3a657f2a ab51 4869 bb0c d9cda9135fc0連載・コラム
2018年11月16日

3児の父となった脳外科医の決意【のうげかなう。joy.net支店 第20回】 

第三子が誕生した赤木家。上のお子さま2人は、出産で母親不在の1週間という試練を迎えます。そんなお子さまたちの様子を目の当たりにして、赤木先生も医師として新たな決意がわきあがってきたようで・・・













私事ですが、つい先日第3子が誕生しまして3児の父となりました。

その時に起こったこと、感じたことを4コマ漫画のキャラで描かせていただきました。

以前は里帰り出産などの事情で、妻の入院している間に上の子がどんな感じだったのかを直に見たことはありませんでしたが、今回3人目の出産では上の子供2人と1週間自宅で過ごすことになりました。たった1週間の母親不在期間でしたが私自身も感情を揺さぶられることが多く、濃密な長い1週間でした

こんなことを言うと「普段から父親が積極的に家事と子育てに参加してないだけでしょ!」とお叱りを受けるかもしれません。しかし私は今回、子供たちにとっていかに母親の存在が大きいのかということを深く思い知らされ、その事をどうしても書かせていただきたいと思いました。

本来は父親も子供にとってそのくらい大きな存在となるべきで、家事や育児における存在感・役割分担・責任は父親も母親も平等にもつべきであるということは重々承知しております。その上で敢えて書かせていただきますのでどうかご容赦ください。

さて本題に戻りますが、家事や子供の送迎などは私が仕事を休むこと、普段よりも余分に出費すること、そして祖父母たちのありがたい手助けによって何とか乗り切ることができました。

しかし「お母さんがいない」という大きな心の穴だけは1週間埋められず、子供たちはふとした瞬間に寂しがって泣いたり、怒りっぽくなったりと大変でした。そうした子供たちに接する中で私自身も泣いてしまう時もありました。妻が退院してきた日の子供たちの嬉しそうな顔は忘れられません

その時ふと思い出したのは、自分が脳外科で担当していた入院患者さん達のことでした。

小児患者に付きそうお母さんや、自分自身が脳腫瘍で入院しているお母さん――

彼女たちは場合によっては数ヶ月~半年以上の長期間に渡って入院することもあります。そんなお母さん達が口を揃えておっしゃっていたのは「病気ももちろん心配だけど家にいる子供も心配。子供たちが寂しがって困る」というような事でした。

その時は私も「そうですよね~大変ですね」「お辛いですね」と共感を示す言葉をかけていたのですが、今思い出すと通り一遍の応対だったかもしれません。

しかし今回の出産での経験を機に、病院に長期間入院しているお母さんや家に残されている子供、その他の家族がいかに辛い状況にあるのかということを生々しく実感できるようになりました(とは言っても脳外科に病気で入院するのと出産で1週間入院するのとでは次元が違うでしょうが……)。

入院患者さんの多くは大切な家族を家に残してきています。それは母親だけに限ったことではありません。入院患者さんにはできるだけ早く退院してもらう、外来でもできる治療や検査はなるべく外来で行う、という当たり前の事を徹底していこうと改めて決意しました。同時に、家に残されているご家族に関する配慮も忘れてはいけないなと痛感しました。

当たり前のことを長々と書いてしまったかもしれませんが、私はこれまでその当たり前の事を深くは理解できていませんでした。少しでも誰かの参考になればと思い、今回その事を書かせていただきました。

■作者:赤木 継
某大学病院に勤務する脳神経外科医。3児の父。ブログ「のうげかなう。」にて、4コマ漫画とエッセイで脳神経外科医の日常を綴っている。 

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