
手術終わりの●●のススメ/麻酔科医ひつじのワークとライフとその真ん中 ー第28回
オペ後は術者も患者さんも汗だく・・・そこで、ひつじ先生が所属する病院で行っているのは手術後の患者さんへの洗髪。そこには、思わぬ効果もあるようで・・・
手術の終わりに患者さんの洗髪をするのは、当院だけですか?
だとしたら皆さんの施設にもオススメしたいです!
洗髪する対象手術はいくつかに限定されますが、例えば頭頸部外科の再建を伴う咽喉の手術や脳神経外科の手術です。
どちらの手術も朝イチで入室して終わりは夕方から深夜。手術終了して覆布を剥がすと患者さんの毛髪が血液と洗浄生理食塩水でべっとり、たとえ防水キャップをかぶっていたとしても中がムレムレだったり、洗浄水が隙間から入っていて結局ぐしょぐしょ。拭いても拭いても埒があかず、以前はそんな状態のままでICUへ帰っていました。
そして頭頸部に手術創のある患者さんの洗髪ケアはしばらく行われません。創部にガーゼや保護テープが貼ってありますし、洗髪によって創部が汚染されそうな・・・?。なら手術終了直後にやっちゃおう!って誰が考えたのか分かりませんが、いつのまにか頭頸部外科や脳外科の先生方が『自発的に』患者さんの洗髪をするようになりました。
特別なシャンプーや水を使うわけではなく、ドラッグストアで購入できるシャンプーと、手洗い場の温水を使います。ながーい手術がようやく終わっておもむろに洗髪が始まると深夜の手術室にフローラルな香りが充満し、まるでカリスマ美容師のごとく慣れた手つきで患者さんの頭皮を優しくマッサージする外科医。洗い流してタオルドライするだけでなくコームで髪のほつれを整えればなんとすっきりすることでしょう‼︎ 手術室は乾燥しているのかドライヤーを使わなくても案外すぐ乾き、患者さんの髪がサラサラフワフワして美しく整ってくると、わたしたちも1日の疲れがすっかり吹き飛ぶくらい清々しい気持ちになります。
手術後に、綺麗に整えてもらってよかったねとご面会のご家族からの受けも良好です。
シャンプーするようになってから術後の感染率も下がった気がするとまで外科医が言い出す始末(笑)。もうみんなシャンプーにハマってます!
■プロフィール:ひつじ
関東圏の急性期病院で勤務する麻酔科医。卒後13年目の麻酔指導医、集中治療専門医として激務をこなす。一般職の夫と2頭のラブラドールレトリーバーという家族構成。家庭も仕事も両立できるのは、夫の深い理解のおかげと日々感謝。謙虚に仕事に取り組んでいるつもりなのに、
何故だかドSキャラ。
医師求人なら、求人数最大級『Dr.転職なび』『Dr.アルなび』へ。 |