒れる。この曜日は荒れる。この人がいる日は荒れる・・・・・・当直が荒れる条件は様々でありながらも、多くのジンクスが寄せられました。自己暗示がかかっている部分も多少はあるとは思うものの、なにゆえに!?と気になりますよね。

数々の難局を乗り越えた結果、当直後はこうなっちゃいます・・・

研修医のとき、ER当直とローテーションしていた循環器科の当直が二日連続になってしまい、3日目の朝、起きられなくて朝カンファの時間に先輩研修医から電話がきて一気に目覚めてしまった。オーベンの先生は怖めの先生だったけれど、いやぁ、仕方ないよねって言ってくれた。(放射線科)

 

寝られない当直の後は、フラフラの足取りで家路につき、泥のように眠る。当直前に化粧も落とさず、当直後も化粧を落とさず・・・顔もドロドロ。でも、それならまだいい。当直後に連続勤務の日のキツさといったらない。(外科)

ハードな当直の後に連続勤務・・・そんな実態もまだまだある現実。joy.netでアンケートを取った際も、現在も当直を行っている先生の中で「当直後も通常勤務」が72.7%と目を疑うような数字となっていました。先生方、本当におつかれさまです(涙)。時には、ゆったり当直、ほぼ寝当直アルバイトをお探しするというのもいかがでしょうか? 

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恐怖のモンスターペイシェント図鑑。 女医たちの悲鳴を集めました。

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文・編集/joy.net編集部