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2019年03月31日

医師たちが出会った「この人優秀!」「この人イマイチ」なコメディカルとは

医師が職場で快適に働くためには、働き方改革以前に、職場の人間関係がとても重要です。医師同士ならば相手の立場や考えも想定できますが、難しいのがコメディカルとの関係。コメディカルは自分にない専門知識やスキルを持って働くプロですが、一緒にいると立場の違いを意識したりお互いに遠慮してしまうことも。互いの仕事を尊重しあい、全幅の信頼を寄せられる関係であれば、これほど心強いことはありません。
今回は、joy.netパートナーの女性医師たちに、コメディカルとの関係やそれぞれの役割について聞きました。

これまで出会った「この人は優秀だ」と思ったエピソード

・なぜその薬剤の適応があるか理解し、その患者に適した状況下を判断できる看護師さんは優秀だと感じる。薬剤師さんは、配合変化などあまり普段意識しないところまで指摘してくれると、感心する。(小児科)

 

・ICUで一緒になった看護師や薬剤師が自分よりも感染症に詳しかったりもして、参考になるようなケースが何度もあった。(血液内科)

 

ためらわずに疑義照会をしてくれる薬剤師。普段は自分でほとんどの問題を解決している看護師からの夜間のコール(過鎮静による意識障害だった)。普段コールせずに自分でアセスメントできる看護師ほど、信頼できると感じた。(内科)

 

・ターミナルなどの厳しい面談の後に、患者さんやその家族に寄り添いつつ,ドクターのフォローもしてくれた看護師さん。救急外来などでごねる患者さんやその家族をうまく帰宅させてくれる看護師さん。(消化器外科)

 

・正確に身体所見を取った上で問題点をまとめ、「どうしたらいいですか」ではなく「●●してはどうでしょうか」と提案してくれる看護師さんが一定割合いて頼りになる。医師の指示だけを頼りにするのでなく、看護ケアとしてできることを提案してくれたのは嬉しかった。看護のこと、私たちは案外知りませんから。実際ケアを受けることで、患者さんの満足度も随分違ったように思います。(一般内科)

 

・診療放射線技師:大学病院勤務の際、カテーテル検査や造影CTなど優秀な技師さんには大変助けられた。ベテラン技師は下手すると若手の医師より全然知識も技術もあるのに、おしつけがましくなく、困っているときなどさりげなく誘導してくれたり別な方法を提案してくれたりした。人間としても尊敬しています。(小児科)

 

・なんでも先回りしてくれるメディカルクラークさん。文献の取り寄せを依頼→文献のさらに参考文献まで取り寄せ。手術日の調整が必要になる→他日程、麻酔科の都合、手術室の都合、付き添い家族の都合まて把握。みたいなことが日常茶飯事。頭があがりません。見やすい斬新な3D-CTの構築をしてくれる放射線技師。こんなところも見えるのか?と感激するし、手術の計画も楽になる。それを依頼せずとも、さらっとやってくれるので拝みにいきたくなる。(整形外科)

 

・診察中のわたしの言葉を聞きながら採血の準備を進めたり、話の長い患者を自然な誘導で診察終了へ運んでくれる看護師、とても助かります。(泌尿器科)

アンケートでは実名も出てきそうなほど感謝の言葉が集まりました(すべての回答者に優秀な人エピソードが!)。コメディカルスタッフはその分野のスペシャリスト、特定の領域に関しては医師より知識量経験量ともに豊富ということもあります。また、医師と患者さんの間に立つ看護師さんは、そのどちら側の気持ちにも寄り添える、ありがたい存在です。

これまで出会った「この人はイマイチだ…」と思ったエピソード

・その日のTODOリストをこなすことに終始し、1日の流れ、入院期間全体の流れ、退院後の生活、患者の人生全体としての流れを捉えられていない人(緩和ケア)

 

・職種問わず、指示待ちの受け身はイマイチ。どんな状況でも自分の頭で考えて、状況を判断し、自ら動くようにしないと。(小児科)

 

・「痛がってます」「熱があります」など何の評価もせずに,ただただ患者さんの訴えを電話してくる。そんなこと患者さんの家族でも出来る。(消化器外科)

 

・患者の訴えをそのまま報告する、処方などのひとつひとつの意味を理解しようとしないただのメッセンジャーとしてしか動けない看護師。患者に肩入れしすぎて感情的に医師に掛け合ってくる看護師。(頭頸部外科)

 

・指示に従わない看護師、医師の処方に関して患者の前で異をとなえる薬剤師。(内科)

イマイチな人エピソードについては、専門スキルを疑うというよりは、「人の話を聞かない」「自分で考えずに常に指示待ち」「指示を理解していない、理解する気がない」など、そもそも社会人としてどうなの?という働き方に対して意見が集まりました。医師側は専門家として頼ろうとしているのに頼れない、そんなイライラが見え隠れ。コメディカルへの期待、彼らの仕事を尊重する姿勢からくる意見がほとんどでした。

タスクシフトしたい業務、1位は「書類作成」

続いて、自分の業務の中で、コメディカル等にタスクシフトしたほうが良いと思う業務があるかどうかをたずねると、88%の医師が「ある」と答えました。タスクシフトした方がいい業務は以下の通りでした(複数回答・フリーコメント)。

1位:サマリー、レセプト、保険書類等の書類作成
2位:輸血や点滴等のルート確保
3位:初回以降の処方、粉砕、一包化など

輸血や化学療法のための点滴のルート確保。特定看護師もできるが、基本的に誰がやっても同じなので、医師の負担軽減のためにやってほしい。(血液内科)

 

シーツ交換、配膳など看護師がやっている仕事を看護助手さんにしてもらい、看護師は医療行為の補助ができるようになって欲しい。(小児科)

 

抗生剤や輸血の初回投与のときの観察は医師、オペ前やケモ用のルートキープは医師、などの暗黙のルールが多すぎる。医師免許が必要な仕事に集中させてほしい。(頭頸部外科)

 

せめて膨大な文書仕事だけでも専門のスタッフに丸投げしたい。(科目非開示)

やはり書類作成などの事務処理に頭を抱える医師が多いようです。手伝って、というよりは、丸投げしたい!でした。医師は最終チェックだけで十分、という意見も、スタッフへの信頼の証。

最近では大病院を中心にメディカルクラークを見かけるようになりました。医師の業務削減が目的とされていますが、患者にとっても大変メリットがあります。医師に症状を訴えても、カルテの入力に必死で目も合わないということがよくあります。時には、「入力が遅すぎる…、あぁ、また変換ミス…」なんて思われていることも…(他に見るところがないので結構見ている…!)。診察時間は一人ひとりの患者にとっては少ない時間です。その間、医師とちゃんと目を合わせて話せる、相談できることは、何よりの安心材料です。

さて、厚生労働省は2018年12月に、医師の長時間労働を減らすため、手術に伴う業務などの一部を医師から看護師に移すことを促す方針を決めました。看護師への研修の見直しや、麻酔や手術を受けた患者の管理を担える環境を整えるなど、ようやく少しずつですが動き始めたようです。これからの動きに期待したいものです。

文・ふるたゆうこ