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2018年11月06日

ビデオ喉頭鏡が引き起こした悲劇/麻酔科医ひつじのワークとライフとその真ん中 ー第30回

ハイクオリティ化、小型化、軽量化と進化し続ける医療機器たち。それがまさかの事件を引き起こすとは・・・。ビデオ喉頭鏡が引き起こした顔面蒼白の事態とは?

麻酔科医は『挿管のプロフェッショナル』と言っても過言ではありません。そのため病棟の急変時に挿管が難しいと麻酔科医に緊急コールがきます。 

確かに病棟での挿管はベッドや枕の高さ調整、挿管グッズの品揃え、介助スタッフの慣れ不慣れなどの点で、手術室より環境が整っていないことは否めません。でもそんな事態でも挿管するためのコツを知っていて、どんな事態でも冷静でいられる毛の生えた心臓を持っているのが麻酔科医なんです。 

一方で最近は色々な挿管困難グッズがありますので、昔のように喉頭鏡1本でどんな患者も挿管してみせるのが麻酔科医だ!って時代でもないと思います。緊急の場面で患者さんにより安全で確実に挿管するために、ビデオ喉頭鏡等どんどん使えばいいんです。そしてビデオ喉頭鏡があれば麻酔科医でなくても、安全確実に挿管できるようになればいいと思います

10年以上経験のある先生方はクラシックな喉頭鏡での挿管を多く経験されていると思いますが、ご自身の施設にビデオ喉頭鏡があるなら是非手に取ってみてほしいです。若手の先生なら初期臨床研修の麻酔科ローテで使ったのではありませんか? 画面を見ながら挿管できるので、挿管指導にも役立ちます。 

最近はラパロスコピーが4K対応だったり、3Dだったりしますから、そのうちビデオ喉頭鏡も3Dになるんでしょうか?!(ならないか!)。小型化軽量化も進んで、持ち運びしやすく使いやすくなっています。 

先日、ある病棟で再挿管が難しかったのか、スタッフがビデオ喉頭鏡を手術室に借りに来ました。どうぞどうぞ、でも麻酔科医も行かなくて平気?あ、平気なの?とそのままお貸ししたら、返ってこないんですよね。まだ使うのかなって1日経っても2日経っても返却されないので問い合わせたら、な、なんと捨てちゃったと!! 見た目ディスポっぽかったんでって…、それ1台20万円ですけどね。小型化軽量化進み過ぎかも。 

麻酔科医も事務チョーさんも顔面蒼白な出来事でした。 

■プロフィール:ひつじ
関東圏の急性期病院で勤務する麻酔科医。卒後13年目の麻酔指導医、集中治療専門医として激務をこなす。一般職の夫と2頭のラブラドールレトリーバーという家族構成。家庭も仕事も両立できるのは、夫の深い理解のおかげと日々感謝。謙虚に仕事に取り組んでいるつもりなのに、何故だかドSキャラ。

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