46812dca 3ba6 42d6 bfc7 0eb26995e79b連載・コラム
2019年09月24日

多様な女医の働き方、誰をロールモデルにする?【院長ママのパラレルな日々  第27回】

joyのたまごに悩みはつきもの。いつ結婚して、どのタイミングで出産・子育して……といったライフプランや、働き方のこととなると考えるのはなおさら難しいものです。

今回は「女医のロールモデル」について考えてみます。

気が付いたらアラフィフ……私なんかは子育ても徐々に終わり始めており、人生残り半分以下となり、自分のセカンドステージ、いや、サードステージの身の振りを考えています。

私の人生目標である『笑って死ぬ』ためには何をどうすべきか……。今は何より大切なものは時間であると考え、大切な時間をどう使うか、という事を中心に日々を過ごしております。

ここ最近、大学にも身を置き、若い医者と接する機会も増え、さらにクリニックの外来にもjoyのたまごちゃんが『女医ロールモデルを学ぶ』という名目で、夏に数日、研修に来てくださるようになりました。東医体(東日本医科学生総合体育大会)前後なので、なぜか今は皆髪の毛の色がカラフル……そんな時代らしい(笑)。

そして、20代30代のJoyたちだけでなく、joyのたまごの学生さんたちも、すでに女として身の振り方を悩んでいる様子!

私の学生時代とは違い、幅広い選択肢をもつ学生joyのちゃんたちは「いつ」あるいは「何年生」で「どんな人」と結婚するか?という事までしっかりと考えていることを知り、おばちゃん(←私)びっくり!素晴らしい!

例えば、今って、学生で結婚して出産しちゃうことも一つの選択肢になっているわけです。

確かに、結婚を前提にお付き合いしている彼が医療関係者でない場合、joyのたまごちゃんが卒業する前に就職してしまうことも多いわけですから、この人!と思うなら、自分が研修医になる前に結婚することだってあるわけですよね。

そうなると、国家試験を受ける前に結婚して出産をしてしまい、一般職の女性がやっているように、0歳児から保育園を当たり前のように利用し、研修を重ねる……ってことも可能なわけです。

私の研修医時代は、研修医は24時間病院にいてなんぼでしたから、帰る選択肢があまりなかったのです。しかし、今はきちんと研修医は時間で帰ることが約束されていますから、保育園利用だって可能なわけです。

なるほど……。

とは言っても、現実的に見ればそれは少数派でしょうから、厳しい状況もあるかもしれません。でも、周りのすべての人に理解してもらう必要はないのですから、家族の理解と自分さえブレなければ良いわけです。

では、医者になって出産するにはいつが良いの?と考えてみても、この時がベスト!なんてことはあるのでしょうか?

医者になり、結婚。早い段階で出産し、子育てしながら大学院だって卒業し、臨床だって頑張っているjoyの後輩がいます。人生、順風満帆に見えても、彼女だってそれなりの悩みを抱えているのです。

時短制度があっても、まだまだ大威張りで忙しい同僚を横目に見ながら帰るのは、気が引けるのもよくわかります。自分の患者さんを最後まできちんと治療できないことに、満足感を得られず、外科医としては不満かもしれません

年を重ねれば体力的にも衰えを感じるし、自分が満足できるような仕事っぷりはなかなか不可能になってきます。「女医に優しい時代になってきた」とは言えども大学に身を置いていれば、若い医師の指導や学生指導の仕事、研究業務もあるわけですから、仕事が減ることはないのです

授乳、夜泣きと子どもに付き合いながら、ある時は子どもが熱を出したと上司に伝え、急遽仕事に穴を開けなくてはならない……。心が折れることも容易に想像ができます。

いっそ、20代で卵子凍結しておいて、ある程度、医者として独り立ちができるようになってから妊娠?なんて思いも私には浮かんできますが、女としての人生も適齢期もありますから、そんな利己的にはいかないのでしょう。

それでも、joyが女としても医師としても、悔いのない人生を堪能するためには、やっぱり学生のうちから沢山のjoyの生き方を見て参考にする機会を与えてあげることがとても大切なのでは?と感じました。

10年後のキャリアを考えて、今をどう生きればいいかを逆算する「人生10年逆算計画遂行」をおすすめする私としては、joyのロールモデルがないと10年先の想像はできませんからね!

ならば、私が開業医師として地域に根づく医療のロールモデルになればいい!そしてもっともっと沢山の場で活躍するjoyロールモデルがいることを知ってほしい!

大学病院で当直・研究・臨床をこなしながら4人の子育てをした先輩、研究をメインに活動しているjoyもいれば、臨床が大好き、オペをするために働く場所を選んでいるjoyもいます。ご主人の留学に連行され出産を海外で終え、日本に戻ってから、中規模病院で苦手だったオペをバリバリこなすようになった尊敬すべき後輩もいます。

先日は、国境なき医師団で活躍する大学の後輩の記事を見つけて、本当にうれしく思いました。彼女は子どもを産んで現場に戻ることが次の目標と語っていました!

まだまだ無給医の問題、入試の問題、保育園問題など医師・joy問題は山積みですが、確実に改善されてきていることは間違いありません。

自分に合った専門科を自由に選択できるように、joyが自分にあった働き方を前向きに選べると良いな。そしてjoyであることが、女としての人生設計を立てる足かせにならないような保証がもっと整うことを切望します

井上留美子 (いのうえるみこ)

1971年東京生まれ、東京育ち。聖マリアンナ医科大学卒業・研修。整形外科学教室入局。長男出産をきっかけに父のクリニックの院長となる。日本整形外科学会整形外科認定医、リハビリ認定医、リウマチ認定医、スポーツ認定医。

自分の健康法である笑うことをモットーに予防医学としてのヨガに着目し、ヨガインストラクターに整形外科理論などを教えている。シニアヨガプログラムも作成し、自身のクリニックと都内整形外科クリニックでヨガ教室を行う。現在は二人の子育てをしながら自身のクリニックにて院長業務を行っている。 

 

\\医療ドラマフリーク、留美子先生の連載//
「本能で楽しむ医療ドラマ主義宣言!」

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