Ad5f18ff c275 4387 99f5 66ff3076c0d2リフレッシュ
2015年10月23日

研修医マンガの作者だけが知っている、女性医師の魅力的な6つの素顔!

 研修医のリアルな姿をユーモラスに描くマンガ家・水谷緑さんが、女性インターン生の素顔に迫ります。最新作『まどか26歳、研修医やってます!』のシーンをもとに、“女子研修医あるある”をピックアップ。まさにいま必死の研修医も、かつてのインターン生も、主人公・まどか先生の「がむしゃらでひたむきな姿」に感化され、初心に帰り、ふと気づくことがあるかもしれません。ドクター以外の方も医者のタマゴたちのあたふたぶりにクスッとすれば「先生も普通の人なのね」と親近感がわくはずです。

水谷 緑さん

1983年神奈川県生まれの漫画家。知人・友人に医療関係者が多かったことから生まれた作品が第22回コミックエッセイプチ大賞を受賞。その後『あたふた研修医やってます。』(KADOKAWA)として書籍化し、第2弾『離島で研修医やってきました。』第3弾『まどか26歳、研修医やってます!』(ともにKADOKAWA)を上梓。
ホームページ:http://mizutanimidori.com/
ツイッター:@mizutanimidori

 

素顔その1:初期研修医は半分「普通の人」だからおもしろい!

この作品を描くまでは、正直、女医さんは遠い存在でした。テレビのタレントドクターの影響のせいかプライドが高いイメージがありました(すみません!)。医療関係の知人から聞く女性研修医といえば「どっしりしてて注射がうまい」「朝のカンファレンスで体育会系の先生に怒鳴られても言い返してる」というような内容だったので、強そう…という印象でした。

 でも純粋に同じ女性として「お医者さんというすごく大変な仕事を選ぶ女性はどういう人なんだろう。どんなふうに働いているんだろう」という興味がありました。そんな時にお会いしたのが『まどか26歳、研修医やってます!』の主人公・まどか先生と『離島で研修医やってきました。』の取材で出会った女医さんです。お二人ともフランクでサバサバしていて、かわいくてかっこいい。丁寧に楽しく話をしてくださって「こんなお医者さんに診てもらいたい」と心の底から思える方たちでした。

 私が研修医をテーマにする理由は、一人前のドクターになる前の「普通の人」の要素が残っているからです。医大を卒業して初期研修に入ったばかりのときは右も左もわからない状態。とはいえ患者さんからしたら「お医者さん」なわけで、未熟な自分と向き合いながら、汗をかき、涙し、必死で前に進もうとしている姿が、人間らしくて、とても魅力的なんです。

 素顔その2:研修医室は部室状態。男女の境がなくても柔軟に対応!?

まどか先生の病院では、初期研修医たちは専用の研修医室が与えられます。そこにはドクターも看護師も基本的に入れないので、自由に好きなことができるオアシスのような場所。男女が入り混じった体育会の部室のようで、学生気分でわいわい楽しく過ごしているそうです。客観的に見たら「医者って男社会だな、女性たちがくつろげる居心地のいいスペースがあればいいのに…」と考えてしまいますが、先生たちは「これが当たり前」と(不満を表に出さず)受けとめている様子。悲観的に捉えていないのがたくましいなと思いました。

素顔その3:1分1秒が勉強、
初めて目にしたものひとつひとつに感動している。

 

 
初期研修の2年間は「スーパーローテーション」といって内科、外科、小児科、産婦人科など複数の科を回り、経験を積んでいきます。初めての手術は当日にオペ室で突然指名されることが多く、「生きている人を切るのは初めて」とビビリながらも執刀医の指導のもと、手を震わせながらメスを持ち、医者としての一歩を踏み出します。傷の縫合を失敗すれば「このド下手クソが。医者なんかやめちまえ!!」と怒鳴られることもありますが、めげずに進む研修医たち。

 まどか先生の、初めて見る臓器に自分の手で触れたときにとても感動するという話に引きつけられました。とくに印象に残ったのは前立腺がんの除睾術の話。いわゆる男性の玉を取るオペのことです。写真を見せていただいたら、玉の見た目はゆでたてのうずらの卵のようで、思わず「おいしそうですね」と言ったら、「もう13個もとったんですよー」と目を輝かせて返してくれました。まどか先生もこんなにキレイなものが入っているとは思っていなかったそうです。

 素顔その4:婚活は20代から気合十分! 将来設計は一般女性より堅実!?


「タイミングを逃すと結婚はなかなか難しい」と研修医の先生たちは感じているのか、初期研修が終わるころには結婚したいと思う方が多いようです。というのも、初期研修終了後は専門医を目指す方が多く、試験に合格し専門医に認定されるのが30歳ごろ。出産適齢期と重なるため、できるだけ早い段階でプライベートを固めておきたいと考えているようでした。私の周りのOLさんよりも意識が高く、研修医時代に合コンへ行ったり友達を紹介し合ったり、好きな人がいればちゃんと告白するし、ダメなら次を探すという行動力。見習わないといけないな…と元気をもらいました。

素顔その5:前へ前へと進もうとする姿勢

 

本当に激務だし、シビアな判断を求められるし、患者さんが亡くなってしまうこともある。お医者さんを見ていて、なぜこんなにがんばれるのか不思議でした。でも取材をしているうちに「いつも後悔している」と聞いて、だから前へ進もうとする力がすごいんだ、初めから前向きなのではなく、前向きにならざるを得ないのだと知りました。

 お医者さんの世界は「100%正解」がありません。患者さんによかれと思って治療を進めたけど、それが医学的に正しくても患者さんにとって本当に良かったのか、常に自問自答している。自分の判断が患者さんの人生を左右してしまうことが多いので、後悔をいっぱいしているのかなと感じました。そんな深い後悔も、身近な人には軽々しく言えない。それがお医者さんの悲しみなのかなと思います。

素顔その6:女医さんは(私にとって)女の星!

 

 女医さんは本当にまじめだと思います。ある先生に「やりがいがありますか?」と聞いたら「あります」とスパーンと答える。普通なら「仕事は好きですけど、つらいし……」とウジウジしちゃいそうですけど、ご自分を鼓舞している部分もあるでしょうが、女医さんには覚悟があります。女性医師は科学者でありながら、心身は体育会系。医師免許を取るまでに猛勉強して、医者になったあとも一生勉強し続けるし、休みなく働き続け肉体的にも精神的にも強いです。さらに、ものすごくポジティブ。常に判断が求められる仕事なので、決断力もお持ちです。周りの人がたまに「仕事やめたい、働きたくない」と言っているのですが、女医さんからは「仕事をやめたい」という言葉を聞かない。本当にひたむきでまじめなんだろうな、と思います。

 それと、女医さんは男性医師に比べて、出世欲がない気がします。普通のOLさんと似ていて親近感を持ちました。教授になることにあまり興味はなく、自分らしく仕事をしたいと考えている方が多いように感じます。

 まどか先生は研修で忙しいのに、週3回は大好きな野球観戦に行ったりジムに通ったり、私の2~3倍は濃厚に生きています。仕事も、趣味も、家庭を持つことも、すべてを全力でがんばろうとしていて、女医さんたちは同じ女性としてあこがれの存在です。そんな女医さんの魅力が、マンガを通して少しでも伝えられるといいなと、心から思っています。



水谷緑さんの著書
まどか26歳 研修医やってます(KADOKAWA)

3食カップラーメン、睡眠時間4時間……。
女性研修医のリアルな現場を描いた
コミックエッセイ。
医者のタマゴとしての奮闘劇だけでなく
女性としての恋、結婚の悩みなど
等身大の女性インターン生は
明るくてタフな人間的な魅力にあふれています。

 

 


関連記事 

 女性医師たちの生声で振り返る「嗚呼、研修医時代」 
 ――3日帰れなくて当たり前! 肉体疲労極まれり編

 女性医師アンケートから考える
医師の仕事「理想と現実」