
連日の飲み会、激務、寒さでグッタリの年末年始は
料理家ドクター・河埜玲子先生の回復レシピで乗り切る。
料理家ドクター・河埜玲子先生の回復レシピで乗り切る。
忘年会、クリスマス会、新年会など、イベントが目白押しのこのシーズン。加えて病院は正月休み前の駆け込み患者さんが増えるなど、何かと忙しくなるのが年末年始です。激務で疲れきった体に、連日の飲み会での暴飲暴食の連打は、かなり堪えるもの。そこで料理家ドクター・河埜玲子先生に飲みすぎ&食べ過ぎにおすすめのレシピを作っていただきました。見た目も華やかな料理はホームパーティでも活躍します。
河埜玲子(こうのれいこ)先生
1978年生まれ、滋賀医科大学医学部卒業。現在は済生会松坂総合病院にて麻酔科に勤務。医師として臨床に携わるなかで、身体と心の健康のためには、毎日の食事がいかに大切かを痛感。今、まさに子育て中である自身の経験から、働くママを応援するため料理家として活動をスタート。身近な食材を使った簡単、時短レシピを提案している。ブログや著書『忙しい人のための“一品で"栄養バランスが取れるレシピ―女性医師が教える体と心が喜ぶ食事』(SBクリエイティブ)などでレシピを紹介。
二日酔いで食欲のない朝でも
カレー風味のサラダなら体がシャッキリ。
ほくほくのかぼちゃ、シャキシャキとした食感が爽やかなりんご、かりっと香ばしいクルミ、甘酸っぱいレーズンなど、味と食感の違いが楽しいサラダ。かぼちゃは電子レンジによって加熱時間が多少異なるので、調節しながら調理しましょう。カレー風味のヨーグルトベースのソースは、さっぱりとしていて、スパイシーな風味がアクセントになります。二日酔いで食欲がないときにも食べやすいおいしさです。
【かぼちゃとりんごの美容サラダ】 調理時間:5分
材料(2人分)
かぼちゃ 200g
りんご 1/2個
クルミ 20g
レーズン 20g
材料A ヨーグルト(無糖):大さじ3 マヨネーズ:大さじ1 カレー粉:小さじ1/3 塩:少々 |
作り方
①かぼちゃは7mm厚さのいちょう切りにし、耐熱皿に並べラップをかけ電子レンジ(600W)で3分30秒〜4分加熱する。
②りんごは薄いいちょう切りにする。くるみは荒く刻む。
③①と②、くるみとレーズンをボウルに入れて材料Aで和える。
POINT
ソースに使ったカレー粉には、肝機能を整えるほか消化促進、食欲増進などの効果があるので、飲み過ぎや食べ過ぎたあとにぴったりの料理。栄養面でもバランスがとれた一皿で、かぼちゃでβカロテン、ビタミンC・Eといった老化を防止する抗酸化ビタミンのほとんどを摂ることができます。さらにはクルミやレーズンでミネラルを補給しましょう。
「食生活の乱れで便秘気味」という人にも、かぼちゃやりんごの食物繊維・ヨーグルトの乳酸菌により腸内環境が改善されるのでおすすめです。この抗酸化作用+腸内環境改善の組み合わせにより、お肌の健康を取り戻す効果が期待できます。かぼちゃとクルミに含まれている豊富なビタミンEが血行を促進してくれるので、冷え症の人にもうれしい朝食です。
お昼は女性に必須な鉄分・カルシウムを
手軽な「おにぎらず」で補給。
その名の通り、にぎらず海苔に包むだけで作れるブームの「おにぎらず」。勤務の合間にパパッと食べられて、女性に不足しがちな鉄分・カルシウム・食物繊維を手軽に摂ることができます。しかも作り方はきわめてカンタン。市販のひじきの煮物とチーズを雑穀ごはんにのせて海苔で包むだけ。忙しい朝でも手間いらずの一品です。
【ひじきとチーズのおにぎらず】調理時間:5分
材料(2人分)
雑穀ごはん 240g
ひじきの煮物(市販品) 20g
ベビーチーズ 2個(30g)
焼き海苔 全形2枚
塩 少々
作り方
①ベビーチーズは厚みを半分に切る。
②ラップの上に焼き海苔1枚を広げ、中心に雑穀ご飯の1/4量をのせる。
③②の上にひじきの煮物と①をそれぞれ1/2量のせる。
④その上に雑穀ご飯の1/4量をのせて塩をふる。
⑤海苔の4角が中心にくるように折りたたみながら、ラップでくるむ。海苔が重なっている方を下にしてなじむまで5分ほど置く。
⑥②~⑤の工程でもう1個作る。
⑦1個をラップにくるんだまま包丁で2等分に切れば1人分ができあがり。
POINT
ひじきと海苔には貧血予防に効果的な鉄分や、骨を強くするカルシウムが豊富。粘膜を健康に保ち免疫力を上げるビタミンA、便秘解消に役立つ食物繊維が含まれています。ベビーチーズは15gで牛乳コップ半分とほぼ同量のカルシウムを摂ることができる優れた食材。ごはんを雑穀にすることでミネラル、ビタミン、食物繊維が摂取でき、食べる際によく噛むので満腹中枢が刺激され、食べ過ぎを防ぐことができます。
作り方のコツは、雑穀ごはんを海苔で包み終わったら、海苔が重なっている面を下にして5分以上置くこと。全体がなじんで海苔がはがれにくくなり綺麗に仕上がります。海苔やひじきなどの海藻とチーズの相性が抜群で、お子さんも喜ぶ一品です。
食生活の乱れでおきやすい便秘解消におすすめ。
パーティでも目を引く華やかな押し麦リゾット。
押し麦のプチプチとした食感と小豆のやさしい味わいが特徴のリゾットです。野菜の甘味とベーコンのうま味が相乗効果になり、シンプルながらも深みのある味わい。にんじんのオレンジ、パセリのグリーンが彩りになった料理はおしゃれでヘルシー。女子会やクリスマスパーティにおすすめです。
【小豆と押し麦のリセットリゾット】調理時間:30分
材料(2人分)
玉ねぎ 1/4個(50g)
にんじん 1/4本(40g)
ベーコン:2枚(40g)
水 2カップ
コンソメ顆粒 小さじ1
押し麦 80g
小豆の水煮(砂糖不使用のもの) 100g
塩こしょう 少々
作り方
①玉ねぎはみじん切りにし、にんじんとベーコンは5mm角に切る。
②鍋に①の野菜、水、コンソメ顆粒、押し麦を入れて中火にかける。沸騰したら弱火にし、時々木べらでまぜながら15分煮る。小豆の水煮を加えさらに5分煮る。途中で水分が蒸発しすぎたら水を50ccほど足す。
③塩こしょうで味を整えてから、皿に盛り付け、刻んだパセリを散らす。
POINT
小豆は体内の余分な塩分や水分を排出するカリウムが豊富で、むくみ解消の効果が期待できます。小豆と押し麦は食物繊維が含まれており、便秘が気になる人におすすめ。食物繊維が十分に摂れるこのリゾットは、低カロリーのわりに満足感が高く腹持ちがいいので、ダイエット中の人に心強いメニューです。
作り方は材料を鍋に入れて煮るだけ。カンタンなのに手の込んだ料理のように見える、おぼえておくと便利なレシピです。お米で作るリゾットは芯がほどよく残るように仕上げるのが難しいですが、押し麦ならプチプチした食感が必ず残り、失敗することなくアルデンテのかたさになります。小豆は煮すぎると崩れてしまうので、最後に加えるのがポイント。押し麦はお米と違ってふやけないので、作り置きができ、ラップに包んで冷凍保存しておけばいつでも食べられます。
「毎日料理を作るのが面倒」 |
<関連記事>
当直、長時間オペ……。
過酷な勤務を助ける
料理家女医の簡単&美的レシピ
1日1食!?ドクターのごはん事情
ーー女性医師アンケートで発覚したちょっと切ない食生活