16d77468 c400 4e2e b427 38b069891e1fアンケート
2018年07月23日

医師を辞めたいと思ったこと、ありますか? ⇒ 回答は・・・・・・!?

やりがいも大きく、社会的責任も絶大な医師の仕事。とはいえ、患者さんの命を預かる重責に、時にプライベートが二の次になってしまうこともしばしば。「働き方改革」が声高に叫ばれ、長時間労働削減だ、プレミアムフライデーだといそいそと職場を後にする会社員を横目にカルテ入力に追われる・・・・・・なんてことも少なくはないはず。あまりの多忙さに「何のために医師になったんだっけ?」と自分を見失いそうになることも。だからこそ、あえて聞いてみた。「あなたは、医師を辞めたいと思ったこと、ありますか?」

 

「よくある」「時々ある」合わせて54.3%。辞めたいと思うことがある医師がやや優勢ではあるものの、「全くない」人も22.9%と一定数いる様子。果たして二極化の理由はどこにあるのでしょうか? ということで、それぞれの回答の理由から「医師が辞めたくなるとき」を考えてみました。

いじめと妊活で退職――
それでも、復帰したいと思わせるもの

上からのいじめがあり精神的に参っていたところ、主人より「子供を作りたいならパートになってくれ」と言われ、週2でバイト生活兼妊活をすることにしました。無事授かったので、しばらくは復帰しないつもりです。医局には子育てしながらフルタイム復帰するか、大学院に入るかしか選択肢がないので、働きにくい医局だと思います。(循環器内科)

こちらの先生、いじめを行ってきたのは、独身の先輩女性医師だったとか。激務でストレスが多い職業であるからこそ、「パートになってほしい」というご主人の申し出も、「辞めるきっかけを作ってくれたのでは?」と冷静に分析されていました(関連記事:女医の妊活)。多忙な医師の仕事と妊活は至難の業。不妊治療も要するのならなおさらです。なお、こちらの先生は辞めることへの罪悪感を次のように振り切ったと言います。

自分がいなくなったら目の前の患者さんはどうなるんだろう、と責任感のみで働いていた。限界がきた時にそれを見かねた上司の命で2週間休んだ。そしたら意外と「自分がいなくても何とかなるんだ」と思えて辞めることを決意できた。

ちなみに、今は「医学教育」という新たなテーマに携わられているそう。辞めても辞めっぱなしにはしない強さ。臨床からは少し距離を置いた今も、「苦しそうに来院した患者さんが元気になって退院していくとき。この嬉しさは、やめた今でも「いつか復帰したい」と思わせる達成感です。」と振り返られていました。

持病と勤務との両立、心ない一言、そして・・・
医師を辞めたいと思うことが「よくある」女医たちの声

1)妊娠が分かったとき、育児休暇を保育園入園の関係で1か月だけ欲しいと言ったら教授に「お前のような女医が女医の地位を低くしている!法律だから仕方ないが、産休で4ヶ月も休むくせに、育休だと?それ以上休みたいと2度と言うな!」と怒られたとき
2)持病のぜんそくが酷くなったが、休めず外来をしていて咳に対しての苦情がたえなかったとき。
3)全然働かない医師の分まで仕事を押しつけられ、休みももらえないとき。(内科)

「産休で4か月も休むくせに、育休だと?」とは驚きの暴言。・・・い、いまって21世紀ですよね!? きっとこの教授、子育ては奥さまに任せっぱなしの育児放棄オットか、子どもは放っておいても育つと信じている少々想像力に欠ける方なんだろうなあ。一事が万事、今後もこの調子が続くと思うと「辞めたい」と心が折れてしまう気持ちも頷けます。

とはいえ、この女医さんのタフネスを感じさせるのは「とにかく耐えて耐えて耐え抜いた。旦那に八つ当たり。趣味を楽しむ。嫌な奴(上司や教授など)に罰が当たりますようにと夜な夜な念じる」といった複数の対処法を講じたとのこと。八つ当たりされた旦那さんはとばっちりな気もしますが(汗)、きっとそこは状況を理解して妻と一緒に「夜な夜な念じて」くれた・・・はず!?

持病との両立に苦しむ医師からの声は、他にも寄せられていました。

持病のことが誰にも言えず、かつ要求されるレベルが高いから(科目非開示)

 

持病のことは、打ち明けるのにも勇気がいる。甘えてるように思われるのも本意でなく、もやもやしている中で“辞めたい”という思いが頭をよぎることも(内科)

中には「結婚したい(から辞めたい)(皮膚科)」という潔い回答も。結婚にエスケープしたい時期、もうこれはきっと通過儀礼です。

プライベートとの両立の困難、モンスター患者対応、無力感・・・
時々医師を辞めたくなるのは、そんなとき

自分のプライベートが無さすぎる。患者さんのために自分を犠牲にする部分が多すぎる。そして、長時間労働や自己犠牲を当たり前とする周囲の雰囲気に疲れる。(小児科)

 

止むを得ず子育て・家族優先の働き方をしており、同期や後輩に仕事上どんどん置いていかれていると感じる時。(放射線科)

プライベートを犠牲にするか、家族優先でキャリアは諦めるか――「真ん中はないんかい!?」と叫びたくなる二者択一な状況も「辞めたい」を引き起こす要因になるようです。とはいえ、このお二方、もやもやへの対処法は似通っていて「信頼できる人に、やめたい!と口に出したりして話を聞いてもらっていると、だんだん、『まぁ仕方ないか、楽しい部分もたくさんあるし、やりたかった仕事だし。。』となって気持ちが落ち着く」「気持ちになんとなく折り合いをつけつつ、日々を過ごしているうちにまあいっかと思えるようになる」とのこと。時間が解決してくれるってこと、ありますよね。

中にはこんなショック療法もあるようで・・・

うつ病で治療中、自分が仕事の能力が低いこと、ストレスに絶えきれないこと、など思い悩んだため。(麻酔科)

 

⇒ 対処法:現在もやめたいことも多いですが、大学病院をでて異動したら、やめたい気持ちが減りました!なお、住宅ローン(一戸建て)の明細書をみると、仕事をやめたい思いは消え失せますね(爆)

確かに住宅ローンの明細書は、人を仕事へ駆り立てるパワー抜群!「辛い思いをしても、お金もらえるなんてラッキー♡」と感覚も麻痺してきそう。

子育てと仕事が両立できないとき。今働いている場所の環境が悪く、異動したくても子供がいるため異動できない。それぐらいなら辞めたほうがマシ。(リハビリテーション科)

こちらの先生、「より良い職場をさがしている。それが見つからないなら、ワンオペ育児なのでやめようかと考えている」とのこと。育児との両立が可能な職場探しなら、ぜひjoy.netを運営する「エムステージ」の「Dr.転職なび」「Dr.アルなび」にご希望をお申し付けください。専任コンサルタントが、先生のご希望に沿ったオーダーメイドのリサーチを行いますよ!オーダーはコチラ(唐突)

遠くにいる親戚がむやみな延命治療を希望してきたり、入院する人がことごとくもともと意思疎通できない人だったり、そういう患者さんの急変で夜中や休日に呼び出しがたくさんあったりで精神的にも肉体的にも疲労がたまったときやめたくなる。 あとは育児との両立に関して周りの理解がなく、精いっぱいでやっていても周囲からは責められたり「楽していていいよね」みたいにみられるとき。(総合診療科)

 

研修医やコメディカルの意見に耳を傾けない上司の元で働き、医療事故が起きた。改善策を訴えたが、ことごとくスルーされ、働く意欲がなくなった。(病理科)

 

自分の力ではどうすることもできない状況にあっても、コメディカルや患者・家族から、現状を打破するためのリーダーシップを求められるとき。また、診断書がらみの理不尽なクレームで「医者で高い給料もらっているくせに」と延々2時間怒鳴られ続けたとき。特に経験が浅い時期にはとてもつらかったです。(精神科)

 

若手の頃は当直が多く家にあまり帰れず、医師ではなくてもできる注射だけで1日が終わったりし、お給料もとても少なくやりがいが感じられなかったので。(放射線科)

 

モンスター家族患者の対応をしてるとき(科目非開示)

無力感を覚えるとき、理不尽な目に遭ったとき、先が見えないとき――。心がささくれ立つ状況は、ほとんどの医師に思い当たる経験があるのではないでしょうか。

医師を辞めたいなんて思ったことない!
やりがいを全力で感じる天職派と苦労を知った派

仕事が充実しているから(一般外科)

 

楽しくて仕方ない!(内科)

 

色々大変なときもあったけど、やはり仕事をしていると、やりがいを感じる。私の働く姿をみて、子供達はカッコいいと思ってくれている。そんな姿を成長する中でこれからも見せて行きたい。(内科)

 

大変なことや、悩みは尽きないけど、やめたいとは思ったことはない。辞めて解決することもあるかもしれないが、解決策としてそういう姿勢を取りたくないという自己哲学なのかもしれないし、そこまで大変なことを経験したことないのかもしれない。(麻酔科)


医師である自分を自分と思っていますし、医師以外務まる気が全くしません。医師という仕事は周りのサポートがあり、職場からも子育て中の母である私に十分配慮してくれています。生活習慣病について毎月講演をする仕事もしていて、ありがたいことに楽しみにしてくださる常連のお客様もたくさんいらっしゃるのです。天職と思っています。(一般内科)

ポジティブオーラ全開の回答に「医者を辞めたいと思ったこと、ありますか?」なんてこまい質問した自分を恥じてしまいます。。。「天職だ」と心から感じられるって本当に素晴らしいことですね。1つひとつの経験を糧に前向きに歩んでいらっしゃったからこそ味わえる感情なんだろうな、と尊敬の念を抱かずにはいられません。

苦労して得た資格なので、簡単には辞めたいとは思わない。持病の療養のため休養したときもあり、仕事を続けることができることは有り難いことだと思うため。(精神科)

 

父の体調不良で一時不動産業を手伝ったことがあります。クライアントの希望に沿うよう職人と一緒にブロック砕いて生コン(クリート)発注してコンクリ流して固めるとか、産廃ガラを2トン車で運んだりのガテン仕事から未払い取り立てに立ち会ったり、クレーマーの裁判常習者との裁判に立ち会ったり・・・どの世界もクレーマーは一定割合でいるのだろうし、医師はまだ(下降気味ではあるかもですが)権威がある仕事なのでそれなりに恵まれているということがわかった。楽な仕事などない。何よりまあ、やっぱり自分は医師をやる方が向いているなというのが良くわかったから。(科目非開示)

医師の仕事ができなかった時期、他の仕事を経験したからこそ、医師の仕事のやりがいを客観的に理解できることもある。どんな経験も無駄にしない医師の強靭な精神力を感じさせられます。

真剣にやめたい、辞めようかと思ったのは、まだ若くて周囲とのいさかいも多かった血気盛んな卒後4年目の頃。なんとか踏みとどまって夢中で走ってきて、気づいたら卒後12年経ちます。あのときすごく悩み苦しんだことに比べれば、今は仕事上の悩みなんて些細なことばかりです。(小児科)

こちらの先生は、「これでうまくいかなかったら、医者を辞める覚悟で仕事に一層打ち込んだ。そうしたら徐々に自分に対して周囲の医者やスタッフの見る目が変わっていき、最後は周囲を圧倒的な味方にして職場が居心地良い場所になった」とのこと。覚悟を決めると、環境をも変えてしまうものなのかもしれません。

理由はふたつで、ひとつめは仕事にやり甲斐があるから。ふたつめは、自分が家計の大黒柱だから(笑)(形成外科)

家計を支えるのも大切な働く理由。仕事そのもののやりがいもそうだけど、愛する家族を幸せにしなきゃ!も医師たちを突き動かす大きな原動力の1つですよね。

「医師を辞めたいと思ったとき」それでは、大なり小なり多数の医師に訪れる瞬間であることは事実。それでも、医師たちの回答、対処法を見ていると「だったら、医者を辞めるか、それを糧に前に進むかしかない」と腹をくくって立ち上がる姿が見えてきました。医師たちの逆境力――その強さを感じるアンケートでした。

それでもどうしてもキャリアチェンジを考えたくなったら、相談してください!(しつこい)

<合わせて読みたい>
 「職場で肩身が狭い」「子どもがかわいそう」。育児との両立で出口が見えない女医のホンネ。

文・編集/joy.net編集部

joy.netは、女性医師のワークライフの充実を応援するメディアです。
Dr.転職なび」「Dr.アルなび」を運営するエムステージがお届けしています。
キャリアについてお困りの際は、こちらよりお気軽にご相談ください。
取材のご希望や、記事へのご提案、ご意見・ご感想なども是非お寄せ下さい