
当直、長時間オペ……。
過酷な勤務を助ける
料理家女医の簡単&美的レシピ
過酷な勤務を助ける
料理家女医の簡単&美的レシピ
「昼は診察の合間にコンビニのおにぎりを30秒で完食」「当直明けは疲れすぎて、何も食べずにベッドで撃沈です」というのが、多忙な医師たちの食生活の現実のようです。患者さんには食事のアドバイスをするけど、自分のこととなると驚くほど無頓着……。疲れ顔でお肌ボロボロでは、女としての幸せも遠のいてしまいます。
そんなドクターたちを救うべく、医師でありながら料理家としても活躍する河埜玲子さんが、女性医師に向けてのスペシャルレシピを紹介します。一品でしっかり栄養バランスがとれる、超時短メニューの実力をご賞味あれ!
河埜玲子(こうのれいこ)先生
1978年生まれ、滋賀医科大学医学部卒業。現在は済生会松坂総合病院にて麻酔科に勤務。医師として臨床に携わるなかで、身体と心の健康のためには、毎日の食事がいかに大切かを痛感。今、まさに子育て中である自身の経験から、働くママを応援するため料理家として活動をスタート。身近な食材を使った簡単、時短レシピを提案している。ブログや著書『忙しい人のための“一品で"栄養バランスが取れるレシピ―女性医師が教える体と心が喜ぶ食事』(SBクリエイティブ)などでレシピを紹介。
疲労がピークに達した当直明けは
あったかスープで心地よい眠りへ
長時間勤務で疲労困憊のときにおすすめなのが、消化のよい豆腐と卵を使ったあたたかいスープ、酸辣湯(さんらーたん)。当直弁当で不足しがちなビタミンをにらで、食物繊維をなめこともずくで補給し、胃腸に負担をかけずに栄養をとることができます。睡眠不足で乱れた腸内環境やお肌の調子を整える効果が期待できるのもうれしい一品です。ほどよい酸味と辛味が味わい深いスープは、食欲がないときにも食べやすいおいしさ。生姜やラー油が身体をあたため穏やかな眠りへといざなってくれます。
【豆腐となめこのもずく酸辣湯】 調理時間:5分
材料(1人分)
豆腐 小1丁(100g)
にら 1/2束
なめこ 1パック
もずく酢 1パック(70g)
卵 1個
水 300cc
鶏がらスープの素(顆粒)小さじ1
塩こしょう 少々
ごま油 小さじ1/2
ラー油 適量
作り方
①豆腐はさいの目に、にらは3cm長さに切る。
②鍋に水、鶏がらスープの素、豆腐、にら、なめこ、もずく酢を入れて中火にかける。
③さっと煮て、にらとなめこに火が通ったら、溶きほぐした卵を加える。ひと混④ぜして火を消し、余熱で卵に火を通す。ごま油、塩こしょうで味を整える。
⑤器に盛り付け、ラー油を回しかける。
POINT
もずく酢で味付けするので、鶏がらスープの素と塩こしょうのみで味が決まります。なめこで自然ととろみがつくので、水溶き片栗粉は不要。たださっと煮るだけの簡単レシピです。
余ったにらは、食べやすい長さに切り、直接ジップロックなどに入れ、冷凍保存できます。凍ったままスープや炒め物に使えて便利。豆腐は1人分(100gぐらい)ずつパックになっているものがおすすめです。3〜4個セットで売っていますが、開けなければ日持ちがするので無駄になりにくいです。これ一品とご飯で満腹になるよう分量は1.5人分くらいにしています。残ったら、戻した春雨を入れてあたため直して軽い朝食にもなりますよ。
腹持ち&栄養バランスばっちり!
オペが多い日のがっつり系朝ごはん
数時間に及ぶオペが入ると食事はなかなかとれないものです。そんな日はボリュームがあり、腹持ちがいい朝ごはんを食べておきましょう。紹介するのは、野菜やチーズをたっぷり使った食事系のパンプディング。パンの炭水化物、卵・ウインナー・牛乳・チーズのたんぱく質、ミックスベジタブルのビタミンなどがバランスがよくとれ、お腹にしっかりたまる料理です。表面はこんがり、中はふわふわでとろっとしているので、食感の違いが楽しめ食べ飽きないのも魅力です。
【トースターで!お食事パンプディング】
調理時間:20分(作業時間は約5分)
材料(1人分)
食パン(6枚切り) 1枚
ウインナー 2本(20g)
卵 1個
ピザ用チーズ 10g
材料A |
作り方
①食パンは縦横それぞれ4等分のさいの目に、ウインナーは斜め切りにする。
②グラタン皿に食パンを並べ、その上にウインナーをのせる。
③ボウルに卵を割りほぐし、Aを加えてよく混ぜて、②のグラタン皿に流し入れる。
④ピザ用チーズをのせ、オーブントースターで約12分焼く(途中で焦げそうになったら、上にアルミホイルをかぶせる)。
POINT
作り方はいたって簡単。フライパンを使わずトースターにお任せなので、焼いている間にメイクをするなど出勤の準備ができ、忙しい朝にぴったりです。前日の夜に耐熱皿に材料を入れてラップをかけ冷蔵庫に入れておけば、朝はトースターで焼くだけなのでさらに時短になります。野菜は冷凍を用いることで、生野菜を買ってダメにしてしまうことがないので、とくに一人暮らしの方にはおすすめです。
週末に作り置きしておけばラク。
夜中でも安心のヘルシーおやつ。
「当直のときは、ストレスと疲労からか甘いものが欲しくなるので、日に日に太っていく……」という女性医師の悩みは多いようです。そこで、グラノーラを使った健康的なスイーツを紹介します。噛みごたえがあるので少量でも満腹感があり、シナモンの香りが甘味を強く感じさせる効果もあるので満足感が充分。
【シナモン香る手作りグラノーラバー】
調理時間:5分(冷やし固める時間を除く)
材料(約7cm×約12cmのバット分)
市販のグラノーラ 100g
(約1カップ)
マシュマロ 20g
バター(有塩、無塩どちらでも)
10g
シナモン 適量
- 作り方
①大きめの耐熱ボウルにマシュマロと小さくちぎったバターを入れる。 - ②ラップをかけずレンジ600wで20〜30秒加熱し、マシュマロが大きく膨らんだら取り出す(すぐに膨らむので目を離さないように)。
- ③熱いうちにスプーンなどで混ぜ、マシュマロとバターをなじませる。かたまらないうちに、グラノーラとシナモンを加えてよく混ぜる。
- ④クッキングペーパーを敷いたバット(同じくらいの大きさのタッパーでも)に③を入れ、上からもクッキングペーパーをかぶせ、手やスプーンで押し付けながら広げる。
- ⑤冷蔵庫で冷やし固め、食べやすい大きさに切り分ける。
POINT
グラノーラは食物繊維が多いのでクッキーを食べるよりもビタミンやミネラルが豊富です。レンジでチンして混ぜるだけの、オーブン不要のラクラク・時短レシピです。
「毎日料理を作るのが面倒」 |