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2018年08月03日

緊急速報:東京医大入試での女子一律減点、医師たちはこう考える。

女性医師は妊娠・出産で離職の可能性が高いので、医学部合格者における女子数を制限する。時代錯誤甚だしい理屈に「こ、これは21世紀の日本の話ですか?」と誰もが耳を疑った東京医科大学入試における女子一律減点問題。”入試でのフェアネスは常識”と思っていた前提が崩され、大きな議論が沸き起こっています。それでは、当事者たる医師たちはどのようにこの問題をとらえているのでしょうか? そこで、joy.netでは緊急医師アンケートを実施。今回は、その速報版をお届けします。今朝アンケートを発信した届きたてホヤホヤの声たちです!

Q 東京医大の入試において、女子を一律減点していることについてご意見をお聞かせください。

「理解できる」が18.4%。ここに「ある程度は理解できる」の46.6%と合わせると、実に65%もの医師が東京医大の対応に一定の理解を示しています。これは正直、衝撃を禁じ得ません。果たしてその真意は・・・!? それぞれの回答に集まってきた理由を見ていきましょう。

不誠実、時代錯誤、女性制限より体制整備を
「理解できない」に集まる怒りの声

女性だから離職を前提にすることがそもそも間違いで、時代に逆行している。男性医師は子供が産まれても妻に家事育児の一切を丸投げしていることが多いし、女性医師が産休育休後に復帰しやすい職場環境を整えないと医師不足は進むばかり。(精神科)

 

妊娠出産で辞める女医が多いのは確かです。妊娠や出産は女性にしか出来ませんが、育児は男性にも出来るはずです。育児家事を女性が担う部分が多いから、女医が外科系に進むのをあきらめたり非常勤になったりするのではないでしょうか? 入試にて減点というのは言語道断、あってはならない事だと思います。(内科)

 

出産は結婚した女医の多くが通る道であり、育児をしながらの仕事は大変であり、でもそれを踏まえて仕事を頑張っている女性も多いから、これは全く理解できないししたいとも思わない。(形成外科)

 

私の大学では卒業時の上位10名のうち8名が女性だった。 女性が医師になるのを不当に削減するのは容認できない。 また、女性医師が仕事を辞めざるを得ないのは昭和型男性医師の働きかたを皆に押し付けていることにある。 男女関係なく全ての医師が主治医制でなくシフト制、また脳外科の場合は病院間提携をしてオンコールという制度をなくすべき。 そうしないと全ての病院の脳外科が少ない人数で当直したり急に呼ばれることになる。 私生活と仕事のメリハリがないのは改善できることであるはずだ。(脳神経外科)

過酷な医療現場でのブラックな働き方を前提として、そこから外れる人を排除しようとする前提がNG。そんな至極真っ当な指摘が多数集まっています。さらには、「育児って女性だけがするものでしたっけ?」というそもそものマインドセットへの疑問も。

正直、現場で働くと男性医師より女性医師の方が戦力になることも多い。理由は分からないがこの時代に男女差別?あり得ません。(消化器内科)

 

女医をあまり作りたくないならば、定員を明らかにすべき。 30人しかとりませんとか。それならば納得するが、隠れてこそこそ点数を微調整するやり方は納得いかない。 フェアでない。 きっと「〇〇医大 男子偏差値60、女子偏差値75 とかになるのでしょうけど・・・。」 国民が納得するかですね、女性の方が医師は頭が良い・・・と印象付けるきっかけになりますわ。(内科)

 

同級生は女性のほうが優秀な人の割合が高かった。優秀な人の才能を生かすことが最優先にあるべき。育児があっても貢献できるようなあり方を抜本的に考えようという思考になぜならないのか疑問(呼吸器内科)

女性の優秀さ、ポテンシャルの高さを理由に東京医大の対応を「理解できない」と糾弾する声も多いようです。

東京医大を「理解できる」とする医師は、
医師になった後の周囲への不公平感を指摘

女医の離職率や、当直なしかつ時短などのパート勤務が男性より多いのは事実。 将来的な医師数を考えれば致し方ない。(整形外科)

 

現場では女医が妊娠して実働できる人数が必ず減ります。妊娠出産は喜ばしいですが、妊娠中の仕事には周りは少なからずは気を使います。日勤の人数が少なくなるのは仕方ないです。しかし1番精神的、体力的にもきつい当直の穴埋めをするのは非妊娠女医と男性医師です。ひとつの大学が女性受験生を減点していることくらい問題ないと思います。むしろ東京医大出身の女医は勝ち抜いたんだなと少しブランド力がつくかと思います。(腎臓内科)

妊娠や出産で周囲に負担がいくことを理由にあげる声が多数。周囲への負担が出てしまうのは致し方ない。でも、不公平感がなくなるような体制づくり、インセンティブなどを検討していくのは難しいのでしょうか・・・。

実際に、妊娠・出産で周囲に負担をかけたという負い目があります。だから、女性の数の制限も致し方ないのかもしれません。(内科)

当の女性医師も、自分は周囲に迷惑をかける存在だと自分を追い詰めている様子。女性医師自身も、出産・育児での戦力ダウンは悪・・・と自分で自分に呪いをかけてしまっているような。東京医大の対応を「ある程度理解できる」と回答した医師たちもこの立場を取る人が多いようで・・・

実際自分も、家事育児をするために仕事を調整して、できないことも多いので…働ける男性を優先されることについて、大きなことを言えない。誰もが勉強できる、研修できる、仕事できる風潮に少しずつ変わってほしい。(小児科)

 

女医の離職率が高いのは事実であるし、初期・後期研修中に結婚や出産等のイベントがあることから医局としては育てている途中での研修中断、かつ一番動ける年代の若手が一時的ではあるが減ってしまうことに不安を抱くのは当然のことだと思う。また復帰してもすぐにフルタイムでの勤務ができなかったり、戦力としてカウントができないので男性医師を取りたがる気持ちも理解できる。(総合臨床科)

 

自分が受験生の時なら怒り狂ってたと思います。ただ、妊娠して当直を免除していただいたり、出産のため産休育休を経て、当直はしないような勤務で働かせていただいている今、女性より男性の方が働ける、と言われてしまうとあながち全て間違ってはいないのかなーとか思ってしまいます
女医3人で男性1人分と言われたことにも物議があるようですが、保育所に子どもを預けている身としては、それはむしろそう思っていただいていた方が、何かあった時に気兼ねなく休めて良いのかなとも思います。 ただ、そういったマイナス面がある分、女性がカバーしているところも多いかと思うし、だからこそバイタリティのある人も多い気もします。 将来的に当直で使えない、という意見は言っていることはわかる。しかしその対策をとらずに入学させないことは大問題。(小児科)


入試に手を加えるのはどうかと思うが、気持ちは少しは理解できる。実際女性はマイナー科にかたよりがち。最近の若い先生達の中には資格だけとって、研修期間中に結婚してパッとやめちゃって復職しない先生が一定数いるのも事実。(消化器内科)

 

実際妊娠中、育児中に周りに迷惑をかけたことは自覚しているから。(産婦人科)

女性医師たちから「まあ、仕方ないよね」の声がここまであがることに驚きです。それだけ、肩身が狭い思いをしたり、気後れしてきた結果、諦めに似た境地にも陥るのだとは思いますが。。。

53歳内科女医です。子供は二人とも医学生です。子育て中は正直なにも制度がない時代だったので苦労しました。古い考えかもしれませんが、女医は3割程度が適当と思います。現在は、育児中の女性医師が時短勤務、当直免除を当然の権利としているので、働ける医師の絶対数が減っています。彼女たちは土曜日直すら拒否します。学生時代に制度を十分活用して、医師の職務を可能な限り全うする教育も必要と思います。 (内科)

 

2児の母外科医です。これまで特に時短など優遇してもらわず仕事しています。当直もしています。でも正直、自分の周りで子供をもってもフルタイムで勤務している外科女医はいませんし、当直をしているママさん女医もいません。むしろ、これ幸いに楽な方に流れる、当直免除されたいから早く妊娠したい、という人はたくさんいます。このようなことを言われてしまう女性側にも責任があると思います。(外科)

 

女性医師が増え、かつ比較的楽な科に進む。内科や外科などきつい科では人不足になり、マイナー科でも出産や産後の時短勤務などで結局男性医師や未婚女医に負担がかかる。女性の権利としては認めるし、悪いのは彼女たちではなくてシステムなのもわかる男性医師が家庭のことをやれ、というのもごもっとも。だが、我々男性医師が深夜12時過ぎまで働いたり、当直の肩代わりなど、現実の負担増を考えると東京医大がやったことも必要悪として気持ちはわかる。(放射線科)

ベテラン医師からの指摘、そして当事者からの指摘、重みを感じます。確かに女性医師も医師としての務めを果たすためのあり方を模索しなければならないし、現実に負担をかぶっている男性医師からの辛辣な指摘も、その疲弊ぶりを想像すると、一概に「配慮が足りない」とは言えませんよね。。。とはいえ、女性医師を甘いと切り捨てるのも違うな・・・と思ってしまうわけで。

入試操作はあるものだと思っていた
驚きが少ない医師が一定数いることへの驚き

自分の大学でも、一時期女子学生の割合が増えすぎて(学年の6割が女子)、なんとなく入試の時点で制限されているという噂を聞いたことがあった(精神科)

 

男性中心の社会で、全国的にも合格者に男女差があることが多いので、減点という手法はともかく、男性が合格しやすいのは暗黙の了解だと思っていたが、自分が通った大学は男女比が同じくらいなので、身近な問題ではなかった。(小児科)

 

正直、そういったことはこれまでもあったんだろうな・・・との思いです。今回、これだけ世間が騒いでいるのを見て、「自分は変な常識につかっていたのかもしれない」と驚いているほどです。(皮膚科)

東京医大問題についての医師の見解、今回は速報版をお届けしました(本日アンケートを送付し、本日集まった声を抜粋!)。女性医師を制限しようしてしまう裏側には、医療業界特有のブラック化しがちな働き方を前提とした環境が見えてきました。そして、それを分かっていても抜本的な対策が打ちづらい現状も。では、このような現状を打破するにはどうすればいいのか。次回は、そこについての医師たちからの声、提案をお届けします。

東京医大入試での女子一律減点についてのアンケート
集計期間:2018年8月3日(金)~2018年8月6日(月)
有効回答数:103名
※ 8月3日の記事掲載時は、「理解できる」が13.5%、「ある程度は理解できる」が51.4%と掲載しておりました。その後、追加の回答があったため、新しい数値を記載したうえでグラフをサシカエております。

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文/joy.net編集部